就職活動において、多くの企業がエントリーシート(ES)や面接で問う「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」。
しかし、この質問に対して「特に誇れる経験がない…」と悩む学生も多いのではないでしょうか?
実際に、多くの学生と接してきた経験から、ガクチカが思い浮かばない理由の多くは「表面的に考えすぎていること」にあると感じます。
では、企業はこの質問を通して何を知りたいのか? 本記事では、企業がガクチカから評価している5つのポイントを詳しく解説し、その後、自分自身の経験を掘り下げ、整理する方法を紹介します。
キラキラした経験でなくても問題ありません。大切なのは、「何を考え、どう行動し、何を学んだのか」のストーリーです。
この記事を読めば、自信を持って自分のガクチカを語れるようになるはずです!
企業は「学生時代に力を入れたこと」から何を見ているのか?5つのポイント
ガクチカは、ただ「頑張ったこと」を話す場ではなく、企業があなたの人柄や強みを知るための質問です。
企業が特に注目しているのは、以下の5つのポイントです。
① 物事に取り組む姿勢と主体性
企業は、学生時代の経験から「どのように目標を立て、どのように行動したか」を見ています。
たとえば、ゼミ活動でリーダーを務めた経験があれば、「なぜその役割を担ったのか」「どう工夫したのか」を掘り下げてみましょう。
単に「頑張った」という事実ではなく、自分がどのように関与し、どんな影響を与えたのかが重要です。
✅ 良い例:「チームの議論がまとまらず、効率的に進めるためにファシリテーター役を買って出た」
❌ 悪い例:「ゼミのリーダーとして活動した」→ 具体的な行動が見えないため、評価が難しい
② 課題解決能力(困難への向き合い方)
企業は、仕事をする上で「課題が発生した時にどう対処するか」を重視します。
ガクチカを話す際は、「順調に進んだ話」よりも、「どう困難を乗り越えたか」の部分に焦点を当てましょう。
たとえば、アルバイトで売上を上げるために取り組んだ工夫や、部活でのスランプを克服した方法など、課題に直面した時の行動が見えるストーリーが評価されます。
✅ 良い例:「お客様のリピート率を上げるために、接客のマニュアルを見直し、結果として売上が10%向上した」
❌ 悪い例:「アルバイトを3年間続けた」→ 努力や工夫が見えないため、印象に残りにくい
③ コミュニケーション能力(チームでの関わり方)
ほとんどの仕事はチームで進めるものです。
そのため、企業はガクチカを通じて「他者との関わり方や、協調性・リーダーシップがあるか」をチェックしています。
✅ 良い例:「サークルの運営で、メンバー間の意見の食い違いを調整し、円滑な活動を実現した」
❌ 悪い例:「サークルに参加していた」→ 具体的な関わり方がわからず、アピールにならない
④ 成長意欲と学びの姿勢
企業は「成長できる人材」を求めています。そのため、ガクチカのエピソードから「何を学んだか」が重要になります。
✅ 良い例:「文化祭の実行委員として、チームをまとめる難しさを経験し、リーダーシップの大切さを学んだ」
❌ 悪い例:「文化祭の実行委員を務めた」→ 経験しただけでは成長が伝わらない
⑤ 結果よりもプロセスが評価される
ガクチカでは「結果」も大切ですが、それ以上に**「どう考え、どう行動し、どんなプロセスを経たか」**が評価されます。
成功体験だけでなく、失敗した経験も「そこから何を学んだか」によっては高く評価されます。
✅ 良い例:「プレゼン大会で優勝は逃したが、準備の過程でチームの結束が強まり、自分のプレゼン力も向上した」
❌ 悪い例:「プレゼン大会で優勝できなかった」→ 失敗しただけで終わってしまう
自分の「ガクチカ」を見つける方法と整理の仕方
「ガクチカがない」と思っている人の多くは、「すごい経験が必要」と考えすぎています。
