仕事の成果は『強み』から!あなたの「コンピテンシー」を発掘する夏
皆さん、こんにちは!
昨日の記事では、就職活動そして皆さんのキャリアを後悔なく進める上で、「自己理解」が羅針盤のように重要であることをお伝えしました。そして、その自己理解を深めるための「黄金期間」が夏休みであることを感じてもらえたでしょうか。
自己理解の3つの輪「強み(Can)」「興味(Will)」「価値観(Why)」の中でも、私が特に重要だと考えているのが「強み」です。
なぜなら、仕事の成果は、あなたの「強み」からしか生まれないからです。
例えば、あなたがどんなに「あの仕事がしたい!」と強く願っても(Will)、それを形にする「強み」がなければ、期待される成果を出すことは難しいでしょう。逆に、自分の強みを理解し、それを最大限に活かせる場所を見つけることができれば、仕事はもっと楽しくなり、大きな成果にも繋がっていきます。
今日の記事では、この「強み」について深く掘り下げていきます。単なる「長所」ではない、「強み」の本当の意味。そして、それが「コンピテンシー」という、仕事で成果を出すための行動特性にどう繋がるのかを解説します。さらに、あなた自身の「強み」を発掘するための具体的なワークも用意しました。
この夏を、あなたの「強み」という最高の武器を見つけ、磨く時間にしていきましょう!
1. なぜ「仕事の成果は『強み』からしか生まれない」のか?
『強み』は「当たり前」の中に隠れている
私たちは、日々の生活の中で、意識せずにやっていることや、人から「すごいね」と褒められて初めて気づくような「得意なこと」があります。これが、実はあなたの「強み」の原石なんです。
たとえば、
- 友達の話を聞くのが自然と得意で、いつも相談に乗っている。
- グループで何かを企画する時、気づけば自分がリーダー役になっている。
- 細かい作業でも、集中して最後までやり遂げることができる。
- 初対面の人とも臆することなく、すぐに打ち解けられる。
これらは、あなたにとっては「当たり前」のことかもしれません。でも、他の人にとっては「真似できない特別なこと」だったりします。そして、このような「当たり前」の行動の中にこそ、あなたの「強み」が隠されていることが多いのです。
仕事において成果を出す人は、この「当たり前」にできること、つまり「強み」を自然と活用しています。苦手なことを克服する努力も大切ですが、それ以上に、自分の「強み」を理解し、磨き、最大限に活かすことが、成果への近道となるのです。
「強み」を「コンピテンシー」の視点で捉える
「強み」という言葉を聞いて、「私の長所は〇〇です」と答える人も多いでしょう。もちろん、それも間違いではありません。しかし、私たちがここで言う「強み」は、単なる長所や特性にとどまりません。それは、「コンピテンシー」という視点で捉えることで、より具体的に、そして仕事の成果に直結するものとして理解できます。
コンピテンシーとは、
高い業績を上げている人に共通して見られる「行動特性」のことです。
もう少し簡単に言うと、「成果に繋がる、あなたならではの行動パターンや思考パターン」だと考えてください。
例えば、「コミュニケーション能力が高い」という長所があったとします。
これをコンピテンシーの視点で見ると、「相手の立場に立って話を聞き、的確な質問をすることで、本音を引き出し、信頼関係を築くことができる」といった、より具体的な行動として表現されます。
企業が採用活動で知りたいのは、「あなたがどんな性格か」だけでなく、「その性格や特性が、仕事の場でどのように活かされ、どんな成果に繋がるのか」ということです。
あなたの「強み」を、具体的な行動として捉える「コンピテンシー」の視点で言語化できるようになると、就職活動での自己PRや面接で、より説得力を持って自分の魅力を伝えることができるようになります。
なぜ「強み」を磨くことが学生時代に重要なのか?
