「OB・OG訪問って、本当に必要ですか?」――その問いの奥にあるもの
こんにちは、あなたらしく輝けるキャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。
今週の連載2日目です。「OB・OG訪問は必要ない」――こう思ったことがある就活生は、少なくないはずです。マイナビの調査でも「必要性を感じないから(26.7%)」が、訪問しなかった理由の最多でした。この「必要性を感じない」という感覚は、怠慢でも間違いでもありません。むしろ、その感覚の奥に「就活の本質的な問い」が潜んでいます。今日の記事では、「なぜ必要性を感じないのか」を正面から掘り下げながら、就活への向き合い方を根本から問い直します。読み終えた後、OB・OG訪問への見方が変わるだけでなく、自分の就活そのものへの見方が変わるかもしれません。
Chapter 1 「必要性を感じない」という感覚の正体
「OB・OG訪問が必要だと分かっているのに、どうしても必要性を感じられない」――就活支援の現場でよく耳にする言葉です。この章では、その感覚がどこから来ているのかを丁寧に解き明かします。
1-1 「必要性」は「問い」があって初めて生まれる
「OB・OG訪問の必要性を感じない」という状態の多くは、「何のために訪問するのかが分からない」という状態と表裏一体です。「必要性」とは、「目的と手段が結びついたとき」に初めて感じられるものです。「就職先を決めるにあたって、何を確認したいか」という目的(問い)がなければ、OB・OG訪問という手段の必要性は生まれません。
分かりやすく例えると、「地図が必要か?」という問いへの答えは、「どこかに行きたい場所がある人」には「必要だ」になり、「行きたい場所がない人」には「いらない」になります。就活も同じです。「自分はこの業界・この仕事・この会社について、社員の本音を聞いて確認したいことがある」という問いを持っている学生にとって、OB・OG訪問は「必要なもの」に見えます。一方、「就活は何となく進めていればいい」という状態にある学生にとっては、訪問の必要性は見えにくいのです。
「必要性を感じない」という自分の感覚を責める必要はありません。ただ、「なぜ必要性を感じないのか」を正直に自分に問い返すことが大切です。「自分はまだ就活の中で『何を知りたいか』が定まっていない」と気づくこと――その気づきが、就活の質を高める最初の一歩になります。
1-2 「必要性を感じない」の背景にある三つのパターン
就活支援の現場での経験から、「OB・OG訪問の必要性を感じない」学生には、大きく分けて三つのパターンがあることが分かってきました。一つ目は「就活の目的が曖昧なパターン」――「とりあえずどこかに就職できればいい」「名の知れた会社に入れればいい」という状態で、「自分にとって何が重要か」が整理されていない。二つ目は「すでに情報があると思っているパターン」――「ネットやSNSで業界・企業の情報は調べた」「就活サイトでOB・OGの記事を読んだ」という状態で、「それ以上の情報が必要とは思えない」。三つ目は「訪問への心理的ハードルが高いパターン」――「知らない社会人に連絡するのが怖い」「うまく話せなかったらどうしよう」という不安が「必要性の感覚」を曇らせている。
三つのパターンのうち、どれが自分に近いかを考えてみてください。一つ目なら「就活の目的の整理」が先決です。二つ目なら「ネット情報とリアルな対話で得られる情報の質の違い」を知ることが鍵です(この点についてはChapter2で詳しく触れます)。三つ目なら「心理的ハードルを越えるための具体的な方法」が必要です(これについては今週の連載Day5で詳しく解説します)。自分のパターンを知ることが、「必要性を感じない」という壁を越える出発点です。