しかし、企業が見ているのは「何をやったか」よりも「どう考え、どう行動し、何を学んだのか」というプロセスです。
ここでは、自分のガクチカを見つけ、整理するための3ステップを詳しく解説します。
1. 「頑張ったこと」をできるだけ多くリストアップする
まずは、「自分が学生時代に力を入れたこと」を思い出し、ジャンルを問わず書き出してみましょう。
よくあるガクチカの例
✅ 学業(ゼミ・卒論・研究・資格取得)
✅ アルバイト(接客・リーダー経験・売上向上への貢献)
✅ サークル活動(大会出場・運営・企画・新歓)
✅ ボランティア活動(地域貢献・イベント運営・支援活動)
✅ 趣味・個人活動(SNS運用・動画制作・ブログ・資格勉強)
ポイントは、「すごい経験」ではなく「継続して努力したこと」を選ぶこと。
✅ 良い例:「週3回のアルバイトで接客を工夫し、常連客を増やした」
❌ 悪い例:「アルバイトを続けた」→ 具体的な努力や成長が見えない
また、「なぜそれを頑張ったのか?」「どんな結果を得たのか?」という視点も忘れずに考えてみましょう。
2. 「なぜ?」を繰り返し、深掘りする
書き出したリストの中から、「これなら話せそう!」と思うものを3~5個選びます。
次に、その出来事について「なぜ?」を繰り返し、自分の行動を深掘りしていきます。
たとえば、以下のような流れで考えてみましょう。
例:「ゼミでプレゼンを頑張った」
① なぜ頑張ったのか?
→ 以前の発表で上手く話せず、悔しかったから
② どんな工夫をしたのか?
→ 事前に友人に聞いてもらい、フィードバックをもらった
③ 結果はどうなったのか?
→ 本番では自信を持って発表でき、先生からも「成長したね」と評価された
④ そこから何を学んだのか?
→ 努力次第で自分の弱点を克服できると実感した
このように「なぜ?を繰り返すことで、エピソードの深みが増し、企業が知りたいあなたの思考や行動が明確になります」。
3. 企業が見ているポイントに沿って整理する
最後に、前述した企業が重視する5つのポイントに当てはめて、整理してみましょう。
具体的には、以下の流れで文章を組み立てると分かりやすくなります。
【ガクチカの構成テンプレート】
✅① 何に力を入れたか(結論)
✅② なぜそれに取り組んだのか(動機)
✅③ どんな工夫をしたのか(過程・困難と対処)
✅④ どのような結果が得られたか(成果・変化)
✅⑤ そこから何を学んだのか(成長・仕事への活かし方)
例文:「アルバイトの接客改善」
✅① 何に力を入れたか(結論)
私は、カフェのアルバイトで接客スキル向上に力を入れました。
✅② なぜそれに取り組んだのか(動機)
最初はマニュアル通りに対応していましたが、常連のお客様が少ないことに気づき、「自分の接客で変えられないか」と思ったのがきっかけです。
✅③ どんな工夫をしたのか(過程・困難と対処)
お客様一人ひとりの好みを覚え、積極的に話しかけるようにしました。また、他のスタッフとも情報共有し、お客様の居心地を良くする工夫をしました。
✅④ どのような結果が得られたか(成果・変化)
その結果、常連のお客様が増え、売上も前年同月比で10%向上しました。店長からも「接客の改善が影響した」と評価されました。
✅⑤ そこから何を学んだのか(成長・仕事への活かし方)
この経験を通じて、「小さな工夫の積み重ねが大きな成果につながる」と学びました。入社後も、常に改善の視点を持って取り組みたいと考えています。
このように、ポイントを押さえて整理することで、具体的で説得力のあるガクチカが完成します。
まとめ:ガクチカは「自分らしさ」を伝えるチャンス!
「ガクチカがない」と悩む人ほど、表面的に考えすぎています。
大切なのは、「何を考え、どう行動し、何を学んだのか」を伝えること。
自分にしかない経験を、堂々とアピールしましょう!
就職活動は、自分自身の可能性を知る貴重な機会です。焦らずじっくり向き合い、自信を持って面接に臨んでください!