「無知の知」という言葉がありますね。無知であることを知っていること/気づいていることが重要であるということです。つまり、自分がいかにわかっていないかを自覚することが大事だということです。ソクラテスはこの考え方を基本としたといわれています。
自己認識が重要であることにもつながることだと思っています。かつて公私ともにお世話になり育てていただいた恩師は「無知は人生に壁をつくる」と説いておられました。その近くで私も厳しく指導を受けていたのですが、当時の私は真の自覚は愚か、気づきも浅い未熟者でした。あるレベルまで経験を積まないと、無知の知を自覚するまでには至らないのかも知れません。この積み足りない経験を補うことができるのが、先人の教えや気づきを学ぶことではないかと思うのです。
それは歴史にその名が刻まれた偉人と言われているような人だけではなく、市井(しせい)の人々からも学べることはたくさんあるのです。たとえば、学生であれば、先輩が自身の就活を通して得た気づきやもう一度が学生に戻って就活をするとしたらどんなことをする(しない)か、といった話しを聞かせてもらうだけでも、たくさんの学びがあるのです。この場合、先輩を先人というよりは、先達と言った方があっているかも知れませんね。
私たちは「知ることによって想像ができるようになる」のですから、知ることに貪欲でありたいとも思います。ただし、単に知識を持つだけのマニア的なことを目指すのではなく、二度とない人生を自分らしく生きるための知を探究することが大切だと思うのです。そんな知をえることで、主観の世界から引いて観るといった知恵を体得することも可能となるのではないでしょうか。
この時期、多くの企業が夏季休業となりますので、先輩のなかで話を聞かせてくれる方もおられるかも知れません。せっかくの機会ですので、まずは躊躇せず最初の行動を起こしてみてはいかがでしょうか。私たちは行動をしたことよりもやらなかったことに対して大きな後悔を持つと言われます。就活のアドバイスを求めることに躊躇するようでは望む人生を創造することは難しいと捉えて、ぜひ意欲的、積極的、主体的に行動を積む夏休みにしてください。