まじめに勉強した人ほど、知っておきたいこと
こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。
昨日は、「言われた通り」だけでは物足りない、という話をした。指示の「目的」を読む力が大切だ、と。
今日は、残りの2つの逆転を、まとめて見ていく。一つは、「目立たず、波風を立てない」こと。もう一つは、「勉強ができる」ことだ。どちらも、学生時代には、高く評価されてきた。だまって従う人は、あつかいやすい。テストで点を取る人は、優秀だとほめられる。
ところが、大人の世界では、この2つの評価が、少し変わる。「意見を言えない人」は物足りず、「勉強ができるだけ」では足りない、とされることがある。今日も、その「なぜ?」を、やさしくほどいていこう。もちろん、あなたを否定する話ではない。
Chapter 1 「意見を言う」が、生意気から強みに変わる
まず一つ目。「目立たず、波風を立てない」こと。集団の中で、あえて意見を言わず、和を守る。これは、学校では、とても無難で、安全なやり方だった。ところが、大人の世界では、このやり方だけだと、少し損をすることがある。この章では、「意見を言うこと」が、なぜ大人社会で求められるのかを、見ていこう。こわがらなくていい。ちゃんと、コツがある。
1-1 学校では「波風を立てない」が安全だった
授業中、思っていることがあっても、あえて言わない。まわりに合わせて、目立たないようにする。そうしていれば、先生ににらまれることも、友だちとぶつかることもない。安全だ。
この「波風を立てない」やり方は、学校では、とても賢い生き方だった。実際、集団の和を守ることは、大切なことだ。だから、意見を飲みこむくせがついている人が、多い。それは、あなたが臆病だからではない。長いあいだ、それが正解だったからだ。ただ、大人の世界では、その正解が、少し変わる。
だから、まず「意見を言わないのは、悪いことだった」なんて、思わないでほしい。あなたは、上手に和を守ってきた。今から、そこに「意見を伝える力」を、少し足していくだけだ。焦らなくていい。
1-2 社会では「言われるまで黙っている人」は物足りない
会議やミーティングで、意見を求められても、「特にありません」と答える。まちがったことを言うより、安全だ。学生のときは、それでよかった。
でも、大人の世界では、だまっているだけの人は、「いてもいなくても同じ」と見られてしまうことがある。会社は、みんなで知恵を出し合って、より良いものをつくる場所だ。だから、自分の考えを出せる人が、頼りにされる。「まちがっているかも」と思っても、口に出してみる。その勇気が、価値になる。だまっていることは、もう「安全」ではなく、「もったいない」なのだ。
次に意見を求められたら、小さなことでいい、一つだけ言ってみてほしい。「私は、こう思います」。まちがっていても大丈夫。言えた、という経験が、あなたを一歩、前に進める。
1-3 大切なのは「謙虚さ」と「本質」の両立
「意見を言え」と言われても、どう言えばいいのか、わからない。強く言いすぎると、生意気に見えそうで、こわい。まじめな人ほど、そこで迷う。
ここに、大事なコツがある。それは、「謙虚さ」と「本質」を、両立させることだ。相手を立てながら、でも、ものごとの中心をとらえたことを、ていねいに伝える。「まちがっているかもしれませんが、こう思うのですが、どうでしょう?」。このやわらかい言い方なら、生意気にはならない。むしろ、「よく考えているな」と信頼される。言う中身と、言い方。この両方がそろって、意見は強みになる。
意見を言うときは、「相手を立てる一言」を、頭につけてみてほしい。「勉強不足かもしれませんが」「一つ思ったのですが」。このクッションが、あなたの意見を、伝わりやすくする。
1-4 反抗と提案は、まったくちがう
「意見を言う」と聞くと、目上の人に逆らうこと、反抗すること、と思ってしまう人がいる。だから、こわくて言えない。でも、それは、大きな誤解だ。
