「やりたいこと」より大切なもの――興味の見つけ方

「やりたいことがない」は強みになる――興味・関心から仕事を探す方法

こんにちは、あなたらしく輝けるキャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

「やりたいことを見つけなさい」――就活の場でよく聞くこの言葉に、プレッシャーを感じている人はいませんか? 実は、やりたいことが明確にある学生の方が少数派です。多くの学生は「なんとなく興味があること」はあっても、「これが絶対やりたい!」という確信を持てずにいます。でも、それでいいのです。むしろ「やりたいこと」を探すより、「自分が自然と引き寄せられる興味・関心」を丁寧に掘り起こす方が、就活においても入社後においても、はるかに豊かな選択につながります。今日は、「やりたいこと」より大切な「興味・関心の見つけ方」を一緒に探っていきましょう。

Chapter 1 「やりたいこと」幻想からの解放――なぜ見つからなくて当然なのか

「やりたいことを持て」というプレッシャーが、多くの学生を苦しめています。でも実は、やりたいことが最初から明確な人は稀です。この章では、なぜやりたいことが見つからなくて当然なのかを解説し、その呪縛から解放されるヒントをお伝えします。

1-1 やりたいことは「経験の後」に生まれる

「やりたいことが見つからない」と悩む学生の多くは、まだ多くの仕事を経験していないという事実を見落としています。やりたいことは、経験する前に降ってくるものではなく、何かを体験し、感じ、考えた「後」に生まれることがほとんどです。

キャリア心理学の研究でも、興味・関心は「実際にやってみること」によって育まれると示されています。たとえば、あなたが「マーケティングの仕事に興味がある」と感じるのは、マーケティングとはどういうことかを、授業やアルバイト、インターンなどを通じて体験し、「これ、面白いかも」という感覚が生まれたからではないでしょうか。あおラボのキャリアコンサルタントとして多くの学生と向き合ってきた経験から言えば、「やりたいことがない」のではなく、「まだ十分に体験していないだけ」というケースがほとんどです。だからこそ、「やりたいこと」を探す前に、まず「体験すること」を増やすことが大切です。今日からできる小さな体験――それが、未来のやりたいことの種になります。

1-2 「やりたいこと」と「できること」と「求められること」

就活でよく使われる概念に、「やりたいこと(Will)」「できること(Can)」「求められること(Must)」の3つの輪があります。この3つが重なる部分が、仕事として充実感を得られやすい領域だとされています。多くの学生は「やりたいこと(Will)」だけを探そうとして行き詰まりますが、実は「できること(Can)」から入る方が見つかりやすいことも多いのです。

あなたが「なんとなくうまくできること」「周りから褒められること」「時間を忘れて没頭できること」――これらは、すでにあなたが持っている「Can」のヒントです。あおラボでは、「強みは特別な才能ではなく、自分が自然にやっていること」という視点でキャリアを考えることを大切にしています。「人と話すのが苦にならない」「情報を整理するのが得意」「場の雰囲気を読むのが自然にできる」――こういった日常の中の「自然なできること」が、実は仕事の強みになります。今日、「自分が自然にできていること」を3つ書き出してみてください。それが、やりたいことを見つける第二の入口です。

1-3 興味は「種」――育てることが大切

やりたいことは最初から完成した形で現れるのではなく、小さな「興味の種」として存在しています。その種を発見し、育てることが、キャリア形成の第一歩です。

「なんとなく人の役に立つことが好き」「情報を調べて整理するのが楽しい」「誰かの悩みを聞いていると自然と力が入る」――こうした小さな感覚が、興味の種です。この種を就活に活かすためには、「この感覚はどんな仕事につながるか?」と問い直してみましょう。「人の役に立つのが好き」は、営業・コンサル・医療・教育・福祉など、さまざまな仕事につながります。「情報を整理するのが楽しい」は、マーケティング・編集・データ分析・経営企画などに関連します。あおラボのキャリアワークショップでも、「今の自分の小さな興味」を丁寧に言語化し、それを仕事の選択肢に広げる作業を行っています。「やりたいこと」がなくても、「小さな興味の種」は必ずあります。今日、その種を一つ見つけてみましょう。

1-4 「やりたいことがない」は多様な可能性の証

「やりたいことが一つに絞れない」「いろんなことに興味がある」という状態を、弱みだと感じている学生がいます。でも、それは逆の見方もできます。多くのことに興味を持てるということは、それだけ多くの可能性を持っているということです。

