2つにまたがる人の、強み

1つに決まらないのは、良いことです

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就職活動の支援をおこなっている【あおラボ】です。

昨日、自分の型を3文字で書いてもらった。TCL型、CLT型、LTC型。順番は決まっただろうか。

ところで、「1番と2番の数がほとんど同じで、順番がつけられなかった」という人もいると思う。じつは、こういう人がいちばん多い。

今日は、そこを扱いたい。結論から言えば、またがっているのは良いことだ。しかも、またがり方そのものが強みになる。今日は、組み合わせごとの読み方を書いていく。

Chapter 9 なぜ、またがる人が多いのか

まずは、またがることの意味を考えたい。これは例外ではなく、むしろ自然な状態である。この章では、その理由を4つに分けて確かめていく。

9-1 仕事は、1つの力では進まない

考えてみれば、当然のことなのだ。仕事は、1つの力だけでは完結しない。

企画を立てる仕事を、工程ごとに分けてみたい。はじめに、売れている商品や他社の動きを調べて、筋道を立てる。これはTだ。次に、その案を上司や関係部署に説明して、納得してもらう。ここはCになる。そして、誰がいつ何をするかを決めて、関係者を動かす。これはLだ。1つの仕事の中に、3つすべてが順番に入っている。つまり、何かをやり遂げた経験からは、複数の区分の動詞が出てくるのが自然ということになる。逆に、1つの区分しか出てこない場合は、経験の幅がまだ狭いのかもしれない。またがるのは、きちんと経験を積んできた証拠でもある。

またがっていることを、心配しないでほしい。経験のある人ほど、またがるものだ。

9-2 組み合わせのほうが、像がはっきりする

もう1つ、実用的な利点がある。組み合わせると、人物像が具体的になる。

「Tが強い人」だけでは、まだぼんやりしている。考えるのが得意な人は、世の中にたくさんいる。けれど「考えたことを、人に伝えられる人」なら、像がぐっと具体的になる。さらに「考えたことを人に伝えて、進める方向まで決められる人」なら、もっと具体的だ。仮に大学に1,000人の学生がいるとして、Tが強い人は300人いるかもしれない。けれど「伝えられるTの人」なら、50人に減る。つまり、組み合わせは絞りこみになっている。昨日、尖っているほうが記憶に残ると書いた。組み合わせは、尖りを削るものではない。尖りの形をはっきりさせるものだと考えてほしい。

組み合わせで、自分を説明してみてほしい。単独より、ずっと具体的な像になる。

9-3 どちらが主で、どちらが従かを見る

ただし、並んでいるからといって、対等に扱う必要はない。主と従を決めると、使いやすくなる。

決め方は2つある。1つは、昨日お伝えした印の位置を見る方法だ。もう1つは、場面を思い出す方法になる。うまくいった経験を1つ選んで、そのときどちらの動きから入ったかを考える。たとえば後輩の指導なら、まず教え方を組み立ててから話し始めたのか、それともまず相手の困りごとを聞いてから整理したのか。前者はTが主で、後者はCが主になる。入り口に出てくる力のほうが、主になりやすい。この主従がわかると、語るときの順番も自然に決まる。主を先に言い、従をあとに添える形だ。

主と従を、仮に決めてみてほしい。語るときの順番が、そのまま決まってくる。

9-4 3つとも同じくらいの人へ

まれに、3つがほぼ同数という人もいる。この場合の読み方も書いておきたい。

まず、材料の数を確かめてほしい。50個に届いていない場合、散らばって見えているだけかもしれない。昨日も触れたが、数が増えると偏りが現れることが多い。30個で均等だった人が、50個まで増やしたらTが明らかに多かった、という例もある。十分な数があってなお均等なら、別の見方をする。印のついた動詞だけを取り出して、そこで数え直してほしい。質の高い材料だけに絞ると、偏りが出てくることがある。それでも均等なら、場面に応じて使い分けられる人という読み方になる。これは、人と人をつなぐ役割で活きる力だ。