反抗と提案は、まったくちがう。反抗は、「あなたはまちがっている」と、相手を否定することだ。提案は、「もっと良くするために、こうしませんか」と、一緒に前を向くことだ。大人の世界で求められるのは、反抗ではなく、提案のほうだ。相手を打ち負かすためではなく、みんなで良くするために意見を言う。この気持ちさえあれば、あなたの意見は、生意気にはならない。
意見を言う前に、「これは、相手を否定するため? それとも、良くするため?」と、一度考えてみてほしい。良くするための意見なら、堂々と言っていい。それは、りっぱな貢献だ。

Chapter 2 「勉強ができる」の、その先にあるもの
二つ目の逆転は、「勉強ができる」ことだ。テストで点を取り、知識をたくさん覚える。学生時代、これはとても高く評価されてきた。がんばってきた人ほど、そこに自信がある。ところが、大人の世界では、この評価も、少し変わる。ここでも、勉強がムダになる、という話ではない。むしろ、その力を、どう生かすか、という話だ。
2-1 勉強ができるのは、大人社会では「前提」
あんなにがんばって覚えたのに、社会では「それは当たり前」と言われる。少し、がっかりするかもしれない。「じゃあ、今までの努力は何だったの?」と。
でも、これは、あなたの努力を否定しているのではない。大人の世界では、知識があるのは「スタートラインに立っている」ということで、そこからが本番なのだ。たとえば、料理の材料をたくさん知っているだけでは、おいしい料理はつくれない。材料(知識)を使って、実際に料理(成果)をつくれるかが、問われる。勉強は、その材料集めだ。とても大切だが、それだけでは、まだ足りない。
「勉強ができる」ことに、自信を持っていい。それは、立派な土台だ。ただ、その土台の上に、「使う力」を積み足していこう。土台があるあなたは、じつは有利なのだ。
2-2 覚える力より、組み立てる力
テストは、覚えたことを、正確に思い出せば、点が取れた。だから、「覚えること」が勉強だと思っている人は多い。でも、大人の世界の「頭の良さ」は、少しちがう。
大人の世界で問われるのは、覚える力より、「組み立てる力」だ。バラバラの知識や情報を、自分の頭でつなげて、新しい考えや答えを、自分でつくり出す力だ。だれかに教わった答えを言うのではなく、「自分は、こう考える」を組み立てられるか。覚えるのが得意な人は、その材料を、たくさん持っている。あとは、それをつなげる練習をするだけだ。
何かを学んだら、覚えて終わりにせず、「これを使って、自分なら何が言えるかな?」と、一歩、考えてみてほしい。覚える勉強から、組み立てる勉強へ。この一歩が、大人の頭の良さに近づく。
2-3 一人でできる力より、人と進める力
勉強は、基本的に、一人でやるものだった。一人で問題を解き、一人で点を取る。だから、「一人でできること」に、自信がある人も多いだろう。
でも、大人の仕事の多くは、一人では完成しない。だれかと協力し、意見を交わし、一緒にものごとを進めていく。だから、大人の世界では、「一人でできる力」に加えて、「人と一緒に進める力」が、とても大切になる。どんなに一人で優秀でも、人とうまく組めなければ、大きな仕事はできない。コミュニケーションの力は、性格ではなく、練習で伸ばせる技術だ。
グループでの活動を、「めんどうなもの」ではなく、「人と進める力の練習の場」として、とらえ直してみてほしい。意見を聞く、自分も出す、まとめる。その一つひとつが、大人の世界で効く力になる。
2-4 最後に問われる「人間力」とは
「人間力」という言葉を、聞いたことがあるだろうか。なんとなく、すごそうだけど、つかみどころがない。「自分には、そんなものない」と思うかもしれない。
でも、人間力は、特別な才能ではない。約束を守る。あいさつをする。感謝を伝える。人の話を、ちゃんと聞く。困っている人に、手を貸す。こうした、あたりまえの積み重ねが、人間力だ。大人の世界では、能力が同じくらいなら、最後は「この人と一緒に働きたいか」で選ばれる。その決め手が、人間力なのだ。むずかしいことは、何もない。
人間力を、大げさに考えなくていい。今日から、あいさつを一つ、ていねいにする。それだけで、あなたの人間力は、育ち始めている。小さな誠実さの積み重ねが、いちばん強い。
