「なんか違う」を深掘り!違和感の正体を見つける分析術
皆さん、こんにちは!「あおもりHRラボ」です。
前回の記事では、インターンシップの経験を振り返り、あなたの「気づき」を就活の羅針盤に変える方法を解説しました。
記事を読んで、早速振り返りのワークに取り組んでくれた人もいるかもしれませんね。
その中で、こんな風に感じた人はいませんか?
「楽しかったけど、なんかこの仕事は自分には向いてない気がするな…」
「社員さんは良い人ばかりだったけど、会社の雰囲気がしっくりこなかった…」
「なんとなく、モヤモヤするな…」
大丈夫、その感覚、実はとても貴重なものなんです。
就職活動というと、ついつい「いかに良いところを見つけるか」に意識が向きがちですよね。もちろん、それも大切です。
でも、本当に納得のいく就活を成功させるためには、「いかに自分に合わないものを排除できるか」という視点も同じくらい重要なんです。
この「なんか違うな」「しっくりこないな」という感覚。
これは、あなたの心の中にある「本当の価値観」が、外部からの情報(インターンでの経験)とぶつかって発しているSOSのようなものです。
この声を無視せず、きちんと向き合うことで、あなたは自分自身をより深く理解し、本当にあなたに合った企業を見つけることができるようになります。
今回の記事では、その漠然とした「違和感」の正体を明らかにし、それを「自己理解」と「企業選びの軸」に変えるための分析術を、具体的なワークを交えながら解説していきます。
1. 「違和感」はなぜ生まれる?そのメカニズムを理解しよう
そもそも、私たちが「違和感」を覚えるのはなぜでしょうか?
それは、「自分が大切にしている価値観や考え方」と、「実際に体験したことや見聞きしたこと」との間にギャップがあるからです。
例えば、「自分はチームで協力して何かを成し遂げたい」という価値観を持っている人が、インターンで個人プレイが重視される環境を体験すると、「なんか違うな」と感じます。
これは、あなたの価値観と、その企業の文化が合っていないというサインです。
違和感は、あなたの価値観を映し出す鏡なんです。
この鏡を覗き込むことで、あなたは「自分は働く上で何を大切にしたいのか?」という問いへの答えを見つけることができます。
2. 違和感を「言葉」にするための3つのステップ
漠然とした「違和感」を、具体的な「就活の軸」に変えるためには、それを言葉にすることが大切です。
以下の3つのステップに沿って、ノートやメモ帳に書き出してみましょう。
STEP1:違和感を覚えた「瞬間」を特定する
まずは、インターンで「なんか違うな」と感じた具体的な瞬間を思い出してみてください。
- どんな場面でしたか?
- 誰といましたか?
- どんな話をしていましたか?
例えば、
- 「社員さん同士が、あまり楽しそうに話していなかった時」
- 「上司が部下の意見を頭ごなしに否定しているのを見た時」
- 「朝礼でみんなが全く笑顔でなく、ロボットみたいに見えた時」
このように、感情が動いた瞬間をできるだけ具体的に、五感をフルに使って書き出してみましょう。その時のにおいや、聞こえてきた音、見えた風景なども一緒に書き出すことで、より鮮明に思い出せます。
STEP2:「なぜ?」と問いかけて深掘りする
次に、STEP1で書き出した「違和感」の瞬間に、ひたすら「なぜ?」と問いかけてみましょう。これは、まるで刑事になったつもりで、自分自身に質問を投げかけるような作業です。
例:
- 違和感の瞬間: 「社員さん同士が、あまり楽しそうに話していなかった時」
- なぜ?:
- なぜ、社員同士が楽しそうに話していないことに違和感を覚えたのだろう?
- → 自分は、働くなら人間関係が良く、風通しの良い環境で働きたいと思っているからだ。
- → 笑顔がなく、ギスギスした雰囲気に居心地の悪さを感じたからだ。
- → 普段から気軽に話せる関係性がないと、仕事の相談もしづらいだろうな、と不安になったからだ。
このように、心の奥底にある「本当の理由」を深掘りすることで、あなたの潜在的な価値観や、無意識のうちに重視しているポイントが見えてきます。
STEP3:違和感を「譲れない条件」に言語化する
最後に、STEP2で見つかったあなたの価値観を、今後の企業選びで使える「譲れない条件」として、誰にでも伝わるように簡潔に言語化してみましょう。
例:
- 見つかった価値観: 「風通しの良い環境」「チームワーク」
- 言語化した就活の軸:
- 「チームで協力し合い、活発なコミュニケーションが取れる環境を重視する」
- 「社員同士の信頼関係が厚く、心理的安全性が保たれている組織で働きたい」
- 「仕事の相談や雑談が気軽にできるような、人間関係を大切にする社風であること」
この「譲れない条件」は、今後の企業研究やOBOG訪問、そして面接での逆質問で大いに役立ちます。この軸があることで、あなたは多くの情報に惑わされることなく、本当に自分に合った企業だけを効率的に見つけることができるようになります。
ワーク:「違和感の正体」を明らかにする分析シート
さあ、ここまでの内容を読んだら、早速あなたの「違和感」を分析してみましょう!