キャリアコンサルタントとして断言できることが一つあります。「OB・OG訪問の必要性を感じない」という状態は、情報や経験によって変わります。実際に一回でもOB・OG訪問をした学生のほとんどが「もっと早くやっておけば良かった」と感じています。「必要性の感覚」は、やってみる前と後では全く違うものになります。
1-3 「ネットで調べれば分かる」という思い込みの限界
「OB・OG訪問が必要ない理由」として、「インターネットで企業や業界の情報はすでに調べている」という学生は多くいます。確かに今の時代、ネット・SNS・就活サイトには膨大な情報があります。しかし、ネットで得られる情報とOB・OG訪問で得られる情報には、本質的な違いがあります。
ネットの情報は「公開されている情報」であり、「誰かが何らかの意図を持って発信した情報」です。企業のホームページは会社の良い面を伝えるために作られています。就活サイトの先輩インタビューは、採用に有利な内容が選ばれています。SNSの発信は個人の感情・立場・文脈に左右されます。これらの情報を「企業の実態」として鵜呑みにすることには、大きなリスクがあります。一方、OB・OG訪問での対話は「今目の前にいる一人の社会人が、あなたという個人に向けて語る言葉」です。その場の空気・表情・声のトーン・言葉の選び方――こういった情報は、ネットでは絶対に得られません。
「ネットで調べれば十分」という感覚は、「企業を知ること」が就活の目的になっている状態を示しています。しかし就活の本質は「自分に合う仕事・会社・人生を見つけること」です。それを知るためには、「自分がどう感じるか」という感覚を磨く必要があります。その感覚は、生きた人間との対話の中でしか磨かれません。
1-4 「必要性を感じない就活」が生む入社後のリスク
「OB・OG訪問をしなくても内定は取れる」――これは事実です。訪問しなくても選考を通過し、内定を得ることは可能です。しかし、あおラボが就活支援の現場で繰り返し見てきた現実があります。「OB・OG訪問をしなかった学生が、入社後に想定外のギャップを感じて苦しむケース」が、訪問した学生に比べて明らかに多いのです。
「思っていた仕事と全然違った」「この会社の文化が自分に合わない」「なんでこの会社を選んだのか分からなくなった」――これらは入社後の早期離職・モチベーション低下の典型的な原因です。そのほとんどが「就活中に会社・仕事のリアルを十分に確認しなかった」ことから来ています。OB・OG訪問は「入社前にリアルを知る」ための最も効果的な機会です。訪問しないことで「内定」という結果は得られても、「入社後のキャリアの充実」というより大切なものを失うリスクが高まります。
「就活の目標を内定に置くか、入社後のキャリアの充実に置くか」――この問いへの答えが、OB・OG訪問の「必要性の感覚」を変えます。内定が目標なら訪問は必須ではないかもしれません。しかし、入社後に「この仕事・この会社で良かった」と思える選択をすることが目標なら、OB・OG訪問は欠かせないプロセスになります。

Chapter 2 就活を「選ばれること」として捉えている罠
「OB・OG訪問の必要性を感じない」問題の背景にある、もう一つの重要な視点があります。「就活を選ばれることだと思っている」という意識の罠です。この章ではその罠を解き明かし、就活の主語を取り戻す視点をお伝えします。
2-1 「就活=選ばれること」という意識の罠
就活生の多くが、意識的・無意識的に「就活=企業に選ばれること」として捉えています。「どうすれば内定をもらえるか」「企業に評価されるにはどうすればいいか」――こういった問いが就活の中心にある状態では、判断の主語が「企業」になっています。企業の評価基準に合わせることが目的化すると、就活は「自分らしさを表現する場」ではなく「評価基準に適合するための努力」になります。
