「言われた通り」だけでは、評価されない

「ちゃんとやったのに」が、なぜか通じない理由

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

昨日は、学生の世界と大人の世界には、別の「ものさし」があるという話をした。同じ行動が、真逆に評価されることもある、と。

今日は、その第一歩として、いちばん身近な例を見ていく。「言われたことを、言われた通りにやる」。学生のあいだ、これはほめられることだった。まじめで、素直で、信頼できる、と。

ところが、大人の世界では、これが少しやっかいだ。「言われた通り」だけでは、ときに「物足りない」と受け取られてしまう。えっ、ちゃんとやったのに? と思うかもしれない。今日は、その「なぜ?」を、一緒にほどいていこう。こわい話ではない。知れば、ちょっと得する話だ。

Chapter 1 なぜ「言われた通り」だけでは足りないのか

まず、はっきりさせておきたいことがある。「言われた通りにやる」ことは、決して悪いことではない。むしろ、社会に出ても、とても大切な基本だ。ただ、それが「ゴール」ではなく「スタート」になる、というだけの話だ。この章では、なぜ「言われた通り」だけでは足りないのか、その理由を、やさしく見ていこう。

1-1 学生時代は「言われた通り」が正解だった

宿題を、指示どおりにやって出す。先生に言われたことを、きちんと守る。学生のあいだは、これで「よくできました」とほめられてきた。だから、それが正しいやり方だと、体にしみついている。

それは、当然のことだ。学校は、決められたことを、正確にこなす練習をする場所でもある。だから「言われた通り」は、長いあいだ、あなたにとっての「正解」だった。この習慣そのものは、悪くない。むしろ、指示を正確に守れるのは、立派な力だ。ただ、大人の世界では、その正解のかたちが、少し変わる。

だから、まず「これまでのやり方が間違っていた」なんて、思わないでほしい。あなたのやり方は、正しかった。今から、その上に、もう一段を積み足すだけだ。

1-2 でも社会では、それは「スタート地点」

社会に出ると、「言われたことは、できて当たり前」という空気に、少し戸惑うかもしれない。あんなにほめられたことが、なぜ、当たり前あつかいなのか、と。

これは、あなたを軽く見ているわけではない。大人の世界では、給料をもらって働く。だから「頼まれたことをやる」のは、いわば約束を守るのと同じで、当然のこととして扱われる。そこからが、本番だ。言われたことをこなした上で、「言われていないけれど、あったほうがいいこと」に気づけるか。そこで、差がつく。ゴールだったものが、スタートに変わるのだ。

「言われた通りにやれた」で、満足しないでほしい。「これで完了。でも、もう少し良くするには?」と、一歩だけ先を考えてみる。その一歩が、大人のものさしに近づく第一歩だ。

1-3 なぜ? 指示には「目的」が隠れているから

「コピーを10部とっておいて」と頼まれたとする。言われた通り、10部とった。完璧だ。でも、なぜ、いまひとつ喜ばれないことがあるのだろう。

それは、指示には、たいてい「目的」が隠れているからだ。「会議で配るために」10部いるのかもしれない。だとしたら、ホチキスで留めて、順番をそろえておくと、もっと助かる。言葉になっていない「その先」に、本当に必要なことがある。指示を「作業」としてだけ受け取ると、この目的を見のがしてしまう。指示の裏にある「何のため?」を読む。これが、大きなちがいを生む。

何かを頼まれたら、「これは、何のためだろう?」と、一度だけ想像してみてほしい。目的がわかると、やるべきことが、少し変わって見えてくる。

1-4 「指示待ち」は、こわくないけど、もったいない

「言われたことだけやる」状態を、指示待ち、と呼ぶ。責められると、きつく聞こえる言葉だ。でも、必要以上に、おびえなくていい。

指示待ちは、悪いことというより、「もったいない」ことだ。あなたには、もっと力があるのに、それを出す前に止まってしまっている。指示を待っているあいだ、あなたの頭は、じつは半分しか使われていない。「言われる前に、気づいて動く」ようになると、残りの半分が動き出す。そのとき、仕事は急に、面白くなる。指示待ちからぬけ出すのは、我慢ではなく、楽しさへの入り口なのだ。

