面接前に整えておくこと

面接に関する相談で結構の頻度で聴くのが「伝えたいことがうまく相手に届かない」という課題を持つ学生の声です。それまで、身近な人は別として、見知らぬ社会人とコミュニケーションを取る機会も限られていたでしょうから、そうした不安や心配を持つのも無理がないように思えます。

さらに、自己分析や企業研究を基に面接で話す内容を整理し準備していても、実際の面接の場では緊張もしますし、準備してきた話が飛んでしまったエピソードなどを先輩の話などで知ると、さらに不安や心配が増すようです。

最初に面接に臨むベースを整えるためにも次の3点を体得することに努めてみましょう。

  1. 相手の立場をちゃんと理解して場に臨む
  2. 面接はプレゼンテーションではなくコミュニケーションの場
  3. 日頃からあなたから見て大人世代の社会人と会話する機会を持つ

「誠実に精一杯話したのに面接官の反応が良かったとは言えない・・・」といった話しを伺うことがあります。その際にお伝えするのが、相手の立場に立って面接を振り返ってみるワークを行うことがあります。

私:面接では何を見られていると思いますか?

学生:どんなことを考えているか、熱意があるか、自社を理解しているか、ですかね。

私:そうですね。その他にも、人柄やコミュ力も見ています。ESのテキスト情報だけでは分からない部分でも、会話をすることで理解できることがありますので重視されている面接官は多いと考えておくといいでしょう。

面接対策では、どんな言い方をすれば相手の興味を引くことができるか、を意識して取り組むことが大切です。たとえば、学内イベントで優勝した学生の話を聞く集まりでは、「先日のイベントで優勝した感想を聴く会」よりも「先日のイベントで敗者復活から見事優勝されたその裏でやったマインドチェンジや戦略を語る会」では、後者の方がその話を聞いてみたいと思わないでしょうか。誰でも無意識のうちに自己中心に物事を考えてしまう傾向を少なからず持っているものです。だから相手の話を自分事として置き換えることができる話には興味や関心を高める傾向があることが知られています。そう考えると、映画やドラマのタイトルでも頷けるものがあると思います。

面接でも同様です。自分が準備した「言いたいこと」を一方的に話しても、面接官にはつたわらない、届かないという状況が度々発生するのです。どうしても「伝えたい」という思いが先行して自分の話ばかりしてしまうと、聞き手にとっては苦痛の時間となるのです。これでは心象から悪くなります。

そこで、相手がどんな話をすれば興味や関心を持ってくれるのか、場を見極めながら話をすることが大事になるのです。つまり、面接は準備して覚えてきた話を発表する場ではなく、面接官と会話する場なのです。だから、面接官の質問をよく聴くことがとっても大事なのです。相手が何を求めているのかをキャッチし対応する力も見られています。

面接で暗記してきた内容を振り絞るように話すよりも、面接官とのコミュニケーションを楽しみながら内面の素顔を表現する場として望む気持ちの余裕も大切な準備だと思います。

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