選び方の、基準をつくる

どれを選ぶか、で迷っていないか

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

昨日は、インターンの目的について書いた。「内定への近道」ではなく「確かめるため」。この1行を、決められただろうか。

今日は、その先の話をする。目的が決まったら、次は「どれを選ぶか」だ。ここでつまずく学生は、とても多い。

募集情報は、山のように流れてくる。全部は見きれない。だから、選ぶための基準がいる。今日は、その基準のつくり方を扱う。

Chapter 5 知名度で選ぶと、後悔する

選ぶときに、いちばん最初に働くのが「知っているかどうか」だ。これは、ごく自然な反応でもある。ただし、この基準だけで動くと、あとで後悔することが多い。この章では、その理由を4つに分けて確かめておこう。

5-1 名前を知っている、それだけの理由

インターンの一覧を見ていると、目が止まる企業がある。たいていは、名前を知っている企業だ。

でも、少し立ち止まってほしい。なぜ、その名前を知っているのだろうか。多くの場合、理由は2つしかない。テレビでCMを見たから。あるいは、日常で商品を買っているから。つまり、消費者としてのあなたが知っているだけなのだ。働く場所としてどうかは、まったく別の話である。しかも、CMを打っているのは、消費者向けの商品を扱う企業に限られる。世の中の仕事の大半は、企業と企業のあいだで動いている。だから、知名度は、仕事の中身とはほとんど関係がない。

「なぜ、この企業を知っているのか」を、一度自分に聞いてみてほしい。答えがCMや商品だけなら、その基準はいったん脇に置こう。

5-2 有名企業ほど、倍率も高い

もう1つ、現実的な問題がある。名前が知られている企業は、応募も集中する。

秋冬インターンでも、人気企業には数100人、数千人が応募する。当然、選考は厳しくなる。しかも、その選考に落ちると、自信を失いやすい。実際には、多くの人が同じところに集まっただけなのに、「自分が否定された」と受け取ってしまうのだ。ここで消耗するのは、あまりに惜しい。もちろん、行きたい企業があるなら挑戦していい。ただ、そこだけに時間を注ぐのは危険だ。倍率の高い場所は、確率の話として、通らないことのほうが多い。

挑戦するのはいい。ただ、そこ1本に賭けないでほしい。落ちたときのために、別の選択肢も並べておこう。倍率は、あなたの価値とは関係がない。

5-3 知らない企業に、いい会社がある

そして、ここがいちばん伝えたいところだ。知らない企業のなかに、良い会社はたくさんある。

長く採用の現場を見てきて、これは何度も感じてきた。名前は聞いたことがなくても、その分野では国内有数の技術を持っている。社員が生き生きと働いていて、若手にも大きな仕事を任せる。そういう企業が、確実に存在する。しかも、応募が少ないぶん、社員としっかり話せることが多い。得られる情報の量が、まるでちがう。第1週で「情報は現場にある」と書いたが、その現場に近づきやすいのは、むしろ知られていない企業のほうなのだ。

一覧のなかで、名前を知らない企業を3社選んでみてほしい。何をしている会社か、調べるだけでもいい。30分で、候補の景色が変わってくる。

5-4 青森県内にも、選択肢はある

もう1つ、地元の話をしておきたい。県内で働くことを、選択肢から外していないだろうか。

「青森には仕事がない」と言う学生に、何人も会ってきた。でも、それはたいてい、知らないだけである。県内には、製造、食品、医療、福祉、金融、IT、観光と、幅広い分野の企業がある。しかも、規模が大きすぎないぶん、若いうちから任される仕事の幅が広い。もちろん、県外に出るのも立派な選択だ。ただ、比べたうえで選ぶのと、知らないまま外すのとでは、まったく意味がちがう。秋のインターンは、県内企業を知る機会にもなる。

