「うまくいった」の基準を、下げてみる
こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。
今週は、好きなことを動詞で50個書き出す作業を進めている。昨日で40個が目安だった。
今日扱うのは、いちばん質の高い材料についてだ。刀の森岡毅氏は、動詞を書き出すときに、自分が好きで、行動してうまくいったことを振り返るとよいという趣旨のことを書いている。
ここで問題になるのが、「うまくいった」の中身だ。多くの学生が、この基準を高く置きすぎている。今日は、そこから始めたい。
Chapter 13 「うまくいった」を、正しく捉える
まずは、基準の話をしたい。ここを直すだけで、材料の数が一気に増える。この章では、4つの角度から「うまくいった」を捉え直していく。
13-1 成果の大きさは、関係ない
「うまくいった経験を教えてください」と聞くと、多くの学生が黙る。理由ははっきりしている。
大きな成果を探しているからだ。大会で入賞した、売上を伸ばした、団体を立ち上げた。こうしたものを探して、見つからず、「自分には何もない」と結論づけてしまう。けれど、ここで言ううまくいったとは、成果の大きさのことではない。8月の連載でも書いたが、企業が見ているのは成果の大きさではなく過程である。だから、規模は問わない。小さくても、自分が動いて何かが前に進んだなら、それは十分にうまくいった経験になる。
成果の大きさを、基準から外してほしい。規模で測ると、材料がほとんど残らなくなる。見るのは、大きさではなく過程のほうだ。
13-2 「思ったより、できた」で十分
では、どこに基準を置けばいいのか。おすすめは、自分の予想と比べることだ。
やる前は不安だったのに、やってみたら意外とできた。時間がかかると思っていたのに、早く終わった。うまく話せないと思っていたのに、相手が納得してくれた。この「思ったより」が、いちばん使いやすい基準になる。なぜなら、他人と比べていないからだ。他人と比べると、上には必ず上がいるので、いつまでも基準に届かない。けれど、自分の予想と比べるなら、誰でも見つけられる。しかも、予想を超えた部分にこそ、自覚していない力が出ている。
「思ったよりできた」場面を、探してほしい。他人ではなく、自分の予想と比べればいい。上には必ず上がいるので、他人と比べると届かなくなる。
13-3 人の反応も、手がかりになる
もう1つ、客観的な手がかりがある。まわりの反応だ。
「ありがとう」と言われた。「助かった」と言われた。「またお願い」と頼まれた。こうした反応があったなら、それはうまくいった証拠になる。自分では普通にやったつもりでも、相手にとって価値があったということだ。先週書いたとおり、自然にできることほど本人は気づかない。だから、自分の感覚だけで判断すると取りこぼす。反応を手がかりにすれば、その取りこぼしを拾える。とくに、くり返し頼まれることには注目してほしい。
人から言われた言葉を、思い出してほしい。反応は、自分では気づけない部分を教えてくれる。くり返し頼まれることには、とくに注目したい。自然にできることほど、本人は気づかない。
13-4 失敗の中にも、うまくいった部分がある
最後に、見落としやすい場所をお伝えしたい。失敗した経験の中にも、材料は入っている。
全体としてはうまくいかなかった。それでも、途中のどこかには、うまく進んだ部分があるはずだ。「結果は出なかったが、メンバーの意見を引き出すところまではできた」。「最終的に間に合わなかったが、段取りを組むまでは順調だった」。この部分的な成功を拾ってほしい。失敗した経験ほど記憶に残っているので、思い出しやすいという利点もある。8月の連載で、うまくいかなかった経験も材料になると書いた。まさにこの使い方だ。
失敗の記憶からも、うまくいった部分を拾ってほしい。全体で判断すると、材料を捨てることになる。失敗した経験ほど記憶に残るので、思い出しやすいという利点もある。

Chapter 14 小さな手ごたえを、4つの場所から拾う
基準が下がったところで、実際に探しに行きたい。この章では、小さな手ごたえが眠っている場所を4つ紹介する。どこも、日常の中にある場所だ。
14-1 人に頼まれたことの中から
まず、人から頼まれた経験を思い出してほしい。頼まれるのには、理由がある。
ノートを見せてほしいと言われた。集合場所を決めてほしいと言われた。新人の指導を任された。書類のチェックを頼まれた。こうした依頼は、相手があなたに何かを期待した結果だ。そして、頼まれたことをやり遂げたなら、それは小さな成功になる。ここから動詞を拾ってほしい。「まとめる」「決める」「教える」「確認する」。とくに、同じ種類の依頼が何度も来ているなら、そこには明確な傾向がある。まわりは、あなたの型をすでに知っているのだ。
