近年の就活は学生有利の売り手市場ということもあり少数派と考えていましたが、ESを手あたり次第出す学生がいまも一定数いるようです。一方で、多くても5社以内で就活を進める学生もおられます。一概に決めつけることはできませんが、自分でしっかり「納得して就活を終える」学生は後者に多数いると経験則ながら思っています。
東京大学史上初の博士(経営学)を授与されたことで注目をされている、岩尾俊兵(慶應義塾大学商学部准教授)さんは、著書【世界は経営でできている】で就職活動について次のように述べています。
三文芝居の笑えない喜劇で満ち溢れている。しかもほとんどの就活生はそれを演じていることに気づいてすらいない
世界は経営でできている
この本は、人生や物事が上手くいかないのは、日常の問題の原因を経営不足と捉え、経営不足とはどういうことなのかを明らかにしています。
自分の人生の主役は自分、といった話しは良くご存知だと思いますが、あなたは二度とない人生を自分が経営しているという認識についてはどのくらい持っているでしょうか。
自分の人生を経営している自覚を深めることで、仕事選びや働くことの価値観などもより明確になるのではないかと思われ、就活生には一読をお勧めしたい良書です。
さて、本書の中で後者になるために取り入れるべき思考についても触れられています。
自分にとって究極の目的は何で、そのためにはどんな就活をすべきか」を問い直すだけでも就活をめぐる悲喜劇の大部分は回避できる
世界は経営でできている
経営とは、より良い未来を目指して、さまざまな関係者と協働して成果を分かち合うことがベースではないかと考えているのですが、あなたはいかがでしょうか。
本書の中で岩尾俊兵さんは、上手くいかない就活生について、能力が低いわけではなく、真面目ゆえに経営失敗の罠にかかっただけ…、と述べています。この意見には同感します。真面目ゆえに失敗の罠に足をすくわれるのは、就活に限らす、人生さまざまな場面で起きる悲劇です。
自分の人生を経営する、という視点で自己分析や志望企業選択を考察されてみるのも、就活でより良い体験と納得する成果をあげる近道かもしれません。