「指示待ちはダメだ」と、自分を責める必要はない。「ここから、もう半分の力を出してみよう」と、前向きに捉えてほしい。もったいなさを、伸びしろに変えていこう。

Chapter 2 「言われた通り」の落とし穴

「言われた通り」だけにたよると、どんなことが起きるのか。この章では、よくある「あるある」を、4つ見ていく。どれも、まじめな人ほど、はまりやすい落とし穴だ。「これ、自分もやってるかも」と思っても、落ち込まなくていい。気づけたら、もう半分は解決している。

2-1 指示を「作業」として受け取ると、ズレる

「この資料、まとめておいて」と頼まれた。言われた通り、きれいにまとめた。でも「そういうことじゃないんだよね」と言われてしまう。まじめにやったのに、なぜ。

これは、指示を「作業」としてだけ受け取ってしまったから起きるズレだ。頼んだ人は、「あとで発表に使えるように」まとめてほしかったのかもしれない。でも、その目的を確認しないまま、自分なりの「きれい」に仕上げてしまった。作業は完璧でも、目的とズレていれば、やり直しになる。ここでも、「何のため?」を読むことが、カギになる。

頼まれたことに、すぐ取りかかる前に、「これは、どう使うんですか?」と一言、聞いてみてほしい。目的がわかれば、ズレは、ぐっと減る。目的を一言たずねるのは、決して失礼なことではない。むしろ「ちゃんと考えてくれている」と、相手は安心する。ひと手間が、信頼にもなる。

2-2 完璧にやったのに、なぜか喜ばれない

頼まれたことを、時間をかけて、ていねいに仕上げた。ミスもない。完璧だ。なのに、相手の反応は、いまひとつ。がっかりする。

じつは、「完璧にやること」と「相手が喜ぶこと」は、いつも同じとは限らない。相手は、完璧さより、スピードを求めていたのかもしれない。あるいは、頼んだこと以外の、ちょっとした気づきを、期待していたのかもしれない。自分の「完璧」を追いかけるより、相手の「うれしい」を想像するほうが、大人の世界では喜ばれる。ものさしが、自分から相手に、移っているのだ。

何かを仕上げるとき、「自分は完璧にできたか」だけでなく、「相手は、これで喜ぶか」を、想像してみてほしい。ものさしを、相手側に少し寄せてみよう。

2-3 「言われていないことはやらなくていい」という誤解

「言われたことはやった。言われていないことは、やらなくていいよね」。そう考えると、たしかに気は楽だ。責任も、少なくてすむ。

でも、大人の世界では、この考え方が、少し危うい。もちろん、勝手なことをやりすぎるのは問題だ。だが、「言われていないから、やらない」を続けると、「気がきかない人」「自分で考えない人」と見られてしまう。大切なのは、言われていないことの中から、「これはやったほうがいい」を見つける目だ。全部やる必要はない。でも、気づいて、確認して、動ける人は、強い。

「言われていないから、やらない」の前に、「言われていないけど、必要そうなことはないかな?」と、一度だけ見わたしてみてほしい。その一手間が、差になる。

2-4 「言われた通り」に逃げると、成長が止まる

自分で考えるのは、正直しんどい。まちがえるのも、こわい。だから、つい「言われた通り」に、逃げこみたくなる。その気持ちは、よくわかる。

でも、「言われた通り」だけを続けると、じつは、自分の成長が止まってしまう。自分で考え、まちがえ、直す。その繰り返しの中でしか、人は伸びないからだ。言われた通りにやっているあいだは、安全だけれど、力はつきにくい。少しの勇気を出して、自分の考えを足してみる。まちがえても大丈夫。その一歩一歩が、あなたを育てる。

「言われた通り」が安全だと感じたら、そこがチャンスだ。ほんの少しだけ、自分の考えを足してみてほしい。安全地帯から、一歩だけ、足を出してみよう。最初は、うまくいかなくて当たり前だ。でも、その「うまくいかなさ」こそが、成長の材料になる。安全なだけの毎日より、少しの失敗があるほうが、じつは伸びる。

