学ぶと働くをつなぐ

ある調査によると、高校や大学1、2年の頃に将来の自分自身のキャリアを考え始めた人ほど、仕事を始めてから働く意欲が高いことが明らかになりました。つまり、キャリアを意識して自身のことを考察することに早すぎるということはないのです。

大学でのキャリア教育が義務化されて12年になります。大学は学問を学ぶことに加え「将来をいかに生きるか」を考える場でもあります。

学生生活を通しての学びや経験が将来にどうつながるのか、「学ぶ」と「働く」をつなぐヒントや機会をつくるのがキャリア教育の役割ではないかと思うのです。

実際の学生は創業後の「働く」をどこまでいしきしているのか、就職みらい研究所で6月に実施した「22年入学大学2年生の大学生活などに関する調査」から見てみる。

卒業後はたらくことを意識しているかについて聞いたところ、「意識している」が43.5%、「どちらかというと意識している」が41.8%で、合わせて8割を超えていました。

大学入学後に「キャリア」に関する授業を受けたことがあるかと聞いたところ、55.7%が「ある」と回答しました。

授業を受けて得たものや身についたと思うものは、「大学でのキャリアサポートの内容について」が42.1%、続いて「仕事のやりがいについて」が39.5%、「世の中にはどんな仕事があるのか」が38.2%でした。仕事に就いて広く知る上で、大学のキャリア教育が一定の機会提供になっていることが伺えますが、決して十分といえる内容ではないとも思われます。

大学1、2年のときから、仕事に就いて考え始めることを「就活の早期化」とネガティブに捉える方もおられるようです。しかし、人生100年時代となった現代の学生にとっては、将来どんな生き方を望み、生きるうえでどう働きたいのかを考察することは、「主体的に学ぶ」という視点や、「自分らしく働く」という視点からも大切なことだと思うのです。

「就職白書2023(就職みらい研究所)」のかなに、「卒業後の進路について具体的に考え始めた時期別の就職活動開始時点での働く意欲」に関する調査結果をみると、働く意欲が「十分ある」「どちらかというと十分」と回答した学生は、高校生以前に進路を考え始めた学生では70.7%、大学1年または2年で考え始めた学生は68.9%と高いことが分かります。大学3年前期になると55.9%、大学3年後期で54.9%と減少していくことから、早い段階から自分の将来を意識することの重要性が伺えるのです。

将来の人生や将来の働くことに思いや考えを巡らすなかで、大学で学んでいることがどうつながっていくものなのかを考えてみる。「学ぶ」と「働く」をつなぐモノを自身で見つける思考の旅は1泊2日程度の旅とはことなり、もっと時間が必要なのだと思うのです。

二度とない人生を自分らしく豊かに生きるためにはどんな「働く」をすることがいいのか、この問いに唯一の解がないだけに、私たちの故郷でこれから働こうとする学生の皆さんを応援しているのがあおもりHRラボの根底にある思いです。

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