3つとも同じなら、印のついたものだけで数え直してほしい。絞ると、傾向が出てくる。

Chapter 10 組み合わせ別に、読んでみる

ここから、具体的な読み方に入りたい。この章では、3つの組み合わせそれぞれについて、どういう力なのか、どこで活きるのかを書いていく。自分の組み合わせを探してほしい。

10-1 TC型は、考えたことを伝えられる

Tが強く、Cも並んでいる人。これは、調べて整理したことを人に伝えられる型になる。

学生では、わりと多い組み合わせだ。「調べる」「まとめる」と「説明する」「教える」が両方出てくる。この型の強みは、難しいことを相手に合わせて言い直せることにある。専門用語を使わずに、相手が知っている言葉に置き換えられる。これは、思っているよりずっと価値がある力だ。活きる場面も幅広い。企画、商品開発、広報、研修、営業の提案、医療や福祉での説明場面、教育。どれも、情報を扱ってから人に届ける仕事になる。扱う内容が変わっても、同じ型で対応できる。

TC型なら、伝える相手がいる仕事を探してほしい。調べるだけで終わらない仕事がいい。

10-2 CL型は、人を巻きこんで進められる

Cが強く、Lも並んでいる人。これは、人と関わりながら物事を進める型になる。

「話す」「聞く」「励ます」と「決める」「段取りする」「巻きこむ」が両方出てくる。この型の強みは、人が自然とついてくることだ。指示で動かすのではなく、関係をつくりながら進められる。学生時代に、サークルや行事の中心にいた人は、この型が多い。本人は「たまたま役が回ってきた」と思っているが、回ってきたこと自体が周囲の判断である。活きる場面は、人が複数いて何かを動かすところだ。店舗の運営、イベントの企画運営、人事、プロジェクトの推進、福祉や教育の現場が当てはまる。

CL型なら、人が複数いる現場を探してほしい。関係をつくって動かす場面で活きる。

10-3 TL型は、筋道を立てて決められる

Tが強く、Lも並んでいる人。これは、考えたうえで判断する型になる。少し珍しい組み合わせだ。

「調べる」「分析する」「比べる」と「決める」「選ぶ」「方向を示す」が両方出てくる。Cが相対的に少ないので、人前に立つことは好まないかもしれない。けれど、判断の質は高い。活きる場面は、分析して意思決定する仕事だ。具体的には、商品の仕入れを決める仕事、お金を貸すかどうかを判断する仕事、品質の基準を決める仕事が当てはまる。どれも、調べたうえで決める必要がある。学生時代、目立たないけれど要所を決めていた人がこの型にあたる。人前に出なくても、決めていたなら立派なLだ。

TL型なら、判断に関わる仕事を探してほしい。人前に立つ必要は、必ずしもない。

10-4 自分の組み合わせを、1行にする

3つの型を見てきた。最後に、自分の言葉にする作業をしておきたい。

形は決まっている。「私は、○○して、○○できる人です」。前半に主、後半に従を入れる。型ごとに文例を挙げておく。TC型なら「私は、調べて整理したことを、相手に合わせて伝えられる人です」。CL型なら「私は、人と関係をつくりながら、物事を前に進められる人です」。TL型なら「私は、筋道を立てて考えたうえで、決められる人です」。この3つのどれかに、自分の動詞を入れ替えて使えばいい。「調べて」を「掘り下げて」に変えるだけでも、だいぶ自分に近づく。この1行が、金曜日に仕上げる型の下書きになる。今日の時点では、仮で構わない。

