地元就職という選択肢

コロナ禍から企業の採用に変化が起きたのと同様に、学生の就活にもさまざまな変化が起きました。中でも地元就職やU・Iターン就職が就活のオプションとして確立してきたように思います。

新卒採用・就職活動のどちらにもNew Normalを踏まえた思考と行動に配慮することが求められる時代になったと思います。

23年卒~26年卒学生を対象として調査された、地方就職を希望するが癖の割合、地方就職を希望する理由、地方企業の面接を受ける際の行動などのデータが公表されました。

調査概要は以下の通りです。

調査対象者:23・24・25・26卒大学生

調査母数:13,724名(文系学生12,231名、理系学生1,493名)

回答数:913名(23卒270名、24卒432名、25卒159名、26卒52名)

調査機関:2022年7月11日~2022年7月18日

Q:就職先として地方企業への就職を考えていますか?

地方企業への就職を第一志望としている学生は14.5%、第一希望ではないが就職先の候補として検討している学生は38.2%、合計で52.7%の学生が何らかの形で地方企業への就職を考えていることが分かりました。

一方で、半数近い47.3%の学生は、「地方企業への就職は考えていない」と回答してします。

Q:Uターン、Iターンのどちらを希望していますか?

回答が最も多かったのは、「Uターン、Iターンのどちらも視野に入れている」42.0%、「Uターンを希望している」20.6%といった結果で、「Iターンを希望している」16.0%を上回りました。また、出身地域の大学に進学し、出身地域の企業に就職する「地元就職」を希望している学生は21.4%となりました。

地方就職の希望としては、出身地での就職を希望する学生が合計で84.0%に上る一方、出身地以外の地方就職を選択肢として考える学生が58.0%といった結果となり、出身地と関係ない地方での就職も少なからず志向していることが分かります。

Q:Uターンまたは地元での就職を希望する理由は何ですか?どこに魅力を感じていますか?(複数選択可能)

最多の回答は「住み慣れた土地で働きたい」60.4%、次いで「実家から通勤したい」33.7%が上位となりました。また、「友人が多い」25.5%、「子育てや介護など将来のことを考えて親の近くに住みたい」25.0%なども回答が多く、一方で「働きたい企業や就きたい職業が地元にある」は15.8%にとどまっています。

出身地での就職では、地域への愛着や家族・友人との関係性などの条件が優先で、企業や職業の選択は必ずしも重視されていないことが分かります。

Q:Iターンを希望する理由は何ですか?どこに魅力を感じていますか?( 複数選択可能)

「地方の住みやすさなど、暮らしに興味がある・魅力を感じる」51.3%、「都会にしか住んだことがないため、地方に住んでみたい」26.9%など、地方での生活自体に魅力を感じる回答が多数となりました。また、「実家を出て自立したい」48.0%も回答率が多くなりましたが、その回答者の8割以上は都会出身の学生が占めていました。

Uターン希望者と同じく、Iターン希望者も「どうしても働きたい企業や就きたい職業が地方にある」13.3%と回答した学生は少数となり、地方就職志向を考える上で企業や職業についての優先度は低いことが分かります。

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