Chapter 3 なぜ「その先の力」が必要なのか
ここまで、「意見を言うこと」と「勉強のその先」を見てきた。では、なぜ、大人の世界では、こうした力が求められるのだろうか。昨日も少し触れたが、そこには、学校と社会の、根っこのちがいがある。この章では、その理由を、あらためて整理しておこう。理由がわかると、納得して、前に進める。
3-1 大人の仕事は、一人では完成しない
テストは、一人で受けるものだった。自分の力だけで、点が決まる。その感覚が、しみついている人は多い。
でも、大人の仕事は、ほとんどが「みんなでつくるもの」だ。一つの商品も、一つのサービスも、たくさんの人の力が合わさって、できあがる。だから、自分一人の得意を磨くだけでなく、「人とどう組むか」が、大きく問われる。意見を言えることも、人と進める力も、すべて「一人では完成しない」という前提から、必要になっている。学校の「一人で」から、社会の「みんなで」へ。ここが、大きなちがいだ。
これからは、「自分一人でどうがんばるか」だけでなく、「まわりと、どう力を合わせるか」も、考えてみてほしい。その視点が、大人の世界での、あなたの居場所をつくる。
3-2 正解を覚えるより、正解をつくる
学校の問題には、正解があった。だから、正解を覚えて、正確に出す練習を、ずっとしてきた。それが、勉強だと思っている。
でも、大人の世界の問題には、決まった正解がないことが、ほとんどだ。「どうすれば、お客さんに喜んでもらえるか」に、一つの正解はない。自分たちで考えて、つくり出すしかない。だから、正解を覚える力より、正解のない中で、自分なりの答えを組み立てる力が、問われる。意見を言うことも、その第一歩だ。自分の答えを、こわがらずに出してみる。それが、正解づくりの始まりになる。
「正解は一つ」という思いこみを、少しゆるめてみてほしい。「自分なら、どう考える?」を、大切にする。正解を探す人から、正解をつくる人へ。その転換を、今から始めよう。
3-3 知識は、使えて初めて価値になる
たくさん覚えたのに、それを使う場面がなくて、忘れてしまった。そんな経験は、ないだろうか。せっかくの知識が、もったいない。
知識は、持っているだけでは、宝の持ちぐされだ。使って、初めて、価値になる。覚えた歴史の知識も、だれかに面白く話せて、初めて生きる。学んだ考え方も、目の前の問題に当てはめて、初めて役に立つ。大人の世界で問われるのは、「どれだけ知っているか」より、「知っていることを、どう使えるか」だ。あなたが覚えてきたことは、使い方しだいで、大きな武器になる。
何かを学んだら、「これは、どんな場面で使えるかな?」と、想像してみてほしい。使う場面とセットで覚えると、知識は、生きた力に変わる。だから、たくさん知っている人より、少ししか知らなくても、それを上手に使える人のほうが、頼りにされることもある。知識は、量より使い方なのだ。
3-4 でも、勉強の力は、決してムダにならない
ここまで読んで、「じゃあ、勉強してきたのは、意味なかったの?」と、さみしくなった人もいるかもしれない。まじめにがんばってきた人ほど、そうだ。
でも、安心してほしい。勉強の力は、決してムダにならない。むしろ、すべての土台になる。コツコツ努力できる力、決められたことをやりきる力、覚えて理解する力。これらは、社会でも、とても大切な基本だ。その土台の上に、「意見を言う」「組み立てる」「人と進める」を積み足せば、あなたは、とても強くなる。勉強ができることは、まちがいなく、あなたの財産だ。
これまでの努力を、誇りに思ってほしい。そのうえで、その力を「使う」練習を、少しずつ始めよう。土台がしっかりしているあなたなら、きっと、うまくいく。

Chapter 4 今日からできる、小さな練習
最後に、今日の話を、身近な場所で練習する方法を紹介する。「意見を言う」も、「知識を使う」も、いきなり本番では、むずかしい。でも、日常には、練習の場が、たくさんある。授業、ゼミ、部活、友だちとの会話。気楽な気持ちで、一つずつ、試してみてほしい。
4-1 「私はこう思う」を、ていねいに言う練習
