24年卒予定の学生に実施した「希望する居住地に関する調査」(n=1,945)結果から、大学で地元を離れた学生のうち「地元に戻りたい」と考えている学生は44.0%でした。一方で「地元には戻りたくない」と答えた学生が31.8%でした。
今回の調査結果では地元イコール地方と決めつけることはできませんが、収入面や環境など様々な面で課題があることを理解した上で、地方就職を志望する学生が年々増えていることを嬉しく思います。
元に戻りたい、地元に住む理由については、「親や親戚、実家の近くに住みたいから」34.6%が最も多い回答でした。2位には「地元の環境が魅力だから」29.4%、3位には「特に理由はない」13.6%となっていました。3位になった特に理由はないが地元に戻りたいと考える学生が一定数いることが、地方就職志望者が増えている一因ではないかと思います。昔は、卒業後も都市部にいたら何とかなる、と漠然と考えていた学生が少なくありませんでした。日本が豊かになったからの現象の表れのように思えるのです。
また、地元に戻るタイミングにつての問いについては、「親・親族の介護が必要になったら」36.8%が最も多く、自身よりも家族のライフステージにおける転機を挙げる声が多かったことがわかりました。
親の介護は社会課題の一つでもありますが、地元を離れている学生の多くが、家族の転機を気に掛け、その時が来れば自ら親の介護に向き合うと考えていることを知りました。
ただ願いとしては、就職を機に地元へ戻り、地元企業で働きながら職業人として力をつけ成長し、活躍して欲しいと思っています。そんな若者が増えることが地元の活性化につながり、お互い消費者としての相互依存が成立し、新しい時代における地方の姿を創造するヒューマンパワーにつながるのではないかと思うのです。