面接準備

就職活動のなかで、苦手意識や不安がつのることのダントツと言えば面接というデータが散見されます。おそらく多くの学生が就活準備や就活を進めるなかで目にされていることでしょう。

面接に対して「緊張するな、怖がるな」と言われても、内心、素直にハイといえないのは学生だけではなく、転職活動をする職業人のなかでも少なくないようです。

就活生の面接対策として、いくつもの想定されている質問と理想的な回答を覚える、覚えたことをスラスラ話せるようになる、努力をされる旨の話を毎年お聞きします。この就職対策、冷静に考えるとおかしすぎると思うのです。

事前の準備として、想定質問の情報を集めて、各問いについて自分ならどのように回答するかを考察して、自分の言葉で伝えられるように推敲してみることは悪くはないと思います。ですが、誰かが考えて作った想定質問に、これまた誰かが作った理想的な回答を丸覚えで、採用面接を受けるなどは愚の骨頂です。仮にその会社から内定をいただいたとして、快く入社を決めますか?とお聞きしたいのです。もし、そのような状況で入社したとすれば、おそらく数カ月もしないうちにリアリティーショックを起こしてしまう可能性が高いと思われます。リアリティーショックとは、入社前に抱いていた企業への理想と、入社後の現実にギャップを感じることによって生じるものです。

一般に言われている新卒入社社員の3年3割のなかにも、リアリティーショックが起因する退職が少なくないように思います。

セミナーでも頻繁にお伝えしているのですが、結果として、就活のゴールを内定獲得に掲げてしまったことになり、努力して頑張った時間を無駄にしてしまいかねないのです。つまり、あなたが本当に望む成果を手にすることができないのです。

あおもりHRラボでも3月後半あたりから、面接対策にフォーカスしたラーニングカフェを実施しておりますが、そこでお伝えしていることは、面接ではストーリーが必要で大事であることです。ストーリーには論理的な展開が必須です。さらに論理的展開の要素として5W1Hをきっちり抑えておくことです。セミナーでは新聞を読むことを習慣化することで得るメリットとして5W1Hが自然と身につくことを紹介しています。

逆にストーリーが見えない・無い応答になると、「会話が弾まない」「キャッチボールにならない」「要領を得ない回答が多い」「トンチンカンな回答」が多くなり聴き手を困惑させてしまいます。残念な結果が速攻で出てしまいます。

近年の学生は論理的な会話の経験が少ないと感じています。あれもこれも、コロナ禍が原因とは言いませんが、人と接すること自体に制限があったことも事実ですので、コロナ禍も少しは影響したかと思いますが、ベースとして近年の学生の人間観や人生観が現れているように感じています。

ストーリーがある応答、論理的な会話、ともに難しいものではありません。基本をしっかり理解して、自分の日常の生活で何度も意識して実践することです。それが面接対策の一番の訓練だと思います。その基本を理解いただきながらトレーニングを積む学習会をラーニングカフェとして3月下旬から4月にご案内いたします。

最後に面接の心得を一つお伝えします。「面接は礼に始まり礼に終わる」ことを正しく理解しておくといいでしょう。

相手を尊重するために謙虚な姿勢を示すことが礼儀です。面接開始時に頭を下げて「よろしくお願いいたします」と挨拶(お願い)します。終了時にも頭を下げて「本日は貴重な時間を割いていただき、ありがとうございました」と御礼(ありがとう)を述べます。そして面接では全ての会話は敬語で行われます。面接はこのような基本的なマナーを前提に行われていますので、この前提を理解し守れない人は即アウトなのです。時には面接官のなかにフランクに「ふーん」「そうか」「それは面白そうだね」など、語り口調で質問する人が現れます。だからといってあなたもその雰囲気に呑まれてタメ口で応答したら恐らくアウトですので要注意。他にも、基本的なマナーを備えられていない学生、質問に対する回答がズレてしまう学生、用意してきたことしか話せない学生は成果を得ることが難しいでしょう。

武道には「礼に始まり礼に終わる」という教えがあります。礼とは相手に正対し、腰から上半身を折って頭をかがめ、敬意を示す行為を言います。武道に限らず、相手がいれば常に「礼を尽くす」のが大人の礼儀と心得ておきましょう。この一点を実践するだけで質の高い大人に成長できることを約束できます。

これを礼節といいます。ビジネスの世界で素晴らしい成果を出している人は例外なく、礼節が美しい方々ばかりです。

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