大学生活は、人生の中でも特に自由度が高い時間です。
授業をどう受けるか、どんな活動に参加するか、誰と関わるか。
それをすべて「自分の意思で選べる」ということが、大学生という時期の最大の価値かもしれません。
でも一方で、その自由さゆえに「何をしていいのか分からない」「この時間、意味あるのかな」と不安になることもあると思います。
今回は、これまで5日間の連載で解説してきた「未来人材に必要な力」を、どのように大学生活で育んでいけばいいのか?
そして、“未来に近づく”ための毎日の過ごし方とは何か?をまとめとしてお伝えします。
「未来人材」とは、特別な人ではない
経済産業省が掲げた『未来人材ビジョン』に登場する若者像は、決して“天才”や“スーパーマン”のことではありません。
彼らが共通して持っているのは、次のような力でした。
• 常識にとらわれずゼロから考える力
• 夢中になって何かを深掘りする姿勢
• 社会課題に敏感で、自らアクションを起こす意識
• 多様性を尊重し、協働を通じて価値をつくる力
これらはすべて、「大学時代の過ごし方」で育てていける能力です。
逆にいえば、これらの力があるかどうかは、就活や社会に出たあとで急に問われるものではなく、今の一つひとつの行動や思考の積み重ねの中で形づくられていくということです。
大学生活の中にある“未来人材になるチャンス”
では、毎日の生活の中でどんなことを意識すれば、「未来人材に近づく選択」ができるのでしょうか?
① 時間の使い方に「目的」と「問い」を持つ
何となく過ごす時間も、たしかに大切です。
でも、1日のどこかで「今日は自分をちょっと育てる時間」にしてみましょう。
• 今日の授業で、どんな問いを持ってみようか?
• 今の活動は、自分のどんな力を育てているだろう?
• 興味のあるニュースを見て、自分なりの意見を持ってみよう
問いを持つことは、学びのスタートです。
その問いをきっかけにした時間の使い方が、未来を大きく変えていきます。
② 興味の種を「掘る」習慣をつくる
何か気になったことがあれば、
• すぐに検索する
• 調べたことをメモする
• 関連するイベントや人に会ってみる
こうした行動をセットで習慣化するだけで、“点の興味”が“面の知識”に育っていきます。
「ただ面白い」で終わらせず、「なぜ面白いのか」「もっと知るにはどうすればいいか」と掘っていくことが、学びを“個人の強み”に変える道です。
③ 自分と違う人に出会う場へ“あえて”飛び込む
サークルやゼミ、バイト先など、同じ価値観の人とだけ過ごすのは居心地が良いですが、成長は“違い”から生まれます。
異なる学部の人、他の大学の人、留学生、社会人…。
ちょっとだけ勇気を出して、違う世界に触れる場に行ってみることで、視野が広がり、自分の思考がアップデートされます。
④ “行動の記録”を残す
日記やジャーナル、ブログ、SNSなど、形式は何でもOKです。
大切なのは、「自分が何をして、どう思ったか」を残すこと。
• 今日学んだこと
• 自分が感じたモヤモヤ
• 気になったニュースと、その理由
この“言語化の習慣”が、自分自身の成長を可視化し、面接やESでも自然に語れる土台となっていきます。
「未来人材になる」=「自分を更新し続ける人になる」
ここまでの連載で取り上げた5つの力は、すべて“完成されたスキル”ではなく、「アップデートし続ける力」です。
• 完璧にできる必要はない
• 最初からすごい行動をする必要もない
• 他人と比べて焦る必要もない
大切なのは、「昨日の自分」より、少しでも視点が広がっているか、行動が増えているかです。
その積み重ねこそが、“未来人材”の本質なのです。
今、行動を起こせば、未来は必ず変わる
社会はこれからもっと速く、もっと複雑に、もっと不確実になっていきます。
だからこそ、どんな状況でも「自分で考えて、自分で動ける人」の価値が高まっていきます。
そのために、大学生活は「自分を育てる最良のフィールド」です。
• 知識だけでなく、問いを持とう
• 経験だけでなく、意味を考えよう
• 好きなことだけでなく、違うことも試そう
そうやって自分の内側を耕しながら、社会に目を向けて動ける人こそ、未来の中心で活躍する人材です。
まとめ|一人ひとりが、“未来をつくる人”になれる
この6日間の連載でお伝えしてきた「未来人材に必要な力」は、すべてが“他人ごと”ではなく、“あなたの毎日”から育つものです。
未来をつくるのは、特別な誰かではありません。
それは、日々の選択を「自分で決める」ことから始まります。
だからこそ、今日という一日を、自分の未来につながる時間にしてみてください。
授業に向かうとき。カフェで本を読むとき。誰かと話すとき。
その一瞬一瞬の中に、未来を変える“選択の種”があるのです。
あなたの未来を育てるのは、他の誰でもなく、いまここにいるあなた自身です。
自分を信じて、一歩を踏み出しましょう。