「容姿」と聞いて、身構えた人へ
こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。
昨日は、8要素の5つ目「文章力・面接力・センス」を見てきた。伝わらなければ、無いのと同じ扱いになる、という話だった。
今日は、6つ目の「容姿・雰囲気」だ。この項目を見て、いやな気持ちになった人がいるかもしれない。「結局、顔で決まるのか」と。
はっきり言っておく。まったくちがう。企業が見ているのは、顔立ちの良し悪しではない。清潔感、表情、姿勢、声。そして、その会社の空気に合っているかどうか。どれも、生まれつきではなく、整えられるものだ。今日は、その整え方を、一緒に見ていく。
Chapter 25 企業が本当に見ている「見た目」とは
「見た目で判断される」と聞くと、不公平に感じる。でも、企業が見ているのは、あなたが想像しているものとは、少しちがう。この章では、その中身をはっきりさせておこう。誤解が解ければ、この要素は、努力が素直に効く、ありがたい項目に変わる。
25-1 顔立ちの話では、まったくない
「容姿」という言葉には、どうしても、生まれ持った顔立ちのイメージがついてまわる。だから、この項目を見て、落ちこんでしまう人がいる。
でも、採用の現場で「顔がいいから採用しよう」という話が出ることは、まずない。企業が見ているのは、まったく別のところだ。清潔にしているか。健康そうか。表情が硬すぎないか。話しかけやすいか。これらは、顔立ちとは無関係で、しかも、すべて自分で調整できる。整えられる部分だけが見られている、と言ってもいい。だから、この要素は、努力が正直に反映される。
「顔で決まる」という思いこみを、まず外してほしい。見られているのは、あなたが今日から変えられる部分だけだ。そう考えると、この項目は、むしろ味方になる。手をかけた分だけ、まっすぐ返ってくるからだ。
25-2 見られているのは「清潔感」と「健康感」
では、具体的に何を見ているのか。二つの言葉に集約できる。清潔感と、健康感だ。
なぜこの二つか。理由は、はっきりしている。企業は、あなたにお客様の前に立ってもらうかもしれないからだ。清潔感のない人を、大事な取引先に会わせるのは、こわい。また、健康そうでない人には、長く働いてもらうイメージが持ちにくい。つまり、これは好みの問題ではなく、仕事上の判断なのだ。そして、清潔感も健康感も、生まれつきではない。整え方と、生活習慣の結果だ。
「自分は清潔に見えているか」「元気そうに見えているか」。この二点だけを、点検してみてほしい。ここが整えば、十分だ。おしゃれである必要も、目立つ必要も、まったくない。整っていること、それだけでいい。
25-3 第一印象は、数秒で決まってしまう
面接では、じっくり話を聞いてもらえる。そう思いたいところだが、現実は少しちがう。人の第一印象は、会って数秒で、ほぼ決まってしまう。
これは、相手が意地悪だからではない。人間の脳が、そういうふうにできているからだ。しかも、いったんついた印象は、後からくつがえすのに、かなりの時間がかかる。逆に言えば、最初の数秒を整えておけば、その後の話が、ずっと届きやすくなる。入室、あいさつ、着席。この短い時間に、準備の大半が凝縮されている。ここを軽く見るのは、もったいない。
面接の練習では、答えの内容だけでなく、最初の十秒も練習してほしい。ここは、確実に投資に見合う。ドアを開けて、名乗って、座るまで。その動きを、一度だけでも通しでやっておくと、当日の落ち着きがちがう。
25-4 印象は、生まれつきではなく「整えるもの」
「自分は暗い印象らしい」「怖いと言われる」。そう言われた経験から、印象は変えられないと思っている人がいる。もったいない誤解だ。
印象は、いくつかの部品でできている。髪、服、姿勢、表情、声。そのどれもが、意識すれば変えられる。実際、口角を数ミリ上げるだけで、「話しかけやすくなった」と言われるようになった学生を、何人も見てきた。性格を変えたわけではない。部品を一つ、調整しただけだ。印象は、人格ではなく、見え方の問題である。だから、技術で対応できる。
