今年度の新入社員500名に訊いた キャリア観・仕事観

今年の親友社員500名を対象に、キャリアへの意欲や働くことの価値観に関する調査結果で、次のことが明らかになりました。

  • 約6割の新入社員が学生時代に「キャリアに関する授業」を受けていた
  • 働く上で最も大事にしたい価値観で「心地よい環境にいること」が1位
  • 会社を選んだ本音の理由は「社内の人間関係や雰囲気が良さそうだから」が1位
  • 将来の自分イメージでは「出世を希望していない」が最多
  • 現在の会社を「10年以内に辞める」見通しの人が4割
  • 希望以外の部署、配属地に配属された場合、半数以上が「異動希望を出す/転職を考える/退職する」
  • 仕事の不安として最も多いのは「自分の能力不足」が最多
  • 仕事の期待として最も多いのは「自分の成長」

働く上で最も大事にしたい価値観の1位は「心地よい環境にいること」、2位「人の役に立てること」、3位「自分の能力を発揮すること」でした。昨年調査と比較して「人の役に立てること」が昨年調査よりも10ポイント以上下がっていたことに注目する必要を強く感じています。

働く上で最も大事にしたい価値観の1位となった「心地よい環境」を理解するヒントは、彼らの理想の上司像にあるようです。

最も大事にしたい価値観において「心地よい環境」と回答した新人たちの「理想の上司像」は、「共感して話を聞いてくれる」「自分を尊重してくれる」「細かな指示をしてくれる」「自分に興味を持ってくれる」の項目が多く選ばれていました。

また、彼らにとっての理想のチーム像としては「メンバーの個性を活かしている」「失敗をサポートし合える」「自由を重んじる」といった選択肢が多く支持されていました。一方で「理想を追求する」「仕事の成果を大切にする」「強いリーダーシップを持ったメンバーがいる」といったアグレッシブな選択肢を選んだ新人は少ない傾向でした。

最も大事にしたい価値観1位の「心地よい環境にいること」と階とした新人たちの「理想のチーム像」

理想の上司像として「細かな指示をしてくれる」、理想のチーム像として「失敗をサポートし合える」という回答は、新入社員が失敗や挫折を極端に恐れていると考えられます。失敗を恐れることは、当たり前と捉えると、関わり方を上司や先輩から工夫改善をする必要がありそうです。

今年の新入社員にとっては、お互いが理解し尊重し合い、メンバーの個性を活かすような環境が理想と考える傾向があるようです。

一人ひとりが能力を発揮して働くためには、安心して挑戦できる環境、失敗をも認められる環境、メンバー同士の関係性の質の向上が求められます。

このような環境こそ新入社員が成長する土壌となり、組織の活性化や発展、企業価値の向上が期待できる組織文化につながるのです。つまり、自社の心理的安全性を上げることが喫緊の課題と捉えることが大切です。また、先が見えない時代であり、今後の働き方や展望に迷いを抱いている新人も少なくないようです。早い段階でのキャリア自律へのマインドセットも育成課題の1つになります。

よい組織環境づくりとキャリア自律支援は、新人に限らず社員の会社へのエンゲージメントが高い状態を生む源泉になります。半数近くの新人が現在の会社で長く働くことを想定していないという調査結果に対しては、早急な対策が必要だと思われます。

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