25年卒大学生就職意識調査(n=39,190名)の結果がマイナビから発表されました。大手が実施した調査だけに有効回答数も39,000名を超えていました。有効回答者の内訳としては、文系男子:12,657 文系女子:15,958 理系男子:6,787 理系女子:3,788 となっていました。理系女子が少なく感じますが、大学生の文理分布を考えると25年卒学生が就職についてどのような志向を持っているのかを大枠で掴むことができる結果と思います。
今回は使用したグラフ等はマイナビから発表されたものを掲載させていただきました。
就職観について
これまでと同様に「楽しく働きたい」との回答が最多で38.9%となっていました。また、増加幅が大きかった回答は「個人の生活と仕事を両立させたい」で前年比1.7pt増の24.5%でした。仕事と生活を切り分けて考えるのではなく、融合や調和的な志向が伺えました。働きやすい環境を希望したり、「育児休業を取得して子育てしたい」という割合が男女ともに高い傾向にあるといった学生のワークライフバランス志向が繁栄された結果ではないかと思われます。

企業志向
大手企業志向(「絶対に大手企業がよい」と「自分おやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」の回答合計)は53.7%(前年比4.8pt増)となっていて、22年卒以来2年ぶりに半数を超えていました。物価上昇や実質賃金の低下、大手企業を中心とした賃上げ・初任給引き上げに関する報道などが頻出するなかで、経済的な不安を軽減させたいという考えが高まっていることで大手企業志向が増えたと思われます。
「絶対に大手企業がよい」という回答は1割未満ですが、「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」が最も多い43.9%となっていたことを考えると、志望職種(やりたい仕事)を就活軸としている学生が多数派であることを伺い知ることができました。この傾向は大変良いものと考えます。


企業選択のポイント
どのような企業がよいか(当てはまると思う項目を2つまで選択)を尋ねたところ、「安定している会社」49.9%(前年比1.1pt増)が6年連続で最多となっていました。4年連続で増加していて、5割に迫る勢いです。「給料の良い会社」も3年連続で増加していて、前年比2.2pt増の23.6%となっていました。先述したように昨年からの物価高に伴う経済面への不安や大手企業の初任給引き上げといった流れが学生にもインパクトを与えていることが伺えます。

生きたくない会社
生きたくない会社(当てはまる項目を2つ選択)を尋ねたところ、「ノルマのきつそうな会社」が38.9%(前年比0.7pt増)で前年同様最多となっていました。続いて「転勤の多い会社」30.3%(前年比0.7pt増)で、初の3割越えとなっていました。

「転勤の多い会社」が増加している背景として、学生の共働き思考の高さが考えられるとマイナビでは分析していました。そういう志向もあってか、近年の地元就職の希望者が増加していることにもつながっているのではないかと思われます。
また別の調査では、入社後の配属先(勤務地・職種)に関する考え方として「勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」という回答が半数を超える54.0%となっていて、特に結婚後の仕事の在り方に関する考え方の変化に伴い、転勤により勤務地が頻繁に変わることに抵抗感がある学生が多いことが伺えます。

志望業界
調査時点で最も志望度の高い業種を尋ねたところ、最も人気があったのは前年に続き「食品」12.2%でした。また、最も増加割合が大きかったのは「銀行・証券」の前年比0.9pt増の5.4%でした。「電子・電気・OA機器」、「スポーツ・玩具・ゲーム製品」も前年比0.4pt増となっていました。
