“自分ごと”で世界を変える|社会課題へのまなざしを育てよう ― 課題に気づき、動ける人になる ―

「ニュースを見ると、気が滅入る」

「社会問題って、自分に関係あるのかな?」

そんな風に感じている大学生は少なくないかもしれません。

でも、いま社会が本当に必要としているのは、

「社会課題を“自分ごと”としてとらえ、行動に移せる人」です。

経済産業省が示した『未来人材ビジョン』の中でも、

これからの社会を担う若い世代には、グローバルな視点で課題を見つめ、解決に向けて自分から動ける意識と行動力が求められると明記されています。

今回は、Z世代の皆さんが大学生活のなかで、どうすれば社会課題へのまなざしを育て、未来を変える行動へとつなげていけるのか?

そのヒントを具体的に解説していきます。

「社会課題」と聞いて、身構えていませんか?

「社会課題」と聞くと、どこか遠い世界の話のように感じてしまうかもしれません。

• 環境問題や地球温暖化

• 貧困やジェンダー格差

• 雇用や教育の機会の不平等

• 少子高齢化や地域の過疎問題

たしかにどれもスケールが大きく、自分には関係がないと思ってしまいがちです。

でも、少し見方を変えてみましょう。

• アルバイト先で「この働き方、ちょっときついな」と感じた

• 家族の介護をしている親を見て、「支援って足りてるのかな」と思った

• SNSで誰かが傷ついている姿を見て、モヤモヤした

これらも、すべて社会課題とつながっています。

社会課題とは、誰かの「困っている」「変えていきたい」という気持ちが存在する場所。

そして、それに気づける感性こそ、未来人材の入り口です。

なぜ「社会課題を自分ごと化」できる人が求められているのか?

企業や組織がいま求めているのは、

単に「指示されたことをこなす人」ではなく、

社会の変化や課題に敏感で、自ら価値をつくり出せる人材です。

たとえば、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みや、DEI(多様性・公平性・包括性)の浸透など、ビジネスの現場も社会的課題と無縁ではいられません。

社会課題に関心を持ち、日常の中で問いを立て、

「自分にできることは何か?」を考えて行動できる人は、

組織をリードする存在として注目される時代です。

社会課題に向き合う3つの視点

① まずは「身近な違和感」に目を向けよう

いきなり世界を変えようとしなくても構いません。

大切なのは、自分の半径5メートルの中にある“小さな違和感”に気づくことです。

• 学食の食べ残しの多さ

• 女性の少ないゼミの発言機会

• 地元の駅前の空き店舗の増加

「なんで?」「これってもったいなくない?」という視点が、“社会課題の入口”になります。

② 「知る」→「考える」→「語る」

課題に向き合うには、知識が必要です。

でも、ただ調べて終わりではなく、「自分ならどうしたいか?」という視点を持つことが大切です。

たとえば、

• 気になったテーマで記事を読む

• TEDやYouTubeで専門家の話を聞く

• 学内のイベントに参加して話を聞いてみる

そして、友達や先輩とその話題をシェアしてみることで、考えが深まり、視点が広がります。

③ 「できることから動いてみる」

アクションは、決して大きなものでなくて構いません。

• SNSでの発信

• 学内ボランティアへの参加

• クラウドファンディングの支援

• 自分の卒論で課題をテーマにする

小さなアクションが、自分の意識を確実に変えていきます。

実例|大学生が社会課題に向き合った「等身大のアクション」

▶ ケース1:地方出身学生が地元の課題に挑戦

「地元がどんどん寂れていくのが悲しい」と感じたある学生は、地域活性イベントを大学の仲間と立ち上げました。

商店街とコラボし、地域の高校生も巻き込んで開催したイベントは、のべ500人以上が参加する形に。

「自分の声が、ちゃんと誰かに届くんだ」と感じた経験が、その後のキャリア選択にも大きな影響を与えたそうです。

▶ ケース2:環境問題に関心を持った大学1年生の発信活動

最初はInstagramで環境に関する投稿をシェアするだけだった学生が、徐々に自分で投稿をつくるように。

フォロワーの反応やDMでのやりとりを通じて、今では「エコ活動×学生ライフ」についての小さな勉強会を定期開催。

「行動は小さくても、“伝えること”には意味がある」

そんな感覚が、社会とつながる第一歩になっています。

社会課題に目を向けることが、就活でも活きる理由

実は、「社会課題に取り組んだ経験」は就活でも非常に注目されます。

なぜならそれは、

• 問題意識を持てる人か?

• 自分の言葉で考え、発信できる人か?

• 未来を見据えて行動できる人か?

という視点が見えるからです。

たとえば、ESや面接でこんなふうに語れたらどうでしょうか?

「私は大学生活で、ジェンダーに関する違和感から調査を始め、学生団体でのワークショップに参画しました。その中で、“知識があっても実際の行動は難しい”という壁を感じ、自分なりにSNS発信を始めるようになりました。」

これは、単なる“活動報告”ではなく、「思考→行動→学び→展望」の流れが見えるストーリーになっています。

未来を見据えた姿勢として、企業側に強く伝わるはずです。

まとめ|“わたし”から“わたしたち”へ

社会課題は、難しいテーマではありません。

あなたの身の回りにある「もやもや」や「これって変だな」が、すでにスタートラインです。

• 小さな違和感に気づくこと

• 調べ、考え、語ること

• そして自分の方法で、動いてみること

「世界を変える」って、大きなことではなくて、「わたしの感じた違和感を、行動に変える」ことから始まる。

その連続が、いつか誰かの共感を生み、仲間が増え、未来の当たり前をつくっていきます。

社会に背を向けるのではなく、社会に問いかける人であろう。

それが、これからの時代を生き抜く、未来人材の姿なのです。

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