新年度を迎える4月1日。多くの職場で「新入社員式」が行われ、新たな職業人としての一歩を踏み出す瞬間を迎えた皆さん、おめでとうございます。
新生活には期待と希望がある一方で、“想像と現実のギャップ”に戸惑いや不安を感じる方も少なくありません。中でも、入社後しばらくして感じる「この仕事、思っていたのと違う…」という感情は、リアリティーショック(現実衝撃)と呼ばれ、現代の新入社員が最も悩みやすいテーマのひとつです。
この記事では、人材育成コンサルタント・キャリアコンサルタントとしての立場から、新職業人の皆さんがリアリティーショックを乗り越え、前向きに社会人生活をスタートさせるためのヒントをお届けします。
リアリティーショックとは何か? なぜ起きるのか?
リアリティーショックとは、学生時代に描いていた職場や働き方のイメージと、実際に働き始めて感じる現実との間に生じるギャップによって引き起こされる心理的ストレスです。
たとえば…
• 業務のスピードが速く、ついていけない
• 指示が曖昧で、自分で考えなければならない
• 上司や先輩とどう関わればいいか分からない
• 「思っていた仕事と違う」と感じる
こうした感情は、自分が未熟だから起きるのではなく、誰もが通る自然な適応プロセスです。重要なのは、「自分だけではない」と知ること、そしてそれにどう向き合うかです。
リアリティーショックの流れ(イメージ)
期待 → 現実とのギャップ → 戸惑い・不安 → 無力感・落ち込み
↘(ここで対応できると…)→ 気づき → 適応・前進
リアリティーショックを防ぐ3つのヒント
① 「完璧」を目指さず、まずは“慣れる”ことに集中
社会人になったばかりの頃は、「早く戦力にならなければ」「ミスは許されない」と考えてしまいがちですが、最初の数ヶ月は“慣れる”こと自体が立派な成果です。
ミスや失敗は誰にでもあります。大切なのは、そこから何を学び、次にどう生かすかです。完璧主義ではなく、学習主義であること。これがリアリティーショックの最大の防止策です。
② 感情を言葉にして、自分と向き合う時間を持つ
なんとなく疲れる、なんだかイライラする、そんな気持ちを放置しないで、「不安」「焦り」「疲労」などの言葉に置き換えること(感情ラベリング)で、自分の状態を冷静に見つめられるようになります。
5分でも構いません。毎日の終わりに少しだけ、「今日どうだったか」を自分に問いかける時間を持ってください。それだけで気持ちの整理と安定感が生まれます。
③ 仕事外の“安心できる場所”を大切にする
職場以外にも、自分を支えてくれる人や場所があると、精神的にバランスを保ちやすくなります。
たとえば、
• 地元の友人や家族とLINEする
• 趣味のオンラインコミュニティに参加する
• カフェや図書館など、気持ちが落ち着く空間に行く
「職場だけが世界のすべてではない」と思えることで、心に余裕が生まれます。
良好な職場関係を築くために意識したい言動4選
職場では、人間関係も不安材料のひとつです。しかし、多くの信頼は、ちょっとした言動の積み重ねから生まれるもの。以下の4つはすぐに実践でき、効果も大きい基本の行動です。
① あいさつは自分から。明るく、はっきりと。
「おはようございます」「ありがとうございます」などのあいさつを、自分から元気に行うことで、周囲との心理的な距離がぐっと縮まります。
② 相手の名前を覚えて呼ぶ
「○○さん、お疲れさまです」と名前を添えるだけで、“自分を認識してくれている”という安心感が相手に生まれます。名前を呼ぶことは、人間関係のスイッチです。
③ 感謝の言葉を積極的に伝える
「助かりました」「教えてくださってありがとうございます」など、小さな感謝の言葉を意識的に伝えることで、信頼関係は自然と築かれていきます。
④ 苦手な人の「良いところ」を探してみる
どうしても合わない人がいるときこそ、「あの人はここがすごい」「この言い方は参考になる」という視点を持ってみてください。相手を見る目が変わると、ストレスも減っていきます。
良好な人間関係を築く4つのポイント
・あいさつ → 心の距離が縮まる
・名前を呼ぶ → 認識されている安心感
・感謝を伝える → 信頼が育つ
・良いところを見る → 苦手意識が和らぐ
まとめ|不安は成長のチャンス。自分らしく一歩ずつ前へ
新社会人としてのスタートは、誰にとっても不安でいっぱいです。しかし、リアリティーショックを感じるのは、それだけ一生懸命な証拠でもあります。
完璧を求めすぎず、感情を言葉にし、職場外の支えも大切にしながら、一歩ずつ前に進んでいきましょう。人との関係も、「あいさつ」や「感謝」など、小さな行動の積み重ねから始まります。
どんな小さな成功も、あなたの成長につながっています。
どうか焦らず、あなたらしいペースで社会人生活を楽しんでください。
あおもりHRラボは、そんなあなたを全力で応援しています。