県内の企業を、最低でも1社は候補に入れてみてほしい。比べる材料が増えるだけでも、選択の質は上がる。外すのは、知ってからでも遅くない。

Chapter 6 「確かめたいこと」から、逆算する

では、何を基準に選べばいいのか。答えは、昨日書いた1行にある。この章では、その1行を実際の選び方に落としこむ方法を扱う。4つの手順として、順に見ていこう。

6-1 昨日の1行を、選ぶ基準にする

昨日、「〇〇を確かめる」という1行を書いてもらった。この1行が、そのまま選ぶ基準になる。

たとえば「人と関わる仕事が、自分に合うかを確かめる」と書いたなら、選ぶべきは、人と接する時間が長い職種のインターンだ。営業でもいい。接客でもいい。企画でもいい。業界はばらばらでかまわない。逆に、1日中パソコンに向かう職種を選んでしまうと、確かめたいことが確かめられない。基準がないと、なんとなく応募してしまう。でも、1行あるだけで、「これは合う」「これはちがう」と、迷わずに判断できるようになる。

募集を見るとき、まず自分の1行を思い出してほしい。それに合うかどうかだけで、まず選り分けよう。合わないものを外すだけで、迷いは半分になる。

6-2 業界ではなく、仕事内容で見る

学生が使いがちな基準に、「業界」がある。ただ、これは意外と、粗い区切りである。

同じメーカーでも、営業と技術と管理では、日々やることがまったくちがう。同じ金融でも、窓口と融資と本部では、まるで別の仕事だ。つまり、業界で選んでも、自分に合うかどうかはわからない。むしろ、職種や仕事内容で見たほうが、はるかに精度が高い。「人と話す時間が長いか」「1人で集中する時間が長いか」「数字を扱うか」「体を動かすか」。この軸で見ると、業界をまたいで、似た仕事が見えてくる。選択の幅も、その分だけ広がる。

募集を見るときは、業界名より「何をするか」の欄を先に読んでほしい。判断の精度が、大きく変わってくる。業界名は、あとから確認すれば十分だ。

6-3 プログラム内容を、細かく読む

同じ「3日間のインターン」でも、中身はまったくちがう。ここを読まずに応募すると、当日がっかりすることになる。

見るべき点は、いくつかある。実際の業務を体験できるのか、それとも説明とグループワークだけなのか。社員が同席する時間は、どのくらいあるのか。参加人数は何人か。少人数なら、社員と話せる可能性は高い。逆に、100人規模なら、説明会に近い形だと考えたほうがいい。募集ページには、たいていタイムスケジュールが載っている。そこまで読めば、当日の姿がだいたい想像できるはずだ。

応募する前に、募集ページを最後まで読んでほしい。5分で読める情報が、3日間の価値を左右する。読まずに応募するのは、あまりに惜しい。書いてある情報は、全部使おう。

6-4 「社員と話せるか」を、必ず確認する

そして、ここは特に重視してほしい。社員と直接話せる時間があるかどうかだ。

先週の連載で、人に会うと情報の質が変わると書いた。インターンでも、まったく同じことが起きる。社員と話せる場が用意されていれば、資料には出てこない話が聞ける。仕事の大変さ。やりがいを感じる瞬間。入社前と後のギャップ。こうした話は、実際に働いている人からしか出てこない。座談会、ランチ会、質疑応答。名前は何でもいい。そういう時間が組みこまれているかどうかを、必ず確認してほしい。ここが、参加後に残るものを大きく分ける。

