本当の退職理由

前回は企業が採用時に最も重視している能力であるコミュニケーション能力について触れました。このテーマに触れた理由は、昨年10月にエン・ジャパンから発表された「本当の退職理由」実態調査を改めて読んだことにあります。尚調査は22年8月29日~9月27日の期間でインターネットによるアンケートで実施され、有効回答数は10,423名となった。

退職報告する際、会社日絶えた理由トップは「新しい職種にチャレンジするため」でした。一方で退職報告の際、4割以上が、会社に「本当の退職理由を伝えなかった」と回答していることが本調査で明らかになりました。

「これまでに退職の経験はありますか?」の質問に対して、「ある」と回答したのが84%でした。

退職経験者に「退職報告する際、会社に伝えた退職理由はいかのうちどれですか?」と尋ねると、最も多かったのが「新しい職種にチャレンジしたいため」が30%で、「別の業界にチャレンジしたいため」が18%と続いていました。

「報告する際に、退職する本当の理由を伝えましたか?」の質問に対しては、43%が「本当の理由を伝えなかった」と答え、4割超が本当の理由を伝えていないことが明らかになりました。

「退職報告をする際に本当の理由を伝えなかった」と回答した方に「会社に伝えなかった本当の退職理由は以下のうちどれですか?」の質問に対して、「職場の人間関係が悪い」35%、「給与が低い」34%、「会社の将来性に不安を感じた」28%が上位に並び成した。

以前から、退職理由として最も本質的なものとして人間関係が挙げられてはいましたが、改めて年代別のデータを見ると時代はどんどん進中で、人間関係に苦しむ職業人がダイバーシティや心理的安全性が重視されるこの時代でもトップに挙がるほどおられる事実を受け、昨日はコミュ力について思うところをお伝えしたものです。

「職場の人間関係の悪さ」には、組織によってもその背景がさまざまですので、個人ができることには限りがあります。そのなかでもコミュ力を高めることは、職場に限らずお客様や取引先など外の方との関係性も含めて良くしていくことができるものです。自分にとっても相手にとってもより良い関係性を構築するコミュ力というのは、後天的スキルですのでトレーニングを積むことで伸ばすことができるものです。それを社会人になってからではなく、学生時代にコツコツと取り組むことがファーストキャリアでのつまずきを防いでくれる見方になってくれるものだと思うのですが、いかがでしょうか。

会社に本当の退職理由を伝えなかった理由としては、「円満退職したかったから」43%、「話しても理解してもらえないと思ったから」36%が上位に挙がりました。

学生が就活を取り組むとき、頭の中では分かっていても判断や行動にズレが出てしまうことに、いつの間にか「就職」ではなく「就社」活動になっていることです。就活をスタートして順調に進むうちは大きな問題もないものですが、次第になかなかESが通らなかったり、一次面接から先に進まなかったりと、思うように進まない状況になると、「内定獲得」が唯一の目的と化してしまう学生が少なくないように思います。勿論、そのような状況における本人の心情はよくわかります。だからこそ、就活を始めるまでに意識してしっかり整えておくべきあれやこれを知っておいて欲しいと強く思うのです。

私たちが働くということは、自分の目的に合致するかどうかが最重要なことで、自分の目的に合わない就活では、その企業の規模や業績が世間でいう優良企業だとしても、自分にとっては適しているとは言えないのです。

自分のキャリアの目的や就活の軸を持っていないと、企業研究を丁寧に行っても情報を判断する際に、ズレを起こしてしまうので要注意なのです。 Self-awareness、組織心理学、マーケティング、行動科学などをベースに就活前に整えることを考察するキャリアデザイン講座のWeb説明会を18日(土)・21日(水)24日(土)で行います。詳しくはこちらから。

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