自分の組み合わせを、1行で書いてほしい。前半に主、後半に従を置けばいい。

Chapter 11 組み合わせを、どう語るか

型がわかったら、次は伝え方だ。組み合わせは、語り方にもコツがある。この章では、ESや面接で使うときの注意点を4つに分けて書いておきたい。

11-1 2つを並べると、ぼやける

よくある失敗から書いておきたい。2つを対等に並べると、かえって伝わらなくなる。

「私の強みは、論理的に考える力と、人と関わる力です」。こう言われると、聞いている側は困る。強みが2つあると言われても、どちらで勝負する人なのかがわからないからだ。しかも、2つ挙げると、どちらも浅く聞こえてしまう。だから、並べない。片方を主に置いて、もう片方はそれを支えるものとして説明する。「調べて整理するのが得意です。しかも、それを相手に合わせて伝えられます」。この形なら、1つの強みとして届く。言っている内容は同じなのに、受け取り方がまるで違う。

2つを並べず、主従をつけて語ってほしい。1つの強みとして伝わる形にしよう。

11-2 つながりを、経験で示す

主従をつけたら、次はつながりを見せたい。ここで経験が必要になる。

「調べて整理したことを、相手に合わせて伝えられる」と言うなら、その両方が出ている場面を1つ選ぶ。ゼミの発表を例にしてみたい。資料を集めて構成を組み立てたところが、Tの部分だ。発表のときに、専門外の学生にもわかる言葉へ言い換えたところが、Cの部分になる。1つの場面の中に、両方が入っている。こういう経験を選ぶと、説明が短くて済む。逆に、別々の経験を2つ出すと話が長くなり、つながりも見えにくくなってしまう。選ぶ基準は、両方が同時に出ているかどうかだ。先週の50個を見れば、同じ場面から出た動詞が並んでいるはずだ。

両方が出ている場面を、1つ選んでほしい。1つの経験で説明できると、話が締まる。

11-3 8月に扱った型を、使う

語るときの形は、すでにお伝えしている。8月の連載で扱った型だ。

事実に、意図と変化を足す。この形で組み立てる。文にするとこうなる。「専門外の人にも伝わる発表にしたくて、資料の構成を組み直し、専門用語を言い換えた。結果として、他分野の学生からも質問が出るようになった」。この短い文の中に、意図と行動と変化が入っている。しかもTとCの両方が自然に含まれている。この形で書くと、過程が見えるので深掘りにも耐えられる。先週書いたとおり、企業が見ているのは成果の大きさではなく過程だ。組み合わせの型は、この形でいちばんうまく伝わる。逆に、強みだけを言って経験を添えないと、面接官は確かめる材料を持てない。

意図、事実、変化の順で書いてほしい。組み合わせは、この形で自然に伝わる。

11-4 組み合わせは、志望動機にもつながる

最後に、来週につながる話をしておきたい。組み合わせは、企業選びの条件そのものになる。

型ごとに、条件が違ってくる。TC型なら「調べる時間と、伝える相手の両方がある仕事」が条件になる。CL型なら「人が複数いて、自分で進め方を決められる環境」だ。TL型なら「分析したことが、そのまま判断につながる仕事」になる。この条件が、そのまま志望動機の骨格になる。先週書いたとおり、順番は自分が先で企業が後だ。条件が決まれば、「御社はこの条件が揃っている」と言える。来週の月曜に、この条件づくりを正面から扱う予定だ。今日の時点では、条件を2つ挙げておくだけで十分だ。

自分の条件を、2つ書き出してほしい。来週の企業選びで、そのまま使うことになる。

Chapter 12 今日の作業と、明日の予告

最後に、今日やってほしいことをお伝えする。今日の作業は、金曜日の仕上げに直接つながっていく。

12-1 主と従を、決めてしまう

今日のいちばん大事な作業は、主従を決めることだ。仮でいいので、決めてほしい。

決め方は、さきほどお伝えした2つを使う。印の位置を見る。あるいは、うまくいった経験でどちらの動きから入ったかを思い出す。それでも決まらない場合がある。そのときは、「どちらを仕事にしたいか」で選んでいい。これは数字ではなく意思の話になるが、それでも構わない。自己分析は、事実を確認する作業だけではなく、自分で選ぶ作業でもあるからだ。決めてしまえば、そこから先が進む。迷ったままでは、金曜日に一行を仕上げられなくなってしまう。実際、ここで決められずに止まる学生がいちばん多い。