この状態では、OB・OG訪問の必要性は見えにくくなります。なぜなら、「選ばれること」が目的であれば「企業の求める人材像を研究して、それに合わせること」が最重要になり、「自分に合う会社かどうかを確かめること」は優先順位が下がるからです。「企業に選ばれるための情報収集」としてOB・OG訪問を見ると、「面接の材料になるから」「志望動機の材料にしたいから」という理由(マイナビ調査で38~39%)が主になります。しかしそれだけでは、OB・OG訪問の本質的な価値の半分も使えていません。
「就活の主語を取り戻す」――これがあおラボが就活支援で繰り返し学生に伝えることです。就活は「企業に選ばれるゲーム」ではなく、「自分の就職先を自分で選ぶプロセス」です。主語を自分に戻したとき、「自分がこの会社・仕事を選ぶかどうかを判断するために、何を知る必要があるか」という問いが生まれます。その問いがあって初めて、OB・OG訪問は「必要なもの」として目に映ります。
2-2 「選ぶ側」に立つことで見えてくるもの
「自分が選ぶ側」という意識を持つと、就活の見え方が根本的に変わります。「志望動機をどう書けばいいか」ではなく「自分はこの会社を志望する理由が本当にあるか」という問いになります。「面接でどう答えれば評価されるか」ではなく「面接を通じて自分はこの会社を選ぶかどうかを判断できているか」という問いになります。「内定をもらえたから選ぶ」ではなく「自分の軸で判断した上で選ぶ」という順序になります。
「選ぶ側に立つ」ために必要なのは「判断基準を持つこと」です。「自分はどんな仕事をしたいか」「どんな会社の文化が合っているか」「どんな人と働きたいか」――これらの判断基準を持っている学生は、OB・OG訪問において「確認すべき問い」が自然に浮かびます。一方、判断基準を持っていない学生は「何を聞けばいいか分からない」という状態になります。「選ぶ側に立つ意識」と「判断基準を持つ自己分析」はセットで機能します。
「選ぶ側に立つ」ことは、傲慢になることではありません。謙虚に、誠実に、しかし「自分の人生を自分で決める」という覚悟を持って就活に臨むことです。あおラボが就活支援で出会ってきた学生の中で、「入社後に生き生きと働いている人」に共通しているのは、就活中に「自分で選んだ」という実感を持っていることです。「企業に選ばれた」と感じている人と、「自分で選んだ」と感じている人とでは、同じ会社に入っても働き方への向き合い方が変わります。
2-3 「いい会社に入りたい」という言葉の曖昧さ
「就活の目標は?」と聞かれたとき「いい会社に入りたい」と答える学生は多くいます。しかし「いい会社とは何か」を明確に答えられる学生は、意外に少ないのです。「大手企業」「安定している会社」「給与が高い会社」「知名度がある会社」――こういった言葉で「いい会社」を定義している学生は、外部の評価基準で就活をしています。
あおラボが就活支援の現場で学生に問いかける言葉があります。「10年後の自分が振り返ったとき、『いい会社に入った』と思える会社は、どんな会社ですか?」――この問いに対して「10年後の自分の視点」で考えると、「大手・安定・高給」という答えから少しずれてきます。「自分が成長できた会社」「やりたい仕事ができた会社」「価値観が合う人と働けた会社」「社会や誰かの役に立てた会社」――10年という時間軸で見ると、「いい会社」の定義が変わってくることが多いのです。
「いい会社」の定義が自分の中で曖昧なままだと、OB・OG訪問に行って何を確認すればいいかも分からなくなります。逆に「自分にとってのいい会社の条件」が少しでも見えてくると、「その条件がこの会社に当てはまるかを確かめに行きたい」という動機が生まれます。「いい会社とは何か」を自分なりに考えること――それが就活の質を高める思考の出発点です。
2-4 「就活の主語」を取り戻した学生が変わること
「就活の主語を自分に取り戻した学生」が就活でどう変わるかを、就活支援の経験からお伝えします。まず、エントリーシートの「志望動機」が変わります。「御社の○○という事業に興味があります」という借り物の言葉ではなく、「自分が○○を大切にしているから、それが叶えられるこの会社を選びたい」という自分の言葉になります。面接での受け答えも変わります。「採用担当者を説得しよう」という緊張感から「自分の考えを誠実に伝えよう」という自然体になります。