キャリアの世界では、「ゼネラリスト」と呼ばれる、複数の領域をまたいで活躍する人材の需要が高まっています。特定の「やりたいこと」に縛られず、さまざまな仕事に適応できる柔軟性は、これからの時代に大きな強みになります。あおラボのキャリアコンサルタントとして支援してきた学生の中にも、「やりたいことがない」と悩んでいたけれど、入社後に様々な仕事を経験する中で「これが自分の天職かもしれない」と気づいた人が数多くいます。今の「やりたいことがない」は、終着点ではなく出発点。多様な可能性を持つあなたが、どんな仕事で輝くのかを、これから一緒に探していきましょう。

Chapter 2 日常の中に眠る「興味のヒント」――気づきの掘り起こし方

興味・関心のヒントは、実は日常のあちこちに眠っています。特別な体験をしなくても、今の生活の中から見つけることができます。この章では、日常の中から興味のヒントを掘り起こす具体的な方法をお伝えします。

2-1 「つい没頭してしまうこと」を観察する

あなたが時間を忘れて没頭してしまうことは何ですか? ゲーム・料理・読書・音楽・スポーツ・SNSの投稿……なんでも構いません。「没頭できること」には、あなたの本質的な興味と強みが隠れています。

心理学者のチクセントミハイが提唱した「フロー理論」では、人は自分の能力と課題の難易度がちょうど合致したとき、時間を忘れて没頭する「フロー状態」に入ると言われています。このフロー状態を仕事の中で経験できるとき、人は最も充実感を感じます。あおラボのキャリアワークショップで学生に「没頭できることを書き出してください」と伝えると、最初は「趣味じゃなくて仕事に関係することじゃないといけないの?」と戸惑う人が多いのですが、その後「料理をするとき、レシピを工夫するのが楽しい」から「プロセスを改善することに興味があるかもしれない」というような気づきが生まれることがあります。没頭できることと仕事を結びつけるのは難しくありません。今日、「つい時間を忘れてしまうこと」を5つ書き出してみてください。

2-2 「許せないこと・気になること」から逆引きする

興味の見つけ方として意外に効果的なのが、「自分が許せないこと・気になること」から逆引きする方法です。「なぜそれが気になるのか」を掘り下げると、自分が大切にしている価値観や関心領域が浮かび上がってきます。

「食品ロスのニュースを見るといつも気になる」――それは食・環境・社会課題への関心かもしれません。「接客で雑な対応をされると腹が立つ」――それはサービスの質やホスピタリティへの強いこだわりかもしれません。「説明が長くてわかりにくいと感じる場面でイライラする」――それは情報の整理や伝えることへの関心かもしれません。あおラボのキャリア支援では、「社会への怒りやもどかしさは、社会貢献への情熱の裏返し」という視点をよく伝えます。自分が気になること・許せないことは、自分が変えたいと思っているものです。そこに、あなたの仕事への原動力が隠れています。今日、「最近気になったニュースや出来事」を一つ選び、「なぜ気になったのか」を書き出してみましょう。

2-3 「誰かに教えたくなること」は興味の証

あなたが友達や家族に「これ、知ってる?面白いよ」と話したくなることはありますか? 人が誰かに伝えたくなるのは、そのことへの興味と理解が一定の深さに達しているときです。「教えたくなること」は、あなたの興味の証です。

心理学では、人が他者に伝えることで自分自身の理解も深まるという「プロテジェ効果」が知られています。「誰かに教えたくなること」を仕事として選ぶと、仕事の中でも自然に情熱を持って取り組めることが多いのです。就活の文脈で言えば、「この業界のことを友達に説明したとき、自分が楽しくなった」「この会社のビジネスモデルを調べていたら時間を忘れた」――そういった体験は、就職先選択の重要なヒントになります。今日、「最近誰かに話したくなった・話した話題」を振り返ってみてください。そこに、あなたの興味の輪郭があります。

2-4 「過去の『楽しかった』体験」をリスト化する

幼少期から今までを振り返って、「楽しかった・夢中になった体験」を思い出せるだけリストアップするワークは、自己理解を深める上でとても効果的です。この方法は「ライフライン法」とも呼ばれ、キャリアコンサルティングの現場でもよく使われます。

「小学生のとき、図工の時間が一番好きだった」「中学のとき、生徒会の活動で企画を立てるのが楽しかった」「高校のとき、文化祭で全体をまとめる役割に充実感があった」――こうした体験の共通点を探すと、「創ること」「企画すること」「人をまとめること」への興味が見えてきます。あおラボでは、過去の体験リストから「なぜ楽しかったか」を掘り下げることで、多くの学生が「自分の興味の軸」を発見する瞬間を見てきました。過去は変えられませんが、過去の体験から未来の選択肢を広げることはできます。今日、「人生で楽しかった・夢中になった体験」を10個書き出してみてください。

