資質格

引き続きコンピテンシーについての話です。

人の成長や組織の活性化に携わる業務に就く者として、最も学んだ対象は「人間」です。広くて深さも高さもあるこの学びに修了はありませんが、学びを進めるなかで気づいたことをお伝えします。

個人の資質の格となるものをシンプルに考えると下図になると考えています。

人の資質や人格、性質といわれているものを私は資質格(造語)と言っていまが、大きく3つに分けて捉えています。一番小さい円はその人の価値観(バリュー)です。価値観の周りにある円がその人の特性(コンピテンシー)です。その外側の円が能力(スキル)です。

前回も少し触れましたが、コンピテンシーとは業界に関係なくどこにでも持っていける個人の能力です。一方でスキルはこの特性を駆使してみがく専門能力のことで、業界や会社を越えて持ち出せるものもあれば持ち出せないものもあります。

サッカー選手で例えるのなら、コンピテンシーは、体幹が強い、メンタルが強い、体力がある、判断が早いなどと言ったことを指します。この部分は他の競技でも活用することができるものです。一方でスキルとは、ドリブルがうまい、パスが正確、ボールコントロール力が高い、などです。この部分はサッカー競技という固有の競技に活かせるものです。

学生が就活でアピールできるスキルは、そんなに多くはないと思うのです。言葉は良くありませんが、いまの時代のほとんどの学生は、似たり寄ったりの学生活を過ごし、類似する体験を積んでいることが殆どでしょう。ですので、スキルと言ってもその多くが同類のものが多くなるのです。

しかし、自身のコンピテンシーをしっかり把握することで、そこからつながる強みや、強みを活かせる仕事を探すことは可能なのです。

最近はJOB採用や、配属先を確定した選考といった採用が話題になりました。我が国の今後を考えると、機械やAIでやれることは任せ、人間にしかできない仕事がデキる人材にフォーカスした採用活動に人材市場は移っていくと考えます。つまり、職能を軸とした採用が増えていくと思うのです。

その対策としては、Self-awarenessを高め、自身の特徴を活かすキャリア戦略を持ち、社会人としての在り方を自らで意思決定することができる教養としての見識を備えた学生であることではないでしょうか。Self-awarenessは、⑴自分が自分をどのように見ているかの認識、⑵他者が自分のことをどのように見ているかの認識、二つの認識です。ここで言うSelf-awarenessとは、⑴を指します。つまり、自身の資質格を知ることです。

就活をスタートする前に、多くの学生は自己分析に取り組みます。そこで大事なことは、自身の価値観とコンピテンシーをしっかり把握することです。

多様性を重視する時代ですので価値観について多くは語りませんが、少なくても仕事観、人間観、人生観を言語化することが必須です。

コンピテンシーについては大きく3分類(考える力、伝える力、人を動機づけ組織で成果を出す力)を活用して自分が持っているコンピテンシーを見つけだすやり方を推奨していて、「あおラボ」ではワークショップを開催しております。ワークショップでは、これから自身の進路や将来のこと、キャリアデザインを就活を軸に考察に入ることになる25年卒の皆さんに、最初に整理整頓しておくべきことのあなたのコンピテンシーを探る気づきとヒントを提供しております。ご興味がある方は是非ご参加くださると幸いです。25年卒を対象にしたワークショップは8月以降に開催予定です。

ファーストキャリアを選択するための軸を持つためにも、自分のコンピテンシーをはじめ資質格の把握(Self-awareness)を自己分析に取り組むことをお勧めいします。

関連記事一覧

TOP
TOP