「就活の主語を取り戻す」ことで、OB・OG訪問の見え方が変わります。「面接対策のために情報収集する場」から「自分がこの会社・仕事を選ぶための判断材料を得る場」になります。同じOB・OG訪問でも、目的が変わると「聞く質問の深さ」が変わります。「この会社の強みは何ですか」という問いより「あなたが今の仕事で最もやりがいを感じる瞬間はいつですか」という問いの方が、自分の判断に直結する情報を引き出せます。
今日から一つだけ実践してほしいことがあります。「自分にとってのいい会社の条件を3つ書き出す」ことです。知名度・給与・安定性ではなく、「10年後の自分が満足できる仕事・会社の条件」を3つ。その3つが、あなたの就活の判断基準の出発点になります。
Chapter 3 自己分析の「浅さ」が必要性を奪う
「OB・OG訪問の必要性を感じない」問題のもう一つの根本原因が、自己分析の浅さです。深い自己分析があってこそ、OB・OG訪問で「何を確認すればいいか」が見えてきます。この章では、自己分析の浅さとは何かを明確にします。
3-1 「ツールの結果=自己分析」という誤解
就活の自己分析で多くの学生が最初に手を伸ばすのが「強み診断ツール」「自己分析アンケート」「MBTI」といったツールです。これらのツールは、自己探索のきっかけとして有用です。しかし、ツールの結果を見て「自己分析が完了した」と思ってしまうことは、大きな落とし穴です。
ツールが出力するのは「傾向」です。「あなたはリーダーシップがある」「あなたは分析型の人間だ」――こういった傾向の言葉は、自分の特性の一側面を示してくれますが、「なぜそうなのか」「どんな場面でそれが発揮されるのか」「それが仕事でどう活きるのか」という深みは、ツールは教えてくれません。この「なぜ・どんな場面で・どう活きるか」という問い返しこそが、本当の自己分析の作業です。「ツールの結果を眺めること」と「自己分析の深さ」の間には、大きな距離があります。
「ツールの結果が出た」と感じている学生に、あおラボが問いかける言葉があります。「その結果に書かれていることが、あなたのどんな経験に現れていますか?」――この問いに具体的なエピソードで答えられるとき、初めてツールの結果が「自己分析の素材」として機能します。ツールは入口であり、ゴールではありません。
3-2 「表面の強み」と「根っこの価値観」の違い
自己分析の浅さの典型は、「表面の強み」を見つけることで止まってしまうことです。「私の強みはコミュニケーション力です」「私は粘り強い性格です」――これらは「表面の強み」の言語化です。就活では当然必要ですが、これだけでは自己分析は半分も終わっていません。
「根っこの価値観」とは、「なぜその強みが発揮されるのか」「何のためにその行動をとるのか」「どんな場面で充実感を感じるのか」という問いへの答えです。「コミュニケーション力があるのは、相手の気持ちを理解して役に立ちたいという気持ちが強いから」「粘り強いのは、自分が信じた目標を諦めたくないという強い意志があるから」――このように「表面の強み」の背後にある「根っこの価値観」を言語化することが、深い自己分析です。
「根っこの価値観」が見えると、OB・OG訪問で聞くべきことが変わります。「コミュニケーション力を発揮できる仕事か」という問いより「相手の役に立てる場面がどのくらいあるか」という問いになります。「粘り強く取り組める環境か」という問いより「目標に向かって長期的に取り組める文化があるか」という問いになります。自己分析の深さが、OB・OG訪問の問いの深さを決めます。
3-3 「仕事観」にまで自己分析を深める
自己分析をさらに深めていくと、「仕事観」という領域に辿り着きます。仕事観とは「自分にとって仕事とは何か・仕事を通じて何を実現したいか」という問いへの答えです。「生活のためにする必要なもの」「自己実現の場」「社会貢献の手段」「人との繋がりを作るもの」――人によって仕事観は様々です。