募集ページで「座談会」「質疑」の文字を探してほしい。あるなら、優先度を1つ上げていい。見つからないときは、問い合わせて聞いてもかまわない。

Chapter 7 情報は、どこで探すか

基準ができたら、次は探し方だ。じつは、多くの学生が1つの経路しか使っていない。この章では、4つの入口を紹介する。組み合わせると、見える範囲が一気に広がる。

7-1 就活サイトは、入口にすぎない

まずは、就活サイトだ。ほとんどの学生が、ここから始める。それ自体は、まったく問題ない。

情報がまとまっていて、検索もできる。効率という点では、いちばん優れている。ただし、限界もある。掲載されているのは、そのサイトに費用を払って載せている企業だけだ。つまり、載っていない良い企業が、必ず存在する。しかも、条件で絞りこんでいくと、みんなが同じような結果にたどりつく。まわりと同じ選択肢しか見えなくなるのだ。だから、就活サイトは入口として使い、そこで終わらせないことが大事になる。

就活サイトは使っていい。ただ、そこだけで完結させないでほしい。入口の1つだと考えよう。ここから先に、まだ広い世界が残っている。次に挙げる3つも、あわせて使ってほしい。

7-2 大学のキャリアセンターを、使い倒す

次に、大学のキャリアセンターだ。ここを使い切れていない学生が、本当に多い。

キャリアセンターには、就活サイトには出てこない情報がある。大学に直接届く求人。卒業生が勤めている企業の情報。過去に参加した先輩の感想。これらは、外からは手に入らない。しかも、職員の方は毎年何100人もの学生を見ている。「あなたの学部から、この分野に進んだ人が多い」といった話も聞ける。行くのに、予約以外の準備はいらない。目的の1行を持っていけば、そこから相談が始められる。

今週中に、一度キャリアセンターに行ってみてほしい。「秋のインターンを探しています」と言うだけでいい。学費に含まれている場所なので、遠慮なく使ってほしい。何度でも、無料で相談できる場所だ。

7-3 企業の採用ページを、直接見る

3つ目は、企業の採用ページを直接見る方法だ。地味だが、効果は大きい。

気になる企業が見つかったら、その企業のサイトを開いてみてほしい。就活サイトに載っていない募集が出ていることがある。しかも、自社のページのほうが、情報量が多い。社員の紹介、仕事の流れ、社内の写真。読むだけで、雰囲気がかなりわかる。特に、地方の中小企業は、就活サイトに載せず、自社サイトだけで募集していることが少なくない。知らない企業を3社調べる、と先に書いたが、その調べ先がまさにここになる。

気になった企業は、必ず自社の採用ページも見てほしい。就活サイトとは、情報の厚みがちがう。10分もかからず、雰囲気がつかめる。写真と社員紹介は、特に丁寧に見てほしい。

7-4 人から聞く、という方法

4つ目は、先週の連載につながる。人から聞く、という方法だ。

ゼミの先輩、サークルのOB・OG、アルバイト先の社員の方。この人たちは、あなたが知らない企業を知っている。「去年、こういうインターンに行った」「あの会社は雰囲気がいいらしい」。こうした話は、検索では出てこない。しかも、実際に行った人の感想なので、募集ページより正確なことが多い。先週、依頼文の書き方と質問のつくり方を扱った。それを、そのまま使えばいい。「秋のインターン先を探しています」と伝えるだけで、話は始まる。

先輩に1人、聞いてみてほしい。あなたの候補リストに、知らない社名が加わるかもしれない。しかも、その1社が本命になることもある。聞くのは、たった一言でいい。

Chapter 8 応募の実務で、つまずかないために

選ぶ基準と、探す場所が決まった。最後は、実際に応募するときの話だ。ここで多くの学生が、細かいところでつまずく。この章では、4つの注意点を扱っておこう。

8-1 締切は、カレンダーに全部入れる

まず、いちばん多い失敗から書く。締切を逃す、というものだ。

秋のインターンは、募集の締切がばらばらに来る。しかも、多くは応募から選考、参加までに3週間ほどかかる。気づいたときには、締切が過ぎていた。これが、本当によく起きる。防ぐ方法は、単純だ。気になる募集を見つけたら、その場でスマホのカレンダーに締切を入れる。3日前に通知が来るよう設定しておく。これだけで、失敗はほぼなくなる。記憶に頼ると、必ずどこかで抜け落ちる。仕組みで防ぐほうが、確実である。

