【就活成功の鍵】「働きがい」を見つけるために、まず自己理解を深めよう

「自分にとって“働きがい”のある仕事って、何だろう?」

「どんな会社に入れば、自分らしくイキイキと働けるんだろう?」

就職活動が本格化する中、多くの学生がこのような問いに直面します。求人票を見てもピンとこない。企業説明会を聞いても、なんとなく「良さそう」だけど、自分に合っているかどうかわからない。そんな不安や迷いを抱えながら、情報をかき集めている方も多いのではないでしょうか。

けれど、どんなにたくさんの企業情報を調べても、どんなに面接対策を積み重ねても、「自分自身のこと」がわかっていなければ、納得のいくキャリア選択にはつながりません。

就活において、自己分析が重要だという話は、もはや言うまでもないほど一般的です。しかし私が伝えたいのは、単なる「面接対策のため」や「エントリーシートを書くため」ではなく、「自分が働きがいを感じながら、職業人生を歩んでいくため」にこそ、自己理解は欠かせないということです。

本記事では、「働きがい」を軸に据えた自己分析の本質と、就職活動において意識すべきポイント、そして自己理解を深めるための具体的な取り組み方について、レクチャー形式で丁寧にお伝えしていきます。

「働きがい」とは何か? その答えは、自分の中にある

「働きがい」という言葉はよく耳にしますが、その中身は人それぞれです。ある人にとっては「成長実感」が働きがいの源泉かもしれませんし、別の人にとっては「誰かの役に立てること」「専門性を活かせること」「裁量を持って働けること」などが重要かもしれません。

だからこそ、「働きがい」は“自分基準”で考えることが大切です。世の中で“良い企業”とされているところが、あなたにとっても良い企業とは限りません。逆に、知名度はなくても、自分の価値観や強みとマッチする企業であれば、そこでこそ充実した職業人生を築けるかもしれません。

では、その「自分基準」はどのように見つけていけば良いのでしょうか? そのために必要なのが、「自己理解」です。自分がどんな価値観を大切にしていて、どんなときにやりがいを感じるのか。どんな強みがあり、それをどんな場面で発揮できるのか。これらを言語化していくプロセスが、働きがいのある仕事と出会うカギになります。

自己理解のポイント①:強みを知り、「職能」につなげる

就職活動では、「あなたの強みは何ですか?」という問いが頻出します。でも、ただ単に「協調性があります」「チャレンジ精神があります」といった抽象的な回答では、自分の本当の価値を企業に伝えることはできません。

ここで大切なのが、「強みを、職能としてどう活かせるか」という視点です。

たとえば、「相手の気持ちを察する力」が強みだとします。これを“職能”に置き換えると、顧客のニーズを読み取って提案ができる営業職、チームの空気を整えながらリーダーシップを発揮するマネジメント職など、具体的な仕事のイメージが浮かびます。

つまり、「自分の強みを、どんな仕事でどう活かせるか」というつながりを意識することが、自己分析の核心なのです。

また、自己分析の際には、「強み=得意なこと」だけでなく、「無意識にやっているけど他人から褒められること」や「努力せずに自然とできてしまうこと」も掘り下げてみてください。これらは、自分では気づきにくい「才能」である可能性があります。

自己理解のポイント②:貢献できる形で言語化する

もう一つ、自己理解を活かすうえで重要なのが、「自分の強みが、誰に対して、どのように役立つのかを言語化すること」です。

企業は常に「組織に貢献してくれる人材」を求めています。だからこそ、自分の強みや特性を語るときには、それがどう企業の業務やチームにとって役に立つのか、という視点が不可欠です。

たとえば、「リーダーシップがあります」と言うだけでは弱いですが、「プロジェクトで異なる意見を持つメンバーの意見を整理し、全体の方向性をまとめる役割を担ってきた。その経験を活かして、御社でもチームの成果に貢献したい」と伝えられれば、相手にもイメージが伝わります。

このように、「自分の強み」+「具体的なエピソード」+「貢献の意図」の三点セットで語れるようになることが、納得度の高い就活には欠かせません。

自己理解を深めるための3つの具体的アプローチ

それでは、実際に自己理解を深めていくために、どのような取り組みをすればよいのでしょうか?

ここでは、今日からできる3つのアプローチをご紹介します。

① 経験を棚卸しするワークをする

まずは、これまでの人生経験を振り返り、「自分がどんなときに力を発揮してきたか」を言語化する作業を行いましょう。部活、アルバイト、ゼミ、ボランティア活動など、どんな小さな経験でも構いません。

大切なのは、「結果」ではなく「行動」や「工夫」「感じたこと」に注目することです。そこに、あなたらしさが表れています。

例えば、以下のようなワークシートを活用すると、思考が整理しやすくなります。

経験の場面自分の役割・行動工夫したこと・考えたこと得られた学びや気づき
○○のアルバイト新人スタッフの指導相手に合わせた教え方を意識人によって理解の仕方が違うことを実感

こうした積み重ねから、あなたの特性や価値観のパターンが見えてきます。

② 他者からのフィードバックを取り入れる

自己理解は、自分だけで進めるよりも、他者の視点を取り入れることで精度が上がります。

たとえば、ゼミの先生、アルバイトの先輩、友人などに「私ってどんなときに力を発揮していると思う?」「どんなところが私らしいと感じる?」と聞いてみましょう。

自分では当たり前だと思っていたことが、他人にとっては「すごい」と感じられていることは意外と多いものです。他者視点を通して、自分の「強みの輪郭」がはっきりしてきます。

③ 自分の「価値観」を言語化する

最後に、自分が働くうえで大切にしたい価値観を明確にすることも欠かせません。たとえば、「成長できる環境」「人とのつながり」「社会貢献性」「自由度の高い働き方」など、人によって優先したいことは異なります。

価値観を整理する際には、「どんなときに充実感があったか」「どんな場面でモヤモヤしたか」を思い出してみてください。ポジティブ・ネガティブ両面から探ることで、自分にとっての“働きがい”の軸が見えてきます。

まとめ:自己理解を深めた先に、「働きがいのある未来」がある

「働きがいのある仕事や会社を探す」ことは、決して簡単なことではありません。でもそれは、誰かが与えてくれるものではなく、自分の内側にある価値観や強みを知り、自分で選び取るプロセスです。

今回の記事でお伝えしたように、自己分析の本当の目的は、「選考対策」ではなく、「自分らしく、納得感をもって職業人生を歩むための土台をつくること」にあります。

自分を知り、強みを見出し、価値観を言葉にすることは、きっとあなたの進路選択に深い自信と確信をもたらしてくれるはずです。

「どんな会社がいいか?」の前に、「自分はどんな人間で、何を大切にして働きたいか?」を考える。そこから、あなたの就活は本当に意味のあるものになります。

一歩ずつで構いません。今の自分としっかり向き合う時間を大切にしてください。あなたの未来は、あなたの手でつくっていくものです。自分らしい「働きがい」のあるキャリアを、心から応援しています。

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