「強み」を理解し、磨くことが学生時代に重要な理由は大きく2つあります。
⒈ 仕事の「適性」を見極めるため:
- 自分の強みを深く理解することで、「どんな仕事なら自分の強みを活かせるか」「どんな環境なら自分らしく働けるか」といった、仕事の適性が見えてきます。これにより、入社後のミスマッチを防ぎ、長く活躍できる場所を見つけやすくなります。
⒉ 差別化された「武器」を構築するため:
- 就職活動では、多くの学生がエントリーシート(ES)や面接で自分をアピールします。その中で、あなたの「強み」を具体的に、そして「コンピテンシー」として語れるようになれば、他の学生との明確な差別化を図ることができます。企業にとって「この学生は、うちの会社でこんな貢献をしてくれそうだ」という具体的なイメージが湧きやすくなるのです。
夏休みは、この「強み」を深く掘り下げ、磨くための、まとまった時間が取れる貴重な期間です。この機会を逃さず、あなただけの最高の「武器」を見つけ出しましょう。
2. 【ワーク】あなたの『強み』を発掘する!「成功体験」の深掘り
ここからは、実際にあなたの「強み」を発掘するためのワークに取り組んでみましょう。最も効果的な方法の一つが、あなたの過去の「成功体験」を深掘りすることです。
なぜなら、成功体験の中には、あなたが無意識のうちに発揮していた「強み」、つまり「成果に繋がった行動」が必ず隠されているからです。
ワーク1:あなたの「成功体験」を棚卸しする
まずは、あなたのこれまでの人生の中で、「自分なりに頑張って、うまくいった!」「達成感を感じた!」「人に感謝された!」という経験を、大小問わず、できるだけたくさん書き出してみてください。
ポイント:
- 華々しい成果でなくてもOK! 部活での目標達成、アルバイトでの工夫、学業での努力、友人関係での貢献、趣味での上達など、どんなことでも構いません。
- 過去に遡って、できるだけ具体的に思い出しましょう。
【ワークシート例:成功体験の棚卸し】
番号 | 経験のタイトル (例:〇〇部の新人育成) | いつ頃の経験か | 経験の内容(何をしたか) | どんな成功だったか(結果) |
1 | ||||
2 | ||||
3 | ||||
… |

まずは、思いつくままに10個でも20個でも、自由に書き出してみてください。
ワーク2:成功体験を「STARメソッド」で深掘りする
書き出した成功体験の中から、特に印象に残っているもの、「自分らしさが出ているな」と感じるものを3~5つ選び、次の「STARメソッド」で深掘りしていきましょう。
STARメソッドとは、
- Situation(状況):どんな状況だったか
- Task(課題):どんな課題や目標があったか
- Action(行動):その課題に対し、あなたが「具体的に」どんな行動を取ったか
- Result(結果):その結果どうなったか、何を学んだか
というフレームワークです。これを活用することで、漠然とした経験を、具体的な行動とそこから得られた成果・強みとして言語化できます。
【ワークシート例:STARメソッドで深掘り】
経験のタイトル: (例:〇〇部の新人育成) |
Situation(状況):どんな状況でしたか?(いつ、どこで、誰と、どんなチームでなど) (例:大学2年の時、〇〇部の新人育成担当になり、新人がなかなか練習についてこれず、モチベーションが低下している状況でした。) |
Task(課題):その状況で、どんな課題や目標がありましたか? (例:新人が練習に積極的に参加し、部の目標である全国大会出場に貢献できるレベルまで成長させる必要がありました。モチベーション向上とスキルアップが課題でした。) |
Action(行動):その課題に対し、あなたは「具体的に」どんな行動を取りましたか?(あなたの独自の工夫や思考を詳細に。ここが「強み」が隠れている場所です) (例:1. 新人一人ひとりと個別に面談し、不安や悩みを丁寧に聞き出しました。2. 練習メニューを一方的に押し付けるのではなく、彼らの意見も取り入れ、小さな成功体験を積めるような個別メニューを考案しました。3. 練習後には必ずポジティブなフィードバックを伝え、成長を具体的に褒めるようにしました。) |
Result(結果):その結果どうなりましたか?何が変わりましたか?何を学びましたか? (例:新人のモチベーションが向上し、練習参加率が上がりました。チーム全体の雰囲気も良くなり、結果的に彼らが主体的に練習に取り組むようになり、私自身も「相手の状況を深く理解し、寄り添うことでチーム全体のパフォーマンスを最大化できる」という強みを発見できました。) |

「なぜ?」を繰り返して『本質的な強み』を見つける
STARメソッドで深掘りした「Action(行動)」の部分に、さらに「なぜ、その行動をとったのか?」「その時、何を考えていたのか?」と「なぜ?」を繰り返して問いかけてみてください。
例えば、上記の例で「新人一人ひとりと個別に面談した」という行動に対し、
- なぜ個別に面談したの? → 「全体の前では言いにくい本音があると思ったから」
- なぜ本音を引き出そうと思ったの? → 「相手が何を考えているか分からないと、適切なサポートができないと思ったから」
- なぜそう思ったの? → 「私自身が、過去に悩みを一人で抱え込んで失敗した経験があったから」
このように深掘りしていくと、「相手の気持ちに寄り添い、本質的な課題を見つけようとする傾聴力」や「過去の経験から学び、応用する力」といった、より本質的なあなたの「強み(コンピテンシー)」が見えてきます。
この作業は、時には時間がかかり、頭を悩ませるかもしれません。でも、そこを乗り越えた先に、あなただけの「強み」が明確になる喜びが待っています。
まとめ:この夏、あなたの『強み』を武器に、未来を切り拓こう!
27卒・28卒の皆さん、「仕事の成果は強みからしか生まれない」というメッセージ、そして「強み」を「コンピテンシー」として捉える視点について、理解を深めることができたでしょうか。
夏休みは、あなたの過去の「成功体験」をじっくりと深掘りし、その中に眠る「強み」を発掘するための最高の機会です。このワークを通じて、あなた自身の「得意なこと」「成果に繋がる行動」を明確にし、それをあなたの「武器」として磨き始める第一歩を踏み出してください。
あおもりHRラボは、あなたが青森で(以外の地域でも)「善くはたらく」未来を拓けるよう、この夏からの就活準備を全力でサポートします。さあ、あなただけの「強み」を見つけて、自信を持って未来を切り拓きましょう!