意見を言うのは、こわい。まちがえたら、変な人だと思われそうだ。だから、つい、飲みこんでしまう。その気持ちは、よくわかる。
だから、まず、安全な場所で練習しよう。友だちとの会話や、少人数のゼミがいい。「私は、こう思うんだけど、どうかな?」。この、やわらかい言い方で、一つ、意見を出してみる。まちがっていても、だれも困らない。大切なのは、「意見を言う」という行動に、体を慣らすことだ。慣れれば、本番でも、自然に言えるようになる。
今週、一回でいい。友だちや授業で、「私はこう思う」を、ていねいに言ってみてほしい。小さな一歩だ。でも、この一歩が、大きな自信になる。最初は、心臓がドキドキするかもしれない。でも、一度言えると、二度目はぐっと楽になる。意見を言うのは、才能ではなく、慣れだ。回数が、あなたを強くする。
4-2 覚えたことを「自分の言葉」で説明してみる
覚えたことを、テストで書くことはできる。でも、だれかに「それ、どういうこと?」と聞かれると、うまく説明できない。そんな経験は、ないだろうか。
それは、覚えてはいるけれど、「自分の言葉」になっていないからだ。おすすめの練習は、学んだことを、だれかに、自分の言葉で説明してみることだ。友だちでも、家族でもいい。うまく説明できたら、それは、本当に理解できた証拠だ。説明する中で、知識が、覚えたものから、使えるものに変わっていく。これは、組み立てる力の、いい練習になる。
何かを学んだら、それを、だれかに一分で説明してみてほしい。「つまり、こういうこと」と言えたら、合格だ。説明できることは、理解できていることなのだ。
4-3 人と一緒に、何かをつくる経験を積む
一人でやるほうが、気楽だし、早い。だから、グループ活動が、少し苦手だ、という人もいるだろう。でも、それは、もったいない。
人と一緒に、何かをつくる経験は、大人の世界で効く力の、最高の練習になる。文化祭の出し物、ゼミの発表、サークルのイベント。何でもいい。意見がぶつかったり、うまくいかなかったりする。でも、その全部が、「人と進める力」を育ててくれる。一人では味わえない、達成感もある。苦手だからこそ、少しだけ、飛びこんでみる価値がある。
今度、人と一緒に何かをする機会があったら、少しだけ、積極的に関わってみてほしい。うまくやろうとしなくていい。関わった、という経験そのものが、あなたの力になる。そして、うまくいかなかった経験も、じつは宝物になる。「あのとき、どうすればよかったか」を考えた経験が、社会に出てから、そのまま生きてくる。
4-4 あいさつ・感謝・約束――人間力の入り口
「人間力を高めよう」と言われても、何をすればいいか、わからない。大きすぎて、つかみどころがない。そう感じる人は、多いだろう。
でも、人間力の入り口は、とても身近だ。元気にあいさつをする。「ありがとう」を、ちゃんと伝える。小さな約束でも、きちんと守る。この3つを、日常でやるだけでいい。特別な才能は、いらない。むしろ、こうしたあたりまえのことを、あたりまえにできる人が、大人の世界では、いちばん信頼される。人間力は、今日から、だれでも育てられる。
今日から、あいさつ・感謝・約束の3つを、少していねいにしてみてほしい。それだけで、あなたの人間力は、育ち始める。いちばん身近で、いちばん強い力だ。しかも、この3つは、お金も才能もいらない。今日、この瞬間から、だれでも始められる。いちばん確実で、いちばん裏切らない力の育て方だ。
今日のまとめ
今日は、2つの逆転を見てきた。「意見を言うこと」は、生意気ではなく、謙虚に伝えれば、大人の世界では強みになる。そして「勉強ができること」は、大切な土台であり、その上に「組み立てる力」「人と進める力」「人間力」を積み足していけばいい。
どちらも、これまでの自分を、否定する話ではない。あなたの持っているものに、少し足していくだけだ。
明日は、いよいよ大事な話をする。ここまで読んで、「自分は、あれもこれもできていない」と、弱みが気になり始めた人もいるだろう。でも、それでいい。明日は、その弱みと、どうつき合えばいいのかを、一緒に考えていく。今日も、あせらなくて大丈夫。あなたの一歩を、あおラボはいつも全力で応援している。