「自分はこういう印象の人間だ」という決めつけを、いったん置いてみてほしい。部品を一つ変えれば、見え方は変わる。しかも、変えるのは一つでいい。全部を直そうとしないほうが、うまくいく。

Chapter 26 印象を整える、四つの部品
印象は、感覚ではなく、部品でできている。だから、分解すれば、手をつけられる。この章では、清潔感・表情・姿勢・声という四つの部品を、一つずつ見ていく。どれも、特別な素質はいらない。今日から、一つずつ整えられるものばかりだ。
26-1 清潔感は、細部に宿る
「清潔感を出そう」と言われても、何をすればいいかわからない。だから、スーツを新調するなど、大きなところに手をつけようとしてしまう。
でも、清潔感は、細部に宿る。人が見ているのは、髪の毛先、爪、靴、シャツの襟や袖口だ。高い服を着ていても、靴が汚れていれば、清潔感は消える。逆に、安い服でも、しわがなく、靴が磨かれていれば、きちんとして見える。つまり、お金の問題ではなく、手入れの問題なのだ。しかも、細部は、見る人ほどよく見ている。ここを整えるだけで、印象は確実に上がる。
面接の前日に、爪と靴だけは確認してほしい。この二つは、意外なほど見られている。手間は、五分で済む。前日に済ませておくと、当日の朝、あわてずにすむ。この余裕も、表情に出る。
26-2 表情は、目と口元で決まる
「もっと笑顔で」と言われても、無理に笑うのは、かえって不自然になる。作った笑顔は、たいてい相手に見ぬかれる。
だから、目と口元だけを、少し意識する。口角を、数ミリ上げる。眉間の力を、抜く。それだけで、表情は、はっきりやわらぐ。大きく笑う必要はない。むしろ、緊張している場面で自然なのは、静かにやわらいだ表情だ。緊張すると、人は無意識に眉間に力が入り、口が一文字になる。それが「怖い」「暗い」という印象をつくっている。力を抜くだけで、変わる。
鏡の前で、眉間の力を抜き、口角を数ミリ上げてみてほしい。その状態を、身体で覚えておく。本番で、思い出せるようになる。無理に笑おうとしなくていい。力を抜くだけで、印象は十分にやわらぐ。
26-3 姿勢が、その人の自信を語る
面接の場で、緊張すると、人は自然と背中が丸まる。うつむき、身体が小さくなる。そして、その姿は、自信のなさとして相手に伝わってしまう。
じつは、姿勢は、印象への影響がとても大きい。背筋が伸びているだけで、堂々として見え、話の説得力まで増す。しかも、姿勢を正すと、自分の気持ちのほうも、後から落ち着いてくる。身体が心に影響するのだ。だから、姿勢を整えることは、見え方だけでなく、緊張対策としても効く。座るときは、椅子に深く腰かけ、背もたれには寄りかからない。これが基本だ。
面接の直前に、一度、背筋を伸ばして深呼吸してほしい。姿勢を整えると、頭も、少し冷える。見え方のためだけでなく、自分を落ち着かせるための動作でもある。だから、やって損はない。
26-4 声は、大きさより「届け方」
「面接では大きな声で」と言われる。でも、無理に張り上げた声は、かえって落ち着きのなさに聞こえることがある。
大事なのは、大きさではなく、届け方だ。相手のいる場所に向けて、まっすぐ話す。語尾を、消えさせない。少しゆっくり話す。この三つで、声はきちんと届く。とくに、語尾は重要だ。「~だと思います」の最後が消える人は、自信がないように聞こえてしまう。しかも、これは声質とは無関係で、意識するだけで直せる。もともと声が小さい人でも、まったく問題ない。
話すとき、語尾まではっきり言い切ることを意識してほしい。それだけで、印象は、はっきり変わる。しかも、語尾を言い切ろうとすると、自然と話す速さも落ち着いてくる。一石二鳥だ。
Chapter 27 「雰囲気」と、会社との相性