ノートやメモ帳に以下の質問を書いて、自分の心と向き合ってみてください。
【あなたの違和感分析シート】
- インターンで「なんとなく違うな」「しっくりこないな」と感じた瞬間を3つ、できるだけ具体的に書き出してください。
- (例:昼休憩中に誰も話さず、黙々とスマホをいじっていた時)
- (例:上司が部下に対して、大勢の前で厳しい言葉で叱責していたのを見た時)
- (例:…)
- 1で書き出したそれぞれの瞬間について、「なぜ、その時違和感を覚えたのか?」を深く掘り下げて書き出してください。
- (質問1の違和感に対して)なぜ?:
- (例:自分は、仕事以外の時間でも気軽に話せるような仲間が欲しいと思っているから)
- (質問2の違和感に対して)なぜ?:
- (例:自分は、プレッシャーを感じやすいタイプだから、失敗を恐れずに挑戦できる環境で働きたいから)
- (質問3の違和感に対して)なぜ?:
- (例:…)
- 2で見つかった「あなたの本当の理由(価値観)」を、企業選びで使える具体的な「譲れない条件」として言語化してください。
- (あなたの譲れない条件1):
- (例:仕事だけでなく、プライベートも大切にできるワークライフバランスを重視する)
- (あなたの譲れない条件2):
- (例:社員同士のコミュニケーションが活発で、お互いに支え合えるチームワークを重視する)
- (あなたの譲れない条件3):
- (例:…)
このワークは、あなたの就活を「なんとなく」から「確信」へと導くための、最も強力な武器となります。ぜひ、時間をかけてじっくり取り組んでみてください。

まとめ:違和感と向き合う勇気は、後悔しないキャリアに繋がる
就職活動は、正解のない旅です。
「この会社、なんか違うな」と感じることは、決してネガティブなことではありません。それは、あなたが無意識のうちに築き上げてきた「自分らしさ」を、きちんと理解している証拠です。
そして、その違和感と向き合い、言語化する勇気を持つことが、あなたの就職活動、ひいては今後のキャリアにおいて、後悔しない選択をするための第一歩となります。
「なんとなく」の違和感を大切にすること。
これは、就活を成功させるための最強の秘訣です。
違和感から始まる「自分軸」の旅
今回の記事で、あなたは自分の心の声に耳を傾け、「違和感」を言語化する方法を学びました。これは、就職活動において、他の誰でもない「あなた自身」を主役にするための、非常に重要なステップです。
多くの学生は、企業が発信する魅力的な情報や、周囲の友人の話に流されてしまいがちです。しかし、どれだけ世間から「良い会社」だと言われても、あなたの価値観と合っていなければ、それはあなたにとっての「良い会社」ではありません。
インターンシップで感じた「なんか違うな」という小さなSOSは、あなたが将来、仕事で何に喜びを感じ、何にストレスを感じるのかを教えてくれる、貴重なメッセージです。このメッセージを読み解くことで、あなたは自分だけの「譲れない条件」という名のコンパスを手に入れることができます。
納得のいくキャリア選択のために
このコンパスがあれば、あなたはこれから始まる本格的な就職活動で、何千社とある企業の中から、本当に自分に合った企業を迷わず見つけ出すことができるでしょう。
もし、今「自分には何も強みがない」と感じていたとしても、大丈夫です。
今日のワークを通じて見つかった「譲れない条件」こそが、あなたの最も強力な強みであり、他の誰にも真似できない「個性」なのです。
この個性を大切にし、今後の企業選びに活かしていくことで、あなたは自信を持って面接に臨むことができるようになります。
未来の自分への応援メッセージ
就職活動は、自分自身と深く向き合う、人生の中でも特別な時間です。
時には不安になったり、壁にぶつかったりすることもあるかもしれません。
そんな時は、今日の記事を思い出してみてください。
あなたの心の中にある「違和感」は、いつだってあなたのことを、一番よく知っている味方です。
あなたの心が本当に「これでいい」と思える、そんな未来を心から応援しています。
次回の第3回では、今回のワークで見つかった「違和感」を起点に、視野を広げる企業研究のコツについて解説します。