Chapter 3 興味を「企業選択」につなげる――仕事を探す具体的な方法

興味・関心が見えてきたら、次は「それがどんな仕事・企業につながるか」を考える段階です。この章では、自分の興味から仕事・企業を探す具体的な方法を解説します。

3-1 興味から「業界」ではなく「機能」で考える

多くの学生は、仕事を「業界」から探します。「食品業界に行きたい」「IT業界に興味がある」という具合に。でも、実は「機能(役割)」から仕事を考える方が、自分の興味に合った仕事を見つけやすいことがあります。

「機能」とは、マーケティング・営業・人事・開発・企画・財務・広報……などのことです。「人と話して課題を解決するのが好き」なら、業界に関係なく「営業」や「コンサルティング」の機能に興味があるかもしれません。「データを分析して意思決定に活かすのが面白い」なら、「マーケティング」や「経営企画」の機能が向いているかもしれません。あおラボのキャリア支援では、業界よりも先に「どんな機能の仕事をしたいか」を考えることを勧めています。同じ「マーケティング」という機能でも、食品会社・IT企業・医療機関など、様々な業界で活躍できます。興味を業界に限定せず、「やりたい機能」を軸に広く企業を見ることで、思わぬ選択肢に出会えることがあります。

3-2 「同業種でも会社は違う」――企業研究で見るべきポイント

同じ業界・同じ規模の会社でも、「どんな人が働いていて、どんな文化があるか」は会社によって大きく異なります。企業研究では、表面的なスペック(売上・従業員数・事業内容)だけでなく、「働く人の姿・会社の文化・組織の空気感」を読み取ることが大切です。

具体的に見るべきポイントは3つあります。第一に「社員のSNS・発信」です。会社公式の情報だけでなく、社員がどんなことを発信しているか、どんな言葉を使っているかを見ると、その会社の文化が透けて見えます。第二に「OB/OGの話のトーン」です。説明会での話し方・言葉選び・目の輝き――「この会社の人たちは仕事を楽しんでいるか」を肌で感じましょう。第三に「若手社員の活躍事例」です。入社3〜5年目の社員がどんな仕事をしているか、どんな成長をしているかを確認することで、自分の入社後のリアルな姿が想像できます。自分の興味と会社の文化の「マッチング」を丁寧に確認することが、納得の企業選択につながります。

3-3 インターンシップで「体験してみる」勇気

自分の興味がある程度見えてきたら、実際にインターンシップで体験してみることが、仕事探しの最も確実な方法です。頭の中で考えるだけでは見えてこなかった「この仕事のリアル」が、体験を通じて鮮明になります。

「まだ自分の興味がはっきりしていないから、インターンに行くのはまだ早い」と思っている学生がいますが、それは逆です。興味を確かめるためにインターンに行くのです。「やってみたら思っていたのと違った」という気づきも、自分の興味を絞り込む上で非常に価値のある情報です。あおラボでは、「失敗を恐れずに体験する」ことを一貫して勧めています。合わないと感じたインターンも、「なぜ合わなかったか」を言語化することで、自分の興味・価値観がより明確になります。今学期中に1社でも体験してみることを目標にしてみてください。その一歩が、就活を「情報収集」から「自分探し」へと変えていきます。

3-4 「興味の地図」を描いてみる――可視化のすすめ

自分の興味を「地図」として可視化することで、バラバラに見えていた興味が一本の線でつながることがあります。興味の地図は難しくありません。紙の中央に「自分」と書き、そこから線を伸ばして「興味があること」を書き出し、さらにそこから「それに関連する仕事・業界」を広げていくだけです。

たとえば「人の話を聞くのが好き」→「カウンセリング・コーチング・人事・接客・営業」→「医療・教育・人材・サービス業」というふうに広がります。「データを見るのが楽しい」→「分析・企画・マーケティング」→「IT・金融・メーカー・コンサル」と広がります。あおラボのキャリアワークショップでは、この「興味の地図」を一人ひとりが作成し、それをもとに参加者同士で意見交換する時間を設けています。自分では気づかなかった「あなたのこの興味、〇〇の仕事にすごく合ってそう!」という発見が、他者の視点から生まれることも多いです。一人で抱え込まずに、仲間や先輩、あおラボのようなキャリア支援の場を活用してみてください。

Chapter 4 興味から「仕事観」へ――自分らしいキャリアを育てる

自分の興味・関心を見つけることは、企業選択のためだけではありません。それは「自分らしいキャリア」を育てる出発点でもあります。この章では、興味から仕事観へとつなげ、長期的なキャリアの視点で考えるヒントをお伝えします。