この要素には、もう一つ「雰囲気」という項目がある。そして、企業が言う「うちの社風に合うか」という話も、ここに含まれる。この章では、雰囲気とは何か、そして相性をどう考えればいいかを、見ていこう。ここを誤解すると、自分を偽ることになってしまう。
27-1 雰囲気とは、内側がにじみ出たもの
「雰囲気がいい人」という表現がある。でも、雰囲気は、服装や髪型だけでつくられるものではない。もっと内側から出てくる。
雰囲気とは、その人の考え方や生活が、外ににじみ出たものだ。人を大事にしている人は、話し方がていねいになる。自分に自信のある人は、動作が落ち着く。よく眠っている人は、表情が明るい。つまり、この連載で扱ってきた内側の四要素が、そのまま雰囲気として表に出てくる。だから、雰囲気だけを取り出して直そうとしても、限界がある。中身が変われば、雰囲気は、後からついてくる。
雰囲気を良くしたいなら、まず、生活と考え方を整えてほしい。表面をいじるより、そのほうが確実で、長持ちする。よく眠り、人を大事にする。この二つだけでも、にじみ出るものは変わってくる。
27-2 「社風に合うか」は、優劣ではない
「社風に合わない」と言われて落ちると、自分を否定された気持ちになる。「自分はダメなのか」と落ちこんでしまう。
でも、これは優劣の話ではない。相性の話だ。にぎやかで勢いのある会社もあれば、静かに深く考える文化の会社もある。前者で活躍する人が、後者では窮屈に感じることがある。逆もある。どちらが優れているという話ではない。合うか、合わないか、それだけだ。だから、「合わない」と言われたときは、能力を否定されたのではなく、場所がちがっただけだと考えていい。
不採用の理由を、自分の価値と結びつけないでほしい。合う場所は、必ず別にある。探せばいい。落ちた会社の数は、あなたの価値の目盛りではない。ただの、相性の記録にすぎない。
27-3 合わない会社に受かっても、苦しい
「どこでもいいから受かりたい」。就活が長引くと、そう思う瞬間が来る。気持ちは、よくわかる。
でも、無理に自分を合わせて入った会社では、あとが苦しい。毎日、自分ではない自分を演じ続けることになるからだ。実際、早期に退職する人の理由で多いのが、この「社風が合わない」だ。だから、相性は、企業が学生を選ぶためだけの基準ではない。あなたが会社を選ぶための基準でもある。合わない会社に落ちたことは、じつは、長い目で見れば助かっているのかもしれない。
説明会に行ったら、「ここで毎日過ごせそうか」と、自分に聞いてみてほしい。この感覚は、あんがい当たる。就活は、選ばれる場であると同時に、あなたが選ぶ場でもある。それを、忘れないでほしい。
27-4 自分を偽ってまで、合わせない
相性が大事だと聞くと、「では、志望企業に合わせて自分を変えよう」と考えてしまう人がいる。ここは、注意してほしい。
たしかに、整えるべきところはある。清潔感や、言葉づかいがそうだ。でも、性格や価値観まで偽る必要はない。むしろ、偽ると、面接官には見ぬかれる。何百人も見ているプロだからだ。そして、うまく偽って入社できたとしても、その先が続かない。整えるのは、外側の部品まで。中身は、そのままでいい。ありのままの自分を出して、それで合う会社が、あなたの働くべき場所だ。
「整える」と「偽る」は、別のことだと覚えておいてほしい。この線引きが、就活を、ずっと健やかにする。そして、ありのままで受かった会社なら、入社後も、無理をせずに働ける。

Chapter 28 今日から始める、印象の整え方
最後に、印象を整えるための具体的なアクションを紹介する。どれも、お金も才能もいらない。むしろ、明日の朝から始められることばかりだ。印象は、一日では変わらないが、二週間あれば、まわりが気づくくらいには変わる。
28-1 鏡の前で、表情を三秒つくる
「表情をやわらげよう」と思っても、本番でいきなりできるものではない。身体が、その形を覚えていないからだ。
