活動前に整える

就活生の心情として、「安定した企業に入社したい」という思いが先に立ってしまうことはわからないでもないのですが、卒業後の就職先や最初の上司がどんな人物だったということは、長い職業人人生にとって大きな影響を及ぼすものです。特に最初の上司の人間力やその方との関係性で職業人としての土台となるものに大きな影響を喰らってしまうものなのです。それだけではなく、厄介なことは後から改善することが難しいもので、悪いクセや習慣を身につけてしまうようなものなのです。

だからこそ就活の際に第一志望群を選び、最終的に就職先を選択する際には慎重になるのですが、本来はその時点ではなく、最初の段階で自分をどれだけ理解しているか、気になる企業とのフィット(マッチ)具合をちゃんと丁寧に確認したかが重要になるのです。

就職先を会社名やブランドで決めるのではなく、仕事内容と自分とのフィットを確認するからこそ、納得して就活を終えることができるのだと思うのですが、いかがでしょうか。

もちろん先が不透明な時代だからこそ、安定を求めることが悪いことではありませんが、選択の基準として最優先すべきことはそこではないと思うのです。

そうは言っても「売り手優位の市場だから大丈夫だろう」と人気企業ランキングに並ぶ大手企業に絞り就活を進める先には危険があることを理解しておきたいのです。

直近2年間の求人倍率は1.5倍であったコロナ禍よりも改善されコロナ禍以前の求人倍率と同様の水準に戻っています。しかし、注目してほしいのは大企業が多い従業員5000人以上の企業の求人倍率なのです。大企業が多い従業員5,000人以上の企業の求人倍率を見ると、全体では求人倍率は高くなっているものの、従業員5,000人以上の企業の求人倍率は維持もしくは低くなっている傾向が見られます。

全体の数字だけで、「大企業に入社できる機会がありそう」と甘く考えて就活に臨むと思うような結果が得られず、就活が長期化してしまう恐れがあるのです。もちろん学生によりますが、「就活は甘くない」という心構えで事前準備を丁寧にかつ確実に積んで欲しいと思います。何かに取り組む前のマインドセットを疎かにすることが後悔をつくり根源かもしれません。くれぐれもお気お付けください。

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