「マイナビ2025年卒企業新卒採用予定調査」(n=1,842社)が発表されました。
25年卒の採用予定数は文理ともに「前年並み」が増加していました(文系55.6%/前年比3.0pt増、理系56.9%/前年比4.6pt増)。これまで2年連続で採用数を「増やす」と回答する企業が増加していましたが、25年卒は前年比減となりました(文系前年比4.4pt減、理系前年比4.7pt減)。採用充足率が年々低くなるなか、採用予定目標数はこれ以上増やせないとの判断があると思われます。
新卒採用実施の理由の変化を見ると、「将来の幹部候補・コア人材の確保」が3年連続で減少する一方で、「退職者の増加」や「前年に新卒を採用できなかったから」は増加していました。
景気回復に伴って転職市場が活発になったり、転職者が増えたことによる欠員を新卒採用で補ったり、新卒採用活動を毎年行っていないものの、前年の採用何で今年度も再度新卒採用を実施することになった企業が増えていることが考えられます。将来の幹部公代やコア人材としての新卒採用は減少する一方、目下の人手不足解消のために新卒採用を実施する企業が増えていることが伺えました。
採用環境の見通しについて、「厳しくなる」と回答した企業は76.6%(「非常に厳しくなる22.8%」+「厳しくなる53.8%」)でした。文理それぞれの見通しについても、「厳しくなる」と予想する企業が3年連続で増加しています(文系68.5%/前年比19.4pt増、理系69.2%/前年比18.8pt増)。採用に苦戦すると考えている企業が増えている状況がわかります。
「自社の新卒採用が厳しくなっている要因」について尋ねたところ、「新卒学生全体の数が減っていること70.8%」が最多で、「新卒採用をする企業が増えていること53.1%」が続いていました。少子化によって減少している新卒学生に、多くの企業がアプローチし合う図式になっていることが、採用に苦戦する要因だと捉えていることがわかります。
給与の引き上げについて尋ねたところ、初任給の引き上げを行う予定の企業は傍系で47.2%でした。詳細を見ると「現時点ですでに引き上げており、さらに引き上げを行う予定」が全体の34.5%、上場企業では49.3%で最多となっていました。上場企業の約半数が初任給のさらなる引き上げを予定していることが明らかになりました。
また、基本給についても同様の傾向が見られ、引き上げを行う予定の企業は合計で48.8%となっていました。前述したように、新卒採用実施の理由として退職者の増加をあげる企業も増えていることから、採用におけるアピールという理由だけでなく、待遇改善により現職社員の定着も目指していると思われます。
今回の調査を見る限り、25年卒予定新卒採用市場も学生有利な状況であることが理解できます。しかし、市場全体の基調と自身の活動自体が全て同じ基調になるとは考えない方がいいでしょう。特に地方で地元就職を志望されている学生の皆さんは、しっかりとした準備と地道な活動が求められるのか当たり前と捉えながら、それでも活動に楽しさを見出しながら進んでいくつもりで望まれるといいのではないかと思います。
経済的な収入を疎かにすることはできませんが、あなたの強みを惜しみなく発揮できる職場との出会いを大切にされることをお勧めします。