今春新入社員となった24年卒(888名)を対象に行われた調査結果から、24年卒の就活とキャリア観が伺えました。現在活動中の25年卒はもちろんですが、事前準備に着手した26年卒にとっては参考になる情報化と思います。
最初に、「入社の決め手を3つ選択してください」と質問したところ、上位は次のようになっていました。
- 事業内容に興味があった 66.9%
- 成長できる環境があると感じた 57.5%
- 面接してくれた社員が魅力的だった 44.1%
「事業内容に魅力があった」「成長できる環境があると感じた」「扱うサービスや商品が魅力的だった」が増加傾向となっていることがわかります。
近年における企業選びでは、待遇面や勤務地にフォーカスされる話題が多く流れていますが、今回の結果を見る限りは、優先度が高くても決め手となるカギが他にあることが示されているように感じました。
次に、「就職活動において重視していた軸」を複数回答で質問したところ、上位は次のようになっていました。
- 業界・職種 61.4%
- 勤務地/転職の有無 37.0%
- 福利厚生の充実さ 34.6%
22年卒・23年卒との比較では、「福利厚生の充実」「有給休暇の取得しやすさ、初任給」「企業理念(ミッション)」が増加傾向となっていました。注目したのは「経営理念(ミッション)」が22年卒から2.0pt伸びていたことで、最近個人でパーパスを持つことの大切さがフォーカスされていますが、学生にもそう言うことが少し浸透してきたのだろうかと思ったしだいです。
「今後のキャリアで実現したいことを3つ選択してください」の質問の回答では、次が上位となっていました。
- 自分お能力を高める、成長する 70.5%
- 今の会社で出世して、年収を上げる 54.3%
- ワーク・ライフ・バランスを確立する 44.6%
22年卒・23年卒と比べて見ると、「今の会社で出世して、年収を上げる」「幸せな結婚をする」「語学力をつけて海外で働く」「平凡に日常を過ごす」がどうか傾向となっていました。一方で「社会貢献できる仕事に就く」「日本や会社の発展のために働く」が年々減少傾向になっていることも示されていました。この点は、Z世代の人生観や仕事観と相関するものとも捉えることができます。いずれそういう機会が訪れるとは思いますが、早いうちから「働く目的」や「生きる意味」などを少し哲学的な思考を取り入れながら個々人が言語化されることを望むところです。
調査から今年の新入社員の傾向として、「福利厚生の充実さ「「有給休暇の取得しやすさ」といった働きやすさと、「成長できる環境」「出世や年収アップ」というスキル・年収アップの両方を強く求める志向が高いことが伺えました。
4月の入社後の研修などが一段落して、5・6月に配属先に着任する流れが多くの企業で見られますが、この時期に目立ってくるのが、理想と現実のギャップに衝撃を受けたときに起きるリアリティショックです。
新入社員にとっては、入社前にイメージしていた仕事内容、人間関係、職場環境などの理想と、入社後の現実との間に大きなギャップを感じることで、リアリティショックを起こしてしまうといわれます。
そうならないためにも、初期段階から健全で良好な関係性と心理的安全性を職場内で醸成する努力を先輩や上司の方々には、より努めていただきたく思います。