だから、練習する。朝、歯をみがくときに、鏡の前で三秒だけ、眉間の力を抜き、口角を上げてみる。たった三秒でいい。これを毎日続けると、その表情が、身体の標準になっていく。すると、面接の場でも、意識せずに出せるようになる。表情は、筋肉だ。使わない筋肉は、動かない。逆に、使えば、必ず動くようになる。むずかしいことは、何もない。
明日の朝から、鏡の前で三秒だけ試してみてほしい。歯みがきのついででいい。二週間で、身体が覚える。三秒なら、忙しい朝でも続けられる。続くことが、いちばん大事だ。そして、この習慣は、面接が終わったあとも、あなたの役に立ち続ける。
28-2 自分を、写真か動画で見てみる
自分がどう見えているかは、自分ではわからない。鏡で見る自分と、他人から見える自分は、じつは、かなりちがう。
だから、スマホで撮ってみる。立っているところ、座って話しているところ。撮って、見返す。最初は、直視するのがつらいかもしれない。でも、ここで得られる情報は、とても大きい。背中が丸い。目線が下を向いている。口が一文字になっている。自分では気づけなかったことが、はっきりわかる。そして、わかれば、直せる。直せるものだけが、そこには写っている。
一度でいいから、自分が話している姿を撮って見てほしい。気づいた点を、一つだけ直す。それで十分だ。全部を直そうとすると、続かない。一つ直したら、また撮ればいい。
28-3 靴と爪から、整える
身だしなみを整えようとすると、どこから手をつけるか迷う。そして、迷っているうちに、何もしないまま当日を迎えてしまう。
だから、優先順位をつけよう。まずは、靴と爪だ。この二つは、本人が見落としやすく、相手はよく見ている。靴は磨く。爪は短く切る。それだけで、全体の印象が引きしまる。次に、髪とシャツの襟元。この四か所を押さえれば、清潔感は、ほぼ確保できる。高い服を買う必要は、まったくない。手入れされているかどうか、それだけが見られている。
明日、靴を磨いて、爪を切ってほしい。五分で終わる。でも、この五分が、印象を確実に押し上げる。しかも、身だしなみが整っていると、自分の気持ちまで、少し引きしまる。準備が整っている、という感覚が、当日の落ち着きをつくる。
28-4 訪問した会社の「空気」をメモする
社風との相性は、資料を読んでもわからない。実際にその場に行って、感じるしかない。でも、感じたことは、時間がたつと忘れてしまう。
だから、その日のうちにメモする。「社員同士の話し方が、やわらかかった」「受付の方が、目を見て挨拶してくれた」「オフィスが静かで、集中している感じだった」。事実と、自分の感覚を、そのまま書く。何社かたまると、自分がどんな空気を心地よいと感じるかが、はっきり見えてくる。これは、志望動機の材料にもなるし、入社後のミスマッチを防ぐ材料にもなる。
説明会や訪問の帰り道に、三行だけメモしてみてほしい。その三行が、あなたの会社選びの、確かな指針になる。記憶は薄れるが、書いたものは残る。後から読み返すと、自分の好みが見えてくる。
今日のまとめ
「容姿」と聞いて身構えた人にこそ、伝えたい。企業が見ているのは、顔立ちではない。清潔感と健康感、つまり、整えられる部分だけだ。
印象は、四つの部品でできている。清潔感は細部に宿り、表情は目と口元で決まる。姿勢は自信を語り、声は大きさより届け方が大事だ。どれも、生まれつきではない。
そして「雰囲気」は、内側がにじみ出たものだ。だから、この連載で扱ってきた内側の四要素を育てることが、そのまま雰囲気を整えることになる。表面をいじるより、確実で、長持ちする。
社風との相性は、優劣ではなく相性の話だ。合わないと言われたのは、能力の否定ではない。場所がちがっただけだ。整えるのは外側の部品まで。中身を偽る必要は、まったくない。
明日は、⑦実績を扱う。「自分には語れる実績がない」と感じている人が、いちばん多い項目かもしれない。でも、実績の定義を変えれば、あなたの中には、もう十分な材料がある。そのあたりを、一緒に見ていこう。