「仕事観」まで自己分析が深まっている学生は、OB・OG訪問で「あなたにとって仕事とは何ですか」という問いを社会人にぶつけることができます。その問いへの回答が自分の仕事観と近いかどうか――それが「この会社の人たちと同じ気持ちで仕事ができるか」を判断する材料になります。企業のパンフレットには絶対に書かれていない「その会社で働く人の仕事観」を確かめることが、会社選びの本質的な判断につながります。
キャリアコンサルタントとして、多くの学生の就活・その後のキャリアを見てきた経験から断言できることがあります。「仕事観が明確な学生」は、入社後のキャリアの充実度が高い傾向があります。「仕事は生活のためのもの」という仕事観の学生が「仕事を通じた自己実現」を重視する会社に入ると、文化的なミスマッチが生まれやすい。逆に「仕事観が近い会社」に入った学生は、多少の困難があっても「この仕事・この会社でやっていきたい」という意志が続きやすいのです。
3-4 「仕事観」の先にある「人生観」
自己分析の最も深い層に辿り着くと、「人生観」という問いに出会います。「自分はこの二度とない人生をどのように生きたいか」――この問いへの答えを、就活の段階で完全に言語化できる学生はほとんどいません。それは当然のことです。人生経験が限られている学生が、人生観を完全に言語化できなくて当たり前です。
しかし、あおラボが伝えたいのは「完全に言語化できなくても、うっすらとでも問い続けること」の大切さです。「こんな生き方をしたい」「こんな形で他者や社会の役に立ちたい」「こんな人でありたい」という感覚を、就活の中で言葉にしようとすること――その姿勢が、就活の質を根本から変えます。「内定を得ること」よりも「自分の人生にとって意味のある選択をすること」を目的にした就活は、後になって振り返ったとき「あの就活をしておいて良かった」という確信に変わります。
「人生観まで考えるのは大げさすぎる」と感じる方もいるかもしれません。しかし就活は、多くの人にとって「人生で最初の本格的な職業選択」です。その選択が、その後の数十年のキャリア・生活・人間関係に影響します。就活の場で「人生観」を問い始めることは、大げさどころか、本来それだけの重みを持つ選択に向き合うための必要な行為です。

Chapter 4 「問いを持つ」ことが就活を変える
「必要性を感じない」の本質が見えてきた今、では実際にどう変わればいいのか。この章では「問いを持つ就活」への具体的な転換の方法をお伝えします。
4-1 「問い」を持つ就活と「答え」を探す就活の違い
多くの就活生が「就活の正解(答え)を探す」状態で活動しています。「どんな志望動機を書けば通るか」「面接でどう答えれば評価されるか」「どの会社が自分に合うランキングを教えてほしい」――これらはすべて「答え」を求める問いです。
一方、「問いを持つ就活」とは「自分はどんな仕事をしたいのか」「この会社は自分の価値観に合っているか」「この仕事を10年続けた先に、なりたい自分があるか」――こういった「問い」を持ちながら活動することです。「答え」を探す就活は「正解に向かって走る」感覚ですが、「問いを持つ就活」は「自分の地図を作りながら進む」感覚です。どちらが自分の人生にとって価値ある就活かは、言うまでもありません。
「問いを持つ就活」を始めるためのシンプルな方法があります。今日から就活ノートを一冊用意して、「自分が就活で確かめたいこと」を書き出す習慣を始めてください。「この業界の仕事は本当にやりがいがあるのか」「この会社の文化は自分に合うか」「社員は10年後にどんな姿になっているか」――こういった問いを書き出すことが、OB・OG訪問への「必要性の感覚」を自然に育てます。
4-2 「自分ごとの就活」に変わる瞬間
