コロナ禍による就職活動への影響については、多くの項目があげられます。ESや面接で問われる「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)も頻繁にメディアに取り上げられた項目かと思います。
感染症対策のために、大学生活の自由度が制限され、就活で自分をアピールするガクチカがないと悩みを抱える学生が増えている・・・という話題です。
ガクチカとして自信を持って語れることがなければ内定が取れないのではないかと思い込む就活生が表れました。その一方で、企業側のよくわかっていない人が、キラキラガクチカを過大評価することも起こりました。大学のキャリアセンターなど就活支援の現場では、学生の体験をどのように誇張表現するのがよいかと知恵を絞ったり、大学側で就活にアピールができる活動機会を提供したりとか、さまざまな情報を見聞きするようになりました。
一体ガクチカってなんなの?
この言葉を最初に使ったと言われている千葉商科大学准教授、自働き方評論家の常見洋平さんによれば、『もともと、ガクチカは本人の価値観、行動特性、思考回路、学ぶ姿勢、勝ちパターンなどを読み解くための「手段」だった。「世界一周」「サークル立ち上げ」「学園祭の模擬店で大成功」などという話を期待しているわけではない。目立たなくても地道な取り組みが評価されることもある。しかし、ガクチカが学生、企業双方で過度に「目的化」してしまったのが、現代の就活なのである』と話しています。
応募者本人の価値観、行動特性、思考回路、学ぶ姿勢、勝ちパターンなどをしっかり理解したいと考える企業ほど、書類選考や面接で「ガクチカ」を使わない傾向になっているようにもおもえるのですが、23年卒生の就活談を見聞きするとその数はまだ少数のようです。
どの企業でも採用活動では優秀な人材を獲得したいと必死になるのは理解できます。自社の未来を背負う人財を見極めるためにも、本質に焦点を当てた選考が重要な課題だと思うのです。
就活生の皆さんは就活現場で「ガクチカ」と聞いたら、それは「キラキラですごいこと」の話ではなく、あなたの価値観、行動特性、思考回路、学ぶ姿勢、勝ちパターンなどを相手が知りたいと思っていることだと要約しましょう。そして、あなたらしい回答がちゃんとできるように自己分析を徹底する、既に行った自己分析をことあるごとに深耕する時間を持つこと何よりも大切です。