Chapter 3 指示待ちから、一歩ぬけ出す考え方

では、「言われた通り」から、どうやって一歩ぬけ出せばいいのか。むずかしいことは、いらない。ちょっとした考え方のコツを、4つ紹介する。今すぐ全部できなくていい。「へえ、そういう見方があるのか」と、知っておくだけで、十分だ。

3-1 「何のため?」を、一度考えてみる

頼まれたことに、すぐ手をつけるのは、まじめな人の良いところだ。でも、そのぶん、「何のため?」を考えるステップを、とばしてしまいがちだ。

何かを頼まれたら、動き出す前に、ほんの数秒でいい。「これは、何のためにやるんだろう?」と考えてみる。目的がわかると、やり方が変わる。たとえば「いすを並べておいて」も、「話し合いのため」なら円く、「発表を聞くため」なら前を向けて並べる。同じ指示でも、目的しだいで、正解が変わるのだ。この数秒の問いが、あなたの仕事を、ぐっと良くする。

頼まれたら、すぐ動く前に、心の中で「何のため?」と、一度つぶやいてみてほしい。たった数秒。でも、この数秒が、大きな差になる。慣れてくると、この問いは自然と頭にうかぶようになる。そうなればもう、あなたは「言われたことだけの人」を、卒業している。

3-2 「自分ならどうする?」を持ってから聞く

わからないことを、すぐ「どうすればいいですか?」と聞く。素直でいいことのようだが、大人の世界では、少し物足りなく見えることがある。

おすすめは、聞く前に、まず「自分ならこうするかな」という考えを、一つ持っておくことだ。そのうえで、「こう思うのですが、どうでしょう?」と聞く。すると、ただの質問が、「自分で考えた上での相談」に変わる。答えをもらうだけの人から、一緒に考える人へ。この小さなちがいが、大きな信頼につながる。まちがっていても、まったく問題ない。考えた、という事実が大切なのだ。

質問するときは、「自分ならこう思う」を、一つだけ添えてみてほしい。「わかりません」より、「こう考えたのですが」のほうが、ずっと頼もしく見える。

3-3 わからないときは、確認する。これも主体性

「自分で考えろと言われても、まちがえたらこわい」。そう感じて、動けなくなる人もいるだろう。まじめな人ほど、そうだ。

だから、覚えておいてほしい。わからないときに「確認する」のは、指示待ちとは、まったく別のことだ。むしろ、立派な主体性だ。「ここまでは、こう進めました。この先は、こうで合っていますか?」と確認できる人は、信頼される。だまって止まるのでも、勝手に突き進むのでもなく、確認しながら進む。これが、大人の世界での、かしこい動き方だ。

わからなくなったら、止まらずに、確認してほしい。「確認する勇気」も、りっぱな主体性の一つだ。聞くことは、はずかしいことではない。やってはいけないのは、わからないまま、だまって放っておくことだけだ。確認できる人は、それだけで、まわりから頼りにされる存在になる。

3-4 まず小さく、期待を少し超えてみる

「期待を超えよう」なんて言われると、すごいことをしなきゃ、とプレッシャーに感じるかもしれない。でも、そんな必要は、まったくない。

期待を超えるのは、ほんの小さなことでいい。コピーを頼まれたら、そろえてホチキスで留めておく。文章を頼まれたら、誤字も直しておく。頼まれたことに、小さな「プラス1」を足すだけだ。大きなことをやる必要はない。この小さなプラス1が積み重なると、「気がきく人」「頼れる人」という評価に変わっていく。ほんの少しの心づかいが、大人の世界では、大きく効く。

何かを頼まれたら、「これに、小さくプラスできることは?」と、一つだけ考えてみてほしい。ほんの一手間でいい。その積み重ねが、あなたの評価をつくっていく。

Chapter 4 今日からできる、小さな練習

最後に、今日の話を、明日から少し試してみるための、身近な練習を紹介する。就職はまだ先でも、練習の場は、今のあなたのまわりに、たくさんある。アルバイト、部活、委員会、グループ制作。どこでもいい。気軽な気持ちで、試してみてほしい。

