就活で大切にしたいことは、企業(どこ)選びの前に、仕事(なに)選びをしっかりすることです。文字通り就職活動であり、就社ではないのです。
そのために必要になるのは、自分は何をしたいか、ということです。
どうしてもやりたいことがある人は、それを仕事としてできる会社を志望するでしょう。とてもシンプルですがこの類に入る学生は少数です。
多くの学生は、自分が何をしたいのかわからない類となります。この類に身を置いたまま就活を進めると、準備の時点から視点がズレてしまうのです。例えば、志望先を選択するときは、規模やブランド、収入といった要素が選択基準の真ん中に居座ってしまうのです。それでも就活を頑張り、内定を獲得して入社を果たしたとします。そこでよかったと思ったのも束の間、多くの人が「自分には合わない…」と悩みを抱えることになり早期退職をすることになります。そして、「やりたいことさえ見つけることができていたら…」と後悔する人もおられます。
近年よく話題になる入社3年以内に退職する若手社員が後を絶たない問題の背景には、こうしたミスマッチが起因していると思われます。さらに、「合わなかったら次に行けばいい」と転職ありきで就活を進めている学生の少なくないようです。
仕事や働くことについての価値観は、多様性があっていいのですが、少なくとも本人にとて成功や幸せをもたらさないものであるのなら見直すことが必要です。
実際のところ、どうしても譲れないくらい好きなこと、やりたいことなんて、ほとんどの人はない、ということに気づくことが重要だと考えています。
ではどうしたらいいのかというと、自分の強みを把握し、その強みを惜しみなく発揮できる仕事を見つけることです。そして、その仕事ができる業種や会社を探すのです。
以前も述べましたが、日本では「できないことを頑張ってできるようになりましょう」と教育されます。一方で、米国では「あなたはここができているから、頑張って伸ばしましょう」とフィードバックされます。家庭でも、教育現場でも日本は弱みを克服することを重視しています。でも、働く文脈で考えてみると、例えば企業で働くと、私たちは成果を出すことを求められます。そして給料を得ますね。シンプルいうと、仕事の成果は、あなたの強みから生まれるのです。企業はあなたの強みの対価として給料として支払っているとのです。よっぽどのことがない限り、給料は弱みを克服するための努力への対価ではないのです。
強みです。長所でも特技でもありません。自分の強みを知るためにも自己分析は丁寧にじっくりと取り組む必要があるのです。それは、あなた自身のコンピテンシー/特性を理解するくらいに深く行うことです。ですから、3年次よりも2年次1年次からじっくり取り組むことをキャリア戦略づくりの最初の一歩としてお勧めしているのです。
面倒くさい話だなぁ、と思われるかも知れません。でも、不確実で不透明な時代が続くであろうこと、今後発展するAI社会を考えますと、労働者と資本家のフレームから、AI、作業者、プロ化した職業人、資本家のフレームに移行するだろうと考えると、どこで働くかではなく、何を仕事にするかをしっかり捉えたキャリアデザインや就活準備があなたの人生に影響を与えることは間違いないのです。
8月下旬からあなたの「強み」を見つけだすワークショップを開催いたします。詳細はお盆明けにご案内いたします。