今日、主従を決めてしまってほしい。仮でいい。決めることで、前に進める。

12-2 1行の下書きを、書いておく

次に、組み合わせの1行を書いてほしい。これも仮でいい。

「私は、○○して、○○できる人です」。この形に当てはめるだけだ。書いてみると、しっくりこないことがある。それは良い兆しだ。しっくりこない理由を考えると、言葉が正確になっていく。たとえば「伝える」と書いたが、よく考えると「教える」のほうが近いかもしれない。「決める」より「段取りする」が合うかもしれない。動詞を入れ替えてみてほしい。先週書き出した50個の中から、しっくりくるものを探せばいい。印がついている動詞から選ぶと、外れにくい。金曜日に、この1行を仕上げることになる。

1行の下書きを、今日書いておいてほしい。しっくりこなければ、動詞を入れ替えよう。

12-3 両方が出ている経験を、1つ選ぶ

3つ目の作業は、経験を選ぶことだ。主と従の両方が出ている場面を、1つ見つけてほしい。

先月から書きためた材料を見返すと、候補が出てくるはずだ。1つの出来事の中に、両方の動きが入っているものを探す。たとえば、アルバイトで新人の指導を任された経験。手順を整理したところがTで、相手に合わせて教えたところがCになる。あるいは、サークルの行事をまとめた経験。段取りを組んだところがLで、メンバーに声をかけたところがCだ。どちらも、1つの場面に2つの動きが入っている。候補が複数あれば、いちばん具体的に話せるものを選んでほしい。細部まで思い出せるものほど、深掘りに強くなる。

両方が出ている経験を、1つ選んでほしい。これが、ESと面接の中心になる。

12-4 明日は、量と質のずれを扱う

最後に、明日の予告をしておきたい。明日は、数字だけでは見えない部分を扱う。

これまで数を頼りに進めてきたが、数がいちばん多い区分が、必ずしも自分の中心とは限らない。昨日と今日、印の位置を見てもらったのはそのためだ。明日は、この量と質のずれを正面から扱う。ずれる原因は4つある。そのうえで、どちらを信じればいいのかを書いていく。あわせて、数には出にくい強みも取り上げる予定だ。たとえば「続ける力」は動詞になりにくいので、書き出しの段階で落ちてしまう。こうした見落としを拾う回になる。同じアルバイトを2年半続けた、という事実そのものが強みになる場合もある。

今日の3つを終えておいてほしい。明日は、昨日から感じていた違和感に答える回になる。

今日のまとめ

T・C・Lのうち2つが並ぶのは、例外ではなく自然な状態だ。企画の仕事を分解すると、調べる、説明する、決めるが順番に出てくる。何かをやり遂げた経験からは、複数の区分の動詞が出るのが当然である。

しかも、組み合わせると人物像がはっきりする。条件を重ねるほど、当てはまる人数は絞られていく。組み合わせは、尖りを削るのではなく、尖りの形をはっきりさせるものだ。

主と従は、入り方で決められる。後輩の指導なら、教え方を組み立ててから話したのか、相手の困りごとを聞いてから整理したのか。入り口に出てくる力のほうが主になりやすい。

語るときは、2つを対等に並べない。片方を主に置き、もう片方で支える。そして両方が出ている場面を1つ選んで、意図・事実・変化の順で説明する。言う内容が同じでも、受け取り方が変わる。

今日の作業は3つ。主従を決める。1行の下書きを書く。両方が出ている経験を1つ選ぶ。決まらないときは、どちらを仕事にしたいかで選んでいい。

明日は、数がいちばん多い区分が中心とは限らない、という話をする。数に出にくい強みも拾っていく。一緒に見ていこう。

組み合わせは、迷いの印ではなく、あなたの輪郭そのものだと、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。

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