経験を積む

「知っている」は、知識を指していて、アタマで知っていることです。一方で「わかっている」は、経験値を示すもので、身をもって体得したものです。自身の血となり肉となって武器へと昇華しているものです。

職業人として働くようになると、最初は何もわからないので、先輩等から一つひとつ教えてもらい、それを一人でできるようになることが求められます。簡単で容易くできることもあれば、何度やっても上手くいかないこともあるものです。でも多くビジネスパーソンは、そうやって基本的な職務遂行能力を身につけていくのが一般的です。

何かを教わる場面では、知ることよりもわかることを意識して学ぶことが大切です。極端に言えば、実社会では知っているという知識はさほど役に立ちません。

一方で、多少でも経験があると、イメージを牽引することができるので「それって○○のようなものかな」と思考を広げて、相手に訊くこともできます。

でも知識だけだと、「それ知っている」若しくは、「そんなの知らない」のいずれかで、「それはこういうことですか」といった質問は出てこないのです。

たとえば、授業中に先生から質問等がないかを確認することがあります。その場面の特徴として少なくないのが、驚くほど静かで無反応という状況になります。知っているタイプの学生が多い授業ではよくある教室の風景かも知れません。

ビジネスの世界では「経験」はとっても重要なものです。といっても単に長期にわたって何かに携わっていたからといって、経験を積めているとは限りません。経験を積むとは、さまざまな体験を通して気づきを得て、そこから学び成長することです。

思考を広げるにはイメージが必須です。前述の通りイメージは、それまでに積み重ねてきた経験が源泉となるので、量と質が物言うことになります。最初から経験に質を求められることはないでしょう。言ってみれば初期では経験を積み上げることが大切ですから、失敗はないと考えた方がいいのです。だからこそ時間や意思決定に自由が利く学生時代にさまざまな経験を積んでおくことが、今後のキャリア形成にもプラスに働くのです。

具体的には、①視野が広がり選択肢が増える、②物事を判断するスピードが早くなる、③些細なことでも動じなくなる、④トラブルが起きてもすぐに対応できる、⑤自己肯定感が高まる、⑥信頼され仕事を依頼されやすいといったメリットが考えられます。

学生生活のなかで経験を積んでいくポイントとしては、①目の前の物事に全力で取り組む、②目的意識を持って取り組む、③チャレンジする、④自分のモノサシだけで判断しない、⑤尊敬できる人の話(書籍)をたくさん聞く(読む)、⑥他者の評価に振り回されない、⑦日々の生活をログしてリフレクションを習慣化するといったことに留意しながら経験をはんとしていくことが大切です。

まさに就活は、はじめてのことだらけの経験でしょう。だからこそ、あなた自身の人間力が問われるものなのです。ついついネガティブになってしまうのか、意識してでもポジティブで過ごしていくのか、決めるのはあなたで、どちらに決めることも自由にできるのです。

初めてだらけの就活、どうせやるならトコトン楽しみながら自分の成長を味わいながら脳と体、両方から汗をしっかり流す気概で進んでいきましょう。

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