見つけたその場で、締切をカレンダーに入れてほしい。30秒の作業が、機会を守ってくれる。あとでまとめよう、と考えると、たいてい間に合わない。締切は、待ってくれないものだ。

8-2 志望動機は、目的から書く

応募書類でつまずく学生も多い。特に、志望動機の欄で手が止まる。

でも、目的の1行があれば、これは難しくない。「人と関わる仕事が自分に合うかを確かめたい。御社のインターンは社員の方と話せる時間があり、そこを確かめられると考えた」。これで十分に成立する。むしろ、無理に企業を持ち上げるより、正直に書いたほうが伝わる。8月の連載でも書いたが、企業は完成した学生を求めていない。確かめようとしている姿勢のほうが、はるかに好意的に受け取られる。飾らずに、目的から書けばいい。

志望動機は、目的の1行を出発点にして書いてほしい。うまく書こうとしなくていい。素直さのほうが、ずっと強い。飾った文章は、読む側にはすぐ伝わる。

8-3 落ちても、選び方はまちがっていない

インターンにも、選考がある。落ちることも、当然ある。ここで折れてしまう学生を、何人も見てきた。

ただ、覚えておいてほしい。落ちた理由の多くは、あなたの能力ではない。定員が10人のところに、200人が応募した。それだけのことが、ほとんどである。しかも、企業側は短い書類だけで判断している。あなたの何かを、深く見たわけではないのだ。だから、落ちても選び方を疑わなくていい。目的が決まっていれば、次の候補を探せばいい。8月に書いたとおり、失敗は情報である。落ちた事実より、次にどう動くかのほうが、ずっと大事だ。

落ちたら、その日のうちに次の候補を1つ探してほしい。動きを止めないことが、いちばん効く。落ちた事実は、明日には関係なくなる。

8-4 学業と、両立させる組み方

最後に、現実的な話をしておく。インターンは、学業を犠牲にしてまで行くものではない。

秋は、授業もある。試験もある。そこを崩してしまうと、本末転倒になる。だから、応募の前に、自分の予定を確認してほしい。試験期間、レポートの締切、ゼミの発表日。これらを避けて組めば、無理なく参加できる。しかも、企業側も学業を優先することを理解している。日程の相談に応じてくれる企業も多い。3社から5社という目安も、この両立を前提にした数だ。詰めこみすぎると、どちらも中途半端になる。

応募の前に、自分の予定表を開いてほしい。空いている日から逆算して、参加を決めよう。無理のない計画が、結局はいちばん続く。学業を守ることも、立派な準備の1つだ。

今日のまとめ

インターンを知名度で選ぶと、後悔しやすい。名前を知っているのは、CMを見たか商品を買ったかのどちらかで、働く場所としてどうかとは関係がない。しかも、有名企業ほど倍率が高く、消耗しやすい。

知らない企業のなかに、良い会社はたくさんある。応募が少ないぶん、社員としっかり話せることも多い。青森県内にも、選択肢は確実にある。知らないまま外すのは、もったいない。

選ぶ基準は、昨日書いた「〇〇を確かめる」の1行だ。業界ではなく仕事内容で見て、プログラムの中身を細かく読み、社員と話せる時間があるかを必ず確認する。

情報の入口は、4つある。就活サイト、キャリアセンター、企業の採用ページ、そして人から聞くこと。1つだけに頼ると、まわりと同じ選択肢しか見えなくなる。

応募の実務では、締切をその場でカレンダーに入れる。志望動機は目的から書く。落ちても選び方を疑わない。そして、学業の予定から逆算して組む。

明日は、この連載の最終回。参加中と参加後で差がつく理由を扱う。同じ3日間を過ごしても、持ち帰る量はまるでちがってくる。一緒に見ていこう。

選ぶ基準は、外から借りるものではなく、自分でつくるものだと、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。

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