4-1 興味は「変わっていい」――キャリアは育てるもの

「今の自分の興味が、就職後も続くかわからない」と不安に思う学生がいます。でも、興味が変わることを恐れる必要はまったくありません。キャリアは、一度決めたら変えられないものではなく、人生を通じて育て続けるものだからです。

あおラボの活動を通じて多くの社会人のキャリアを見てきた中で感じるのは、「最初のやりたいことのまま一直線に歩んだ人」より「体験を重ねる中で興味が変化し、その都度自分らしい道を選んできた人」の方が、仕事に深い充実感を感じていることが多いということです。入社後に「やっぱりこっちの仕事の方が自分に合っている」と気づき、部署異動や転職でキャリアを変えることは、決して失敗ではありません。大切なのは、そのときどきに「なぜ変わりたいのか」を自分の言葉で説明できること。今の興味を大切にしながら、変化を恐れずに進んでいきましょう。

4-2 「仕事観+興味」が企業選択の羅針盤になる

これまでの連載でお伝えしてきた「仕事観の言語化」(Day1)と、今日の「興味・関心の掘り起こし」を組み合わせることで、企業選択の羅針盤が出来上がります。「仕事観」は「なぜ働くか・何を大切にしたいか」という軸であり、「興味」は「どんな仕事・領域に自然と引き寄せられるか」という方向感覚です。

たとえば、仕事観として「人の役に立つことで自分も成長したい」という軸を持ち、興味として「地方の課題や地域づくりに関心がある」という方向感覚を持っているなら、「地方創生に取り組む企業」「地元に密着したサービス業」「社会課題解決型のビジネス」などが、あなたにとって魅力的な選択肢として浮かび上がってきます。あおラボが支援している学生の多くは、青森を含む地方の中小企業で活躍することへの誇りと充実感を持っています。大企業・都市圏だけが「良い就職先」ではありません。自分の仕事観と興味を羅針盤に、本当に自分らしく輝ける場所を探してみてください。

4-3 「ワークアズライフ」で考える――仕事と興味の重なりを育てる

仕事と興味が重なる部分が大きいほど、日々の仕事が充実したものになります。「ワークアズライフ」の視点――仕事を人生の一部として自然に溶け込ませること――は、興味と仕事を近づけることでより実現しやすくなります。

「好きなことを仕事にしなければならない」という極端な考え方をする必要はありません。でも、「今の自分の興味と全く関係のない仕事を選ぶ」ことも、長期的な充実感という観点から見ると、見直す余地があります。大切なのは「少しでも自分の興味に近い仕事を選ぶ」こと、そして「仕事の中で興味を広げていく」姿勢です。入社後も学び続け、新しいことに興味を持ち続ける好奇心こそが、長くイキイキと働くための原動力になります。あなたの今の小さな興味を大切に、それを種として、これからの仕事という畑で育てていきましょう。

4-4 今日のワーク――「興味マップ」を作ってみよう

今日の記事のまとめとして、ぜひ「興味マップ」を作ってみてください。やり方はシンプルです。白い紙の中央に自分の名前を書き、そこから線を伸ばして「今、少しでも気になること・楽しいと感じること」を思いつくだけ書き出します。次に、それぞれの「気になること」から、「それはどんな仕事につながりそうか」を書き足します。最後に、書き出した仕事の中から「一つだけ調べてみたいもの」を選んでください。

あおラボのキャリアコンサルタントとして言えることは、この「興味マップ」を作るたびに、学生の表情が変わるということです。「自分が思っていた以上にいろんなことに興味があった」「この仕事、全然考えたことなかったけど面白そう」――そんな発見が、就活の視野を一気に広げてくれます。正解はありません。汚くて構いません。思いついたことをどんどん書き出してください。その「興味マップ」が、あなたの就活と人生の羅針盤になります。

今日のまとめ

今日は、「やりたいこと」より大切な「興味・関心の見つけ方」についてお伝えしました。やりたいことは経験の後に生まれるもの。今の段階で「やりたいことがない」は、弱みではなく多様な可能性の証です。日常の中の「没頭できること・許せないこと・話したくなること・楽しかった体験」に、興味のヒントは眠っています。その種を丁寧に育て、仕事観と組み合わせることで、自分だけの企業選択の羅針盤が生まれます。

「やりたいことがない」と悩んでいたあなたが、今日の記事を通じて「自分にはこんな興味があったんだ」という小さな気づきを得てくれたなら、それがすべての始まりです。あおラボは、あなたの興味の種を一緒に育てていきたいと思っています。明日も連載は続きます。自分のペースで、一歩ずつ進んでいきましょう!

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