志望企業を選択する際に企業から発信している情報を参考にすることはよくあることです。例えば、その企業の「文化や社風が自分に合うだろうか」などは多くの学生が気にする項目ですので、HP等の採用情報を丁寧に読むことになるでしょう。あるいは、選考前後の面接で直接質問をする学生もおられます。
多くの企業では採用情報に求める人材要件を公開されていますので、チェックされている学生も多いのではないでしょうか。
例えば、あなたがある企業の選考を受け、人材要件で満点評価を得たとしても、その会社で活躍できる資質があることにはつながらないのです。なんとも恨めしい話ですが、人材要件にフォーカスすると、高い確率でそうなってしまうのです。どうして? と言うあなたの問いに応えるデータを紹介します。
人事白書(日本の人事部)調査によると、採用で求める人材要件を選考基準に落とし込めている企業は2割以下であったことが明らかになったのです(尚、調査は6,504社、6,797人(のべ)から回答を得たものです)。
その会社で活躍するうえで必要な性格特性や能力、ストレス耐性が明らかになっているかを訊いたところ、「明らかにし、選考基準に落とし込んでいる」と回答した企業は19.8%で5社に1社程でした。

業界別では、IT・通信・インターネットとサービスで「明らかにし、選考基準に落とし込んでいる」企業が若干多いことが分かります。

入社後に仕事で活躍することは、職業人にとっては一つの誉れです。自己効力感や肯定感も高まります。そして周りから嬉しい評価も得られるでしょう。実感や満足感が実感でき同時に感謝が滲み出てくる感覚を覚えるものです。多くの新入社員は、早く一人前になって自分もそうなりたいと思うものです。しかし、多くの企業では活躍するうえで必要な性格特性や能力、ストレス耐性が明らかになっていない、のです。
だからといって、残念がる必要はないのです。そうした会社でも実際に活躍されている人材は存在するのです。おそらくそういう人材の共通した要素を言語化していないだけです。であるならば、こちらから、正攻法で教えてもらえばいいのです。OBOG訪問、人事に問い合わせてみる、企業訪問の際に質問してみるなど、方法はあるのです。要は、そうして自分の手足を使って情報を集めることを厭わないほどに志望度があるかどうかの問題なのです。
新卒採用では、応募学生のスキル・コンピテンシー・志望度・人間力あたりが注視されるものです。つまり、自己分析を丁寧に行って、自己認知を高め深めることが大切です。そのためには面接対策も含め、ロープレ(適切なフィードバックが得られることも重要)を積むことがやるべきこととなるのです。
就活本格稼働前の事前準備は質量ともにこれまで自分がやったことがないと思えるくらい徹底することが必要捉えて取り組まれることが、第一志望群の中でも志望度の高い企業から内定を得る近道を歩むプロセスです。