頼まれたことを、5つ書き出してほしい。同じ種類の依頼が並んだら、それが型になる。まわりは、あなたの型をすでに知っている。
14-2 人と一緒に何かをした場面から
2つ目は、複数人で動いた場面だ。ここには、自分の役割が出てくる。
グループワーク、文化祭、部活の大会、アルバイトの繁忙期、旅行の計画。こうした場面で、自分がどの役割を担っていたかを思い出してほしい。進行役だったか、記録係だったか、調整役だったか、盛り上げ役だったか。役割は、たいてい自然に決まる。誰かが指名したわけでもないのに、気づけばその位置にいる。これが、先週書いた「自然にそうなる」ことだ。しかも、複数の場面で同じ役割になっているなら、再現性の証拠になる。
集団の中での役割を、思い出してほしい。同じ位置に立つことが多いなら、それが強みだ。役割は、誰かが指名しなくても自然に決まる。複数の場面で同じなら、再現性の証拠になる。
14-3 1人で取り組んだことの中から
3つ目は、1人でやったことになる。ここも見落とされやすい場所だ。
レポートを書いた。資格の勉強を続けた。趣味の作品をつくった。旅行の計画を立てた。アルバイトの仕事を覚えた。こうしたものは、人との関わりがないので「語れない」と思われがちだ。けれど、ここにも動き方は出ている。どう進めたかを思い出してほしい。最初に全体像を把握したのか、まず手を動かしたのか。行き詰まったとき、調べたのか、人に聞いたのか、一度離れたのか。この進め方こそが、あなたの型になる。
1人で進めた経験の、進め方を書いてほしい。どう進めたかに、あなたが出ている。行き詰まったとき、調べたのか、人に聞いたのか、一度離れたのか。ここにも型は出る。
14-4 苦労して、乗り越えた場面から
4つ目は、うまくいくまでに時間がかかった経験だ。じつは、いちばん語れる材料になる。
すぐできたことより、苦労して乗り越えたことのほうが、過程が豊かになる。なぜなら、そこには工夫があるからだ。うまくいかなかったとき、何を変えたのか。やり方を変えたのか、人に聞いたのか、時間の使い方を変えたのか。この工夫の部分が、まさにコンピテンシーになる。先週書いたとおり、どんな状況でも一定以上の成果を出せる型とは、こういう場面で発揮されるものだ。条件が悪いときにどう動いたか。ここに、あなたの本当の型が出る。
苦労した経験の、工夫した部分を書いてほしい。条件が悪いときの動き方が、いちばん強い。すぐできたことより、過程が豊かになるからだ。
Chapter 15 拾った動詞に、重みをつける
ここまでで、かなりの数が集まったはずだ。この章では、集めた動詞に優先順位をつける方法を扱う。来週の作業を楽にするための、仕込みになる。
15-1 うまくいった経験から出た動詞に、印をつける
今日拾った動詞には、特別な意味がある。ここに印をつけておいてほしい。
理由は、森岡氏の条件に戻る。好きで、しかも行動してうまくいったこと。この2つが重なるところに、強みが集まっている。今日拾ったものは、まさにその条件を満たしている。一方、月曜や火曜に「なんとなく好き」で書いたものは、条件の片方しか満たしていないかもしれない。両方そろったものを区別しておけば、来週の分析で重みをつけられる。印は、二重丸でも何でもいい。区別できれば十分だ。
今日拾った動詞に、特別な印をつけてほしい。条件が2つそろったものだ、というしるしになる。来週の分析で、重みをつけて扱える。印は、二重丸でも何でもいい。区別さえできれば十分だ。
15-2 くり返し出てきたものにも、印をつける
もう1種類、印をつけてほしいものがある。何度も登場している動詞だ。
50個を見渡すと、似た動詞がいくつも並んでいるはずだ。「教える」「説明する」「伝える」。あるいは「調べる」「比べる」「確かめる」。この重なりは、先週から何度も書いているとおり、傾向の証拠になる。1回なら偶然だが、3回以上出るなら、それはあなたの中心的な動き方だ。だから、3回以上出ているグループには印をつけておく。来週の分類のとき、ここから見ていけば効率よく進む。
3回以上出た動詞に、印をつけてほしい。数の多さが、そのまま重みになる。1回なら偶然だが、3回以上なら中心的な動き方だ。来週、ここから見ていけば効率よく進む。似た動詞のグループごとに、まとめて印をつけよう。
15-3 印が偏っても、気にしない
印をつけていると、あることに気づくかもしれない。印が一か所に集まっている。
たとえば、人と関わる動詞にばかり印がついている。あるいは、1人で進める動詞にばかりついている。これを見て、「偏っているのではないか」と不安になる人がいる。けれど、偏りこそが求めているものだ。まんべんなく散らばっていると、かえって自分の型が見えない。偏っているということは、はっきりした傾向があるということである。来週、この偏りを正面から扱う。偏りは、弱点ではなく特徴だ。
