インターンシップ/グループディスカッション対策

インターンシップ等で数日間のプログラムでは、グループワーク(ディスカッション)を実施することが多く見られます。その中心となるのはディスカッションです。テーマは学生生活では考えたことがないようなものが多く、考えるにために必要な情報が初日に配布される流れになっています。

情報を読み込んでから、参加者は議論をスタートします。インターン期間中に結論を出すには、かなりハードなテーマがあえて設定されていることもあります。多くの学生は期間中、自宅に課題を持ち帰り、情報収集やデータ分析を行ったりして、最終日のプレゼンに向かうのです。過ぎてしまえば僅か数日のことですが、企業で働くことの厳しさを疑似体験できるプログラムです。

そのようなプログラムでは、間違った努力をしてしまい残念な評価を喰らってしまう学生もおられます。今回はグループワーク(ディスカッション)で評価を得る学生の特性についてお伝えします。

グループワーク(ディスカッション)を実施する企業の人事担当者は、特に3点に注視していると答えています。

成長性

期間中に観察できた今後の「伸びしろ」や実際に「成長した」と感じられたこと。難解な課題が出題されていることが多いため、参加した学生が持っている経験や知識がそのまま通用することはほぼないのです。その壁をどのように乗り越え、何を学ぶのかを診ている。

では、成長性が高いと評価される学生の特徴としては、「対立する意見を受容できる」があります。

真剣に議論をすれば、衝突や対立は起きるものです。それを客観的に比較検討して、適切な結論を導き出せれば問題ありません。でも、これは思うほど簡単なことではありません。バックボーンが異なる人間のさまざまな意見や主張を聞くことになります。たいていの人はこれを素直にそのまま受け入れること抵抗を感じるものです。まさにその時、どうする君!なのです。

  • 自分の官業を抜きにして意見を客観的に検討し疑う
  • 客観的且つ論理的により有効な結論を導く
  • 自分の意見に固執せず他者の意見を素直に尊重する

議論を有益なものにするために、自分の考えを柔軟に変えられるか。自分の考えに固執せずに、多様な考えや価値観を取り入れる力がある人は、成長性が高いと評価されます。

自分の能力や経験で足りないところが見えてくる、それにどれだけ早く的確に気づくことができるか、そしてそれを補えるか。このスピードによって、あなたの成長性を診られるのです。

例えば、視点。あなたは日頃、消費者の視点で商品やサービスを見ています。「おいしい」「パッケージが面白い・かわいい」「CMが印象的」などです。しかし、グループワーク(ディスカッション)では企業側の視点、つまり「売り手」であることが多いものです。すると「つぎにはやる食材や食感は何か」「パッケージでマーケティングに成功できた理由は何か」「顧客層に親和性が高いタレントやメディアは何か」といった視点となります。視点を切り替えて(適応して)、どれだけの打ち手やアイデアを出せるようになれるか。自分の能力不足に気づいたときに、どうやって自分を変えていく力があるかを診られているのです。

他には、必要な情報を探す力、集めた情報を分析する力などがあります。自分が得意ではないことに直面したときに逃げすに「どうしたらできるか」を考え、制限時間内に自分を修正することができるかどうか、試されてもいるのです。

積極性

「主体性」、「自律性」がどれだけあるかを診ている。成長や貢献タイする貪欲さにも注目しているので、「受け身」では評価されない。

では、積極性が高いと評価される学生の特徴としては、「成長することに貪欲である」があります。

期間中を通して成長できる学生は、明確な成長意欲を持っています。そうでない学生と行動が全く変わっているので両者を見分けることは容易です。もちろん評価に直結します。期間を通して成長する学生の姿勢は次の通りです。

  • 疑問をすぐに解決するために、わからない点はすべてその日のうちに社員に聞く
  • 質疑応答では真っ先に手を挙げる。成長機会を見逃さない
  • 対立ではなく高め合うことを優先する
  • 大きな声で話す。存在感を出す(社員に覚えてもらえるとアドバイスももらいやすい)

このような参加態度で行動をしている学生を冷めた目で見る人がいます。意識が高いことをイジリ択なる人です。でも、採用担当者や参加社員は、成長に貧欲でやる気のある新人を待っているのも当然の話です。安心して全力で頑張りましょう。一流企業で、このスタンスで評価が得られないことはあり得ないものです。結果にフォーカスして、妙な空気に流されないようにしましょう。

好感度(人としてのチャーミングさ)

人間力のひとつである好感度を診ている。挨拶や笑顔、努力する姿勢など、つい応援したくなる人柄かどうかということ。数日であってもプロが観察すればしっかり診ることができます。面接の短時間ではなく、一定の時間をかけてじっくりあなたが持つ資質や素質、可能性を診ている。つまり「一緒に働きたい」と思えるかどうか。

では、好感度が高いと評価される学生の特徴としては、「チームに貢献することを徹底している」があります。

リーダーシップを発揮して評価を得ようとする学生がいますが、ほとんどが残念な評価となってしまうケースが多いのです。精一杯リーダーシップを発揮しようと頑張っているのですが、結果としては、目立つだけ、リーダーシップとは程遠いワンマンシップ的なエネルギーの放出となっているのに、残念なことに本人がそのことに気づけていないのです。

グループワーク(ディスカッション)で評価を得るのは、自分ひとりの成果ではなく、チームの成果を上げた学生です。

  • 自分にできることを考えサポート的な役割も徹底的に行う(データ分析、プレゼン資料作成など)
  • 有益な発言ができるように情報収集をして、グループ内で共有する
  • 学生だけで集まっているときこそチームを盛り上げようとする(採用担当者がいない場でもいい人。最終日にはグループ内で人望を集めている)

採用担当者は学生が思っている以上によく視て観察しています。目立たないようなことでも、チームのためにできることを徹底して取り組んでいる人は、結果的にリーダーシップがある人と評価される傾向があります。リーダーシップとは、パワーではなく、果たす責任であることを体感的にできている人にリーダーシップの素養ありと評価するのです。

中長期のインターンシップに参加される際に一番大切なことは、絶対最後までやり抜くことです。つまり、諦めないこと。近年のビジネス界では「やり抜く力(GRIT)」に注目して人材教育訓練に活かしている企業が少なくありませんし、職業人個人も、この力を高める努力をしている人が多くおられます。

よく考えられたプログラム程、グループワーク(ディスカッション)だけでなくその内容は結構厳しいものです。それでも、あなたはベストを尽くして頑張ってください。そこまで主体的に参加すると厳しいはずなのに、楽しく思えてくるものです。そうなったらあなたのものです。あなた自身の力と可能性を信じてトコトンやり抜く参加態度がファーストキャリアを呼び込んでくれます。

今回ご紹介したグループワーク(ディスカッション)を実施する企業の人事担当者は、特に注視している3点については、面接対策時にも参考になるかも知れません。1次2次面接では複数人数で実施されるケースも珍しくないので是非参考にしてください。

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