就活支援の現場で、「就活が急に自分ごとになった瞬間」を学生から聞くことがあります。その多くが「誰か特定の社会人の話を聞いた瞬間」です。「OB・OG訪問でその社員の話を聞いて、急に『この仕事が自分に向いているかどうか』を真剣に考えるようになった」「インターンシップで一人の先輩社員と深く話して、『自分はどんな社会人になりたいか』を初めて本気で考えた」――こういった声を、キャリアコンサルタントとして数多く聞いてきました。
「自分ごとの就活」に変わるためには、「情報収集」ではなく「人との出会い」が必要です。ネットの情報をいくら集めても「自分ごと」にはなりにくい。しかし、一人の社会人の言葉が「自分の問い」に火をつけることがあります。OB・OG訪問の本質的な価値は、「情報」を得ることではなく「自分ごとの問いに火をつけてくれる出会い」を得ることです。
「自分ごとの就活」に変わると、エントリーシートを書くのも面接に臨むのも、「やらされ感」から「やりたいこと」に変わります。「就活が楽しくなった」という学生の多くが、この転換を経験しています。今日の記事を読んだあなたに、「自分ごとの就活」への入口が少し見えてきたなら、その感覚を大切にしてください。
4-3 低学年が「問い」を育てるための習慣
低学年の学生にとって、「就活の問いを育てる習慣」を今から持つことは、将来の就活の質を大きく変えます。「問い」は一日で育つものではなく、日々の経験・読書・対話・振り返りの積み重ねの中でゆっくり育まれるものです。
低学年が「問い」を育てるための具体的な習慣として、あおラボがすすめるものが三つあります。一つ目は「社会人の話を聞く習慣」――親の知人・大学のOB・アルバイト先の先輩に「仕事のことを教えてください」と話を聞く機会を月に1回でも作ること。二つ目は「読む習慣」――ビジネス書・伝記・キャリアに関する本を読みながら「自分だったらどう考えるか」を問い返すこと。三つ目は「書く習慣」――その日の経験や学びから「自分はどう感じたか・なぜそう感じたか」を短くでもノートに書くこと。この三つが、就活の問いを育てる土台を作ります。
低学年のうちから「問いを育てる習慣」を持っている学生は、3年生になって就活が始まったとき「何を確かめたいか」が自然に見えています。そのため「OB・OG訪問に何を聞きに行けばいいか分からない」という状態には陥りにくい。今日から「一つの問い」を持ち始めることが、豊かな就活への準備の始まりです。
4-4 「必要性を感じなかった自分」への問い返し
今日の記事を読み終えた今、「OB・OG訪問が必要ないと感じていた自分」を振り返ってみてください。その感覚は今も変わらないでしょうか。もし「少し必要性を感じてきた」と思えるなら、それは「就活の問いが一つ育った瞬間」です。
「必要性を感じなかった」のは、情報が足りなかったからでも、意欲がなかったからでもありません。「自分の就活の問い」がまだ育っていなかっただけです。問いは今日から育てられます。「自分にとってのいい会社とは何か」「どんな仕事に自分は意味を感じるか」「10年後になりたい自分はどんな姿か」――これらの問いを一つでも持ち始めることが、OB・OG訪問への「必要性の感覚」を育てます。
明日のDay3では、「自己分析の質の深さ」をさらに掘り下げます。「テストの結果が自己分析だと思っていませんか?」というテーマで、本当の自己分析が就活と人生をどう変えるかをお伝えします。今日生まれた「問い」を大切に持ったまま、明日の記事を読んでください。
今日のまとめ
「OB・OG訪問の必要性を感じない」という感覚の背景には、「就活の問いがまだ育っていないこと」と「就活を選ばれることとして捉えていること」という二つの本質的な問題が潜んでいます。自己分析の深さが「問い」を生み、問いがOB・OG訪問の必要性を育てます。「自分にとってのいい会社の条件を3つ書き出す」という小さな一歩から、就活の主語を取り戻してください。
「自分ごとの就活」への転換を、あおラボはいつも全力で応援しています。