偏りを見つけたら、喜んでほしい。はっきりした傾向は、それだけで強みになる。まんべんなく散らばっていると、かえって自分の型が見えない。偏りは、弱点ではなく特徴である。
15-4 今日は、45個を目標に
今日の目標をお伝えしておきたい。45個を目指したい。あと一息のところまで来ている。
昨日40個まで来ている人は、今日5個足す。使うのは、今日紹介した4つの場所だ。頼まれたこと、集団での役割、1人での取り組み、苦労して乗り越えたこと。それぞれから1個か2個拾えば、5個は超える。時間は10分ほどだろう。今日の動詞は質が高いので、数より中身を大事にしてほしい。もし昨日30個だったとしても、今日の方法で一気に増やせるはずだ。今日拾える動詞は質が高いので、数より中身を大事にしてほしい。
今日は、4つの場所を順に探ってほしい。質の高い動詞が、ここから出てくる。それぞれから1個か2個拾えば、5個は超える。時間は10分ほどだろう。今日の動詞は質が高いので、数より中身を大事にしてほしい。

Chapter 16 明日で、今週が仕上がる
今週も、残すところ1日になった。この章では、明日に向けた準備と、来週の見通しをお伝えする。
16-1 今日までの数を、確認しておく
まず、いまの数を数えてみてほしい。ここが、明日の進め方を決める。
45個以上あるなら、明日は仕上げだけで済む。残り5個を出して、全体を見直す時間が取れる。35個から45個なら、明日10個ほど出すことになる。今日紹介した方法を使えば、十分に届く量だ。30個以下の場合は、明日で無理に50個にしなくていい。来週の作業は、40個あれば十分にできる。数に追われて質を落とすほうが、もったいない。
いまの数を、数えてみてほしい。数がわかると、明日の動き方が決まる。45個以上あれば、明日は仕上げだけで済む。30個以下でも、無理に50個にしなくていい。来週の作業は、40個あれば十分にできる。
16-2 動詞の形を、そろえておく
明日の仕上げに向けて、もう1つやっておきたいことがある。書き方の統一だ。
書いていくうちに、形がばらついていることがある。「教える」と書いたところと、「後輩に教えるのが好き」と書いたところが混ざっている。これを、短い動詞の形にそろえてほしい。「教える」「調べる」「まとめる」。この形が、来週の分類作業では扱いやすい。長い文のままだと、どの区分に入れるか迷ってしまう。修正は、5分もかからないはずだ。
16-3 明日は、寝かせる話をする
明日の予告をしておきたい。明日は、少し意外な内容になるかもしれない。
扱うのは、書き出した50個を一度寝かせる、という話だ。せっかく集めたのだから、すぐ分類したくなると思う。けれど、間に週末を挟むことには意味がある。時間を置くと、見え方が変わるからだ。書いた直後は、自分の中に近すぎて全体が見えない。少し離れてから見ると、傾向が浮かび上がる。明日は、その理由と、週末の過ごし方をお伝えする。今週の締めくくりの回になる。
16-4 来週は、いよいよ分類する
来週の内容も、先に伝えておきたい。いよいよ、集めたものを読み解く週になる。
書き出した動詞を、T・C・Lの3つに分ける。Tは考えること、Cは人と関わること、Lは決めたり導いたりすること。分けてみると、自分がどこに寄っているかが数で見える。そして、その偏りが向いている仕事の方向を教えてくれる。偏りの読み方、2つにまたがる場合の考え方、そして自分の型を1行で言う方法。この4つを、来週の5日間で扱っていく。今月のいちばん面白いところに入る。
今日のまとめ
「うまくいった」の基準を、高く置きすぎている人が多い。成果の大きさは関係ない。企業が見ているのは、成果の大きさではなく過程だからだ。
使いやすい基準は、「思ったよりできた」である。他人と比べると上には上がいるが、自分の予想と比べるなら誰でも見つけられる。しかも、予想を超えた部分に、自覚していない力が出ている。
人の反応も手がかりになる。ありがとう、助かった、またお願い。こうした言葉があったなら、うまくいった証拠だ。さらに、失敗した経験の中にも、部分的にうまくいったところが必ずある。
小さな手ごたえは、4つの場所にある。人に頼まれたこと。集団での役割。1人で取り組んだこと。そして、苦労して乗り越えたこと。とくに4つ目は、工夫の部分がそのままコンピテンシーになる。
今日拾った動詞には、特別な印をつけてほしい。好きで、しかもうまくいったという条件が2つそろっているからだ。そして、3回以上出てきた動詞にも印をつける。
明日は、今週の締めくくりになる。書き出した50個を一度寝かせる、という話をしたい。一緒に見ていこう。
大きな成功ではなく、小さな手ごたえの積み重ねに型は表れると、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。