空雨傘

「ソラ・アメ・カサ」をご存知でしょうか。マッキンゼー・アンド・カンパニーの日本オフィスが考案したと言われている、問題解決のフレームワークの一つです。

このフレームワークはものすごく汎用性が高く、日常業務やコミュニケーションの海前にも活用することができる万能ツールであり、且つ誰にでも活用することが可能な超便利なツールなのです。

勿論、ビジネスの場面だけではなく就活の場面でも活用できますので、ぜひ覚えておいて欲しいと思います。

このフレームワークは3つの要素をセットにして伝えれば認識のズレがなく、正しく相手に判断してもらえるというものです。

  • ソラ:空を見ると曇ってきた(事実)
  • アメ:雨が降りそうだ(解釈・判断)
  • カサ:傘を持っていこう(打ち手)

一方で、一つでも欠けてしまうと、説得力が低くなり期待した結果をつくり出すことが難しくなるのです。前述したソラ(事実)が欠けてしまうと、

  • アメ:雨が降りそうだ(解釈・判断)
  • カサ:傘を持って行こう(打ち手)

となり、根拠(エビデンス)のない話になってしまい、信頼度が低い内容となるのです。

別の視点でアメ(解釈・判断)がかけてしまうと、

  • ソラ:空を見ると曇ってきた(事実)
  • カサ:傘を持っていこう(打ち手)

となり、解釈がないので、「持って行くOR持って行かない」問題になったり、「傘だけでなく長靴や雨合羽も…」といった解釈の幅が広がり、打ち手がぼやけてしまい、決め手に欠けるものになってしまうのです。

更に視点を変えてカサ(打ち手)が欠けてしまうと、

  • ソラ:空を見ると曇ってきた(事実)
  • アメ:雨が降りそうだ(解釈・判断)

となり、打ち手のない話となってしまい、「だから何?」と落ちない話になってしまうのです。

この「ソラ・アメ・カサ」は、主語が割愛されがちな日本語での会話を改善させ、論理的かつ端的に伝えたいことを正しく伝えることができるツールとして、ビジネス書でも数多く紹介されてきたツールです。

大学生活で経験できる「ソラ(事実)」に多くの学生はさほど違いがないのが今の日本の状況ではないでしょうか。たとえば、

  • ソラ「コロナ禍となり、就活で使えるガクチカがない」(事実)
  • カサ「○○○に取り組んだ」(打ち手)

ここであなたらしさを発揮させるために、○○○の違い、熱意、効果といったカサ(打ち手)を中心に熱弁が始まるのが、面接でよくあるケースなのです。

数多くの学生の自己PRを聞いている面接官にとっては「またいつものパターンが始まった」的な印象しかないのも当然なのです。

そのような場面では、アメ(解釈・判断)を活用するのです。アメは、あなたの洞察力をググっと高める効果を聞き手に及ぼします。つまり、打ち手を導き出した凄さや効果を感じさせるには、アメがいい働きをしてくれるのです。

  • ソラ「コロナ禍となり、就活で使えるガクチカがない」(事実)
  • アメ「保育園も休園で子どもも親も大変。Webを使って役立つことをしよう」(解釈・判断)
  • カサ「保育園に行けない園児にリモート読み聞かせボランティアを取り組んだ」(打ち手)

どうでしょうか。アメが入るとカサの必要性や需要に貢献した打ち手で、相手から喜ばれたことだろうといったことまで想像ができます。

アメ(解釈・判断)は、当事者によってそれぞれ違って当然なものです。ですから、あなたが事実に対してどんな見方、考え方(洞察)をしてアメに至ったのかによって、打ち手の価値が大きく変わってくるのです。加えて、「ソラ・アメ・カサ」で話を構成することで、論理的でスマートな印象を抱いてもらえる傾向にあるので、このフレームワークを習得して就活の場面だけではなく職業人になってからも活用してください。

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