25年卒を対象とした企業の採用充足率が厳しい数字になっていることがマイナビの調査で明らかになりました。調査によると、25年卒予定者を対象とした採用充足率は過去10年で最低でした。また、26年卒の採用に関しても非常に厳しい見通しと捉えていることがわかりました。
24年9月から10月にかけて実施した本調査によると、25年卒を対象とした、募集人数に対する内定者数の比率(=採用充足率)は70.0%と過去10年で最低となりました。
直近4年間の推移を見ると、22年卒83.6%、23年卒81.3%、24年卒75.8%と減少が続き、25年卒は前年比5.8pt減の70.0%でした。減少傾向に歯止めがかからない状況が明らかです。
内定者満足度に関しても「質・量ともに満足」の廣津が減少傾向で、25年卒は22.5%と、24年卒の数値をわずかに増えたものの、求める人材の採用が厳しい状況が伺えます。
26年卒対象採用は
26年卒の採用数については、15.7%の企業が「増やす」、72.6%の企業が「今年並み」と回答していました。22年卒から25年卒までは、「増やす」と回答する企業増加傾向でしたが、26年卒は前年比2.6pt減となります。
計画通りの人材が確保できない状況が続いているためか、26年卒の採用スケジュールについては、42.8%の企業が「25年卒よりも早める」と回答していました。
情報に踊らされるようなことはいけませんが、今回の調査についてはほぼ予想されていた通りの結果となっていました。そのことを考えますと、26年卒予定の皆さんにおかれましては、早めの稼働ができるように就活スケジュールを整えておくことがいいでしょう。
また、今回の調査では今年4月に入社した新入社員の退職状況についても示されていました。それによると、28.1%の企業が24年新卒入社社員ですでに退職者がいると回答をしていました。
退職した社員の割合で最も多いのは、「1割未満」で18.9%でした。入社後半年で1割以上の退職者がいる企業もあるようです。
退職理由については個々さまざまであるでしょうが、その根っこのところに共通したものがあると以前もお伝えしたことがあります。
転職することが当たり前の時代といわれていますが、転職を目的にしてはいけません。自分のキャリア形成について就活前からしっかり向き合っておけば、大抵の場合は、入社した企業でキャリアのベースをしっかり形成することができるものです。個人的にはこのベース形成には5~6年は必要と考えています。このベースが構築した上での転職であるなら、その後のキャリア形成もスムーズに運ぶと考えています。しかし、職に就いて2~3年、ましてや半年で退職となると、厳しい表現ですが就活そのものに課題があったと考えたほうが、その後の動きに良い影響を与えると思います。
26年卒のみなさんが、入社2~3年で退職するようなことのないように、自己分析と志望企業選びを丁寧に取り組むことを強く推奨します。