4-1 アルバイトで「目的」を想像してみる

アルバイトで、店長や先輩に何かを頼まれたとき、つい、言われたことだけを、こなしていないだろうか。それも悪くはないが、少しもったいない。

次にアルバイトで何かを頼まれたら、「これは、何のためだろう?」と、一度だけ想像してみてほしい。「片づけておいて」は、次のお客さんが気持ちよく使うためかもしれない。目的が見えると、どこまでやればいいかも、見えてくる。バイトは、この「目的を読む」練習に、うってつけの場だ。しかも、気づいて動けると、店長にも喜ばれる。一石二鳥だ。

今度のバイトで、一回でいい。頼まれたことの「目的」を、想像してみよう。当たっていなくてもいい。想像するくせが、力になる。バイトは「お金をもらって働く」という、社会の縮図でもある。ここで身につけた目的を読む力は、そのまま就職後にも生きてくる。

4-2 頼まれごとに「プラス1」を足してみる

頼まれたことを、そのままやって終わり。それが、いちばん楽だ。でも、今日からは、ほんの少しだけ、変えてみよう。

頼まれごとに、小さな「プラス1」を足してみる。友だちに資料づくりを頼まれたら、見やすく色分けもしておく。部活で道具の片づけを頼まれたら、次に使いやすいように並べておく。ほんの一手間だ。この「プラス1」は、相手の期待を、少しだけ超える練習になる。やりすぎず、小さく。それが、ちょうどいい。

今週、だれかに何かを頼まれたら、小さなプラス1を、一つだけ足してみてほしい。相手の「ありがとう」が、いつもより大きくなるはずだ。大切なのは、無理をしないことだ。プラス1は、あくまで小さく。続けられる範囲でやるからこそ、習慣になり、あなたらしい強みに育っていく。

4-3 「確認」と「提案」は、セットで

自分の考えで動くのは、こわい。でも、何も言わずに待つのも、もったいない。そのあいだで、ちょうどいいやり方がある。

それが、「確認」と「提案」をセットにすることだ。「ここまで、こう進めました(確認)。この先は、こうしようと思いますが、どうですか?(提案)」。この言い方なら、勝手に突き進むこわさもなく、指示待ちのもったいなさもない。自分の考えを持ちながら、相手にも確かめる。安全と主体性が、両立するのだ。じつは、就活の面接でも、この姿勢は高く評価される。

グループ制作や委員会で、「確認+提案」の言い方を、一度使ってみてほしい。「こう思うのですが、どうですか?」。この一言が言えると、まわりの見る目が、変わってくる。

4-4 やりすぎ注意――ひとりよがりにならないコツ

「主体的に動こう」と張りきりすぎて、今度は逆に、相手の意図を無視して突っ走ってしまう。まじめな人ほど、じつはこうなりがちだ。

主体性は大切だが、ひとりよがりは、また別の問題だ。自分の考えを持つことと、それを押しつけることは、ちがう。大切なのは、「自分の考え」と「相手の目的」の、両方を大事にすることだ。良かれと思ってやったことが、相手の望みとズレていたら、意味がない。だからこそ、確認しながら進む。主体性と、相手への配慮は、セットで初めて、力になる。

自分の考えで動くときは、「これは、相手の目的に合っているかな?」と、一度立ち止まってほしい。主体性と、思いやり。この2つを、両手に持って進もう。「自分の考え」と「相手の目的」がぶつかったときは、まず相手の目的を優先する。そのうえで、自分の考えを提案として添える。この順番を、覚えておこう。

今日のまとめ

今日は、「言われた通り」だけでは、大人の世界では物足りない、という話を見てきた。でも、これまでのやり方が、まちがっていたわけではない。「言われた通り」は、大切な基本だ。その上に、「何のため?」を読む力と、小さなプラス1を、足していく。

指示待ちからぬけ出すのは、我慢ではない。むしろ、あなたの残り半分の力を、動かし始めることだ。それは、仕事を面白くする、入り口でもある。

明日は、2つ目の逆転を見ていく。「目立たず、波風を立てない」ことと、「勉強ができる」こと。学生時代の評価が、大人の世界でどう変わるのか、一緒に確かめよう。今日も、あせらなくて大丈夫。知って、ひとつ試してみる。それだけで、あなたは前に進んでいる。あなたの一歩を、あおラボはいつも全力で応援している。

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