ESで企業に刺さる!過去の経験を深掘りする『あおラボ流3つの問い』

ESで企業に刺さる!過去の経験を深掘りする『あおラボ流3つの問い』

こんにちは!皆さんが自分らしく輝けるキャリアを見つけるお手伝いをしています。

前回、私たちは自己分析を「自分の武器探し」と定義し、「過去の経験の棚卸し」を始めましたね。経験を単なる出来事の羅列ではなく、「事実」と「行動(強み)」に分けて捉えることの重要性も確認しました。

しかし、多くの学生さんがここで立ち止まります。「サークルの話を書いたけど、これって強みなのかな?」「この経験、企業に評価されるのかな?」と。

企業がエントリーシート(ES)や面接で求めているのは、派手なエピソードではなく、「あなたが、入社後に困難に直面したとき、それを乗り越えられる行動の再現性があるか」という点です。

本日は、前回棚卸しした経験を、企業に「この人は活躍してくれそうだ」と評価される「行動特性(コンピテンシー)」へと昇華させるための、「あおラボ流3つの問い」と「企業視点の深掘り術」を具体的にお伝えします。

1. 企業がESで本当に知りたい「行動の再現性」

自己分析で経験を深掘りする目的は、企業が求める「入社後の活躍」を予見させる「再現性のある強み」を特定することにあります。この再現性を裏付けるのが、あなたの「行動特性(コンピテンシー)」です。

1.1. コンピテンシーとは「成果に繋がる行動パターン」のこと

行動特性(コンピテンシー)とは、「高い成果を生み出す人に共通して見られる行動のパターンを指します。企業はESで「サークルで優勝しました」という結果だけでなく、「優勝するために、あなたがどんな思考プロセスで、どんな行動を継続したか」を見ています。あなたの過去の経験から、将来にわたって成果を出せるであろう行動の傾向を読み取ろうとしているのです。

1.2. 企業が最も評価するのは「困難/挑戦」に直面したとき

人事担当者がESを読む際に最も注目するのは、皆さんが「困難や壁に直面したとき」のエピソードです。順調なときの行動ではなく、「予期せぬ問題が発生したとき、あなたは【諦めずに、どのような工夫と行動】で乗り越えたか」という点に、その人の本質的な粘り強さや課題解決能力が表れるからです。

1.3. 経験を「物語(ストーリー)」として組み立てる重要性

自己分析の結果をESで伝える際は、「物語(ストーリー)」として組み立てる必要があります。心理学では、人間は「物語」を通じて情報を受け取るとき、最も共感し、記憶に残りやすいことが分かっています。あなたがどのような背景から、どのような葛藤を経て、独自の行動に至ったかを伝えることで、企業はあなたの人間性強みを深く理解できるようになります。

2. 経験を強みに変える!『あおラボ流3つの問い』

前回書き出した過去の経験について、以下の3つの問いを自問自答することで、経験の裏に隠された行動特性(コンピテンシー)を掘り起こすことができます。

2.1. 【問い1】「なぜ、あなたはそこまで【粘り】、【工夫】できたのか?」

困難や壁に直面したとき、「なぜ、途中で諦めなかったのか?」という問いは、あなたの「内発的な動機づけ(モチベーション)」と「行動の原動力」を明らかにします。

  • 例: 「途中で諦めなかったのは、『一緒に頑張ろうと言ってくれた仲間の期待に応えたかった』からだ」→強み:協調性と他者への責任感
  • 例: 「誰もやったことのない課題だったから、『自分でゼロから解決する過程を楽しんだ』からだ」→強み:好奇心と創造性

2.2. 【問い2】「その行動は、誰から【学んだ】ものか? それとも【独自】のものか?」

あなたの行動が、「過去の学びの応用」なのか、それとも「その場限りで生み出した独自の工夫」なのかを明確にしましょう。

  • 応用の場合: あなたの学習能力素直さが強みになります(例:過去のゼミで学んだPDCAサイクルを応用した)。
  • 独自の場合: あなたの主体性や独創的な発想力が強みになります(例:誰もやらない「手書きの感謝状」で離脱を防いだ)。
    企業は、この「学びと実践のサイクル」を重視しています。

2.3. 【問い3】「もし【全く異なる状況】で、同じ【課題】が起こったら、どうする?」

これは「再現性」を試す最も重要な問いです。過去の経験に依存せず、「あなたの強みは、環境が変わっても通用するか?」を検証します。

  • 例: 「サークルでメンバーの意見対立を調整した強み(傾聴・調整力)は、アルバイト先の新人教育でも、『まずは相手の話を遮らずに聴く』という形で応用できる」。
    この「一般化」の作業こそが、あなたの強みに「入社後も通用する」という信頼性を与えます。

3. ドラッカーの視点:強みは「貢献」に結びつけることで評価される

経営学の父、ピーター・ドラッカーは、知識労働者に対し「自らの強みを知り、それを組織の成果に結びつけること」の重要性を説きました。自己分析で強みを見つけたら、必ず「企業への貢献」という視点に結びつけましょう。

3.1. 強みを「成果(アウトプット)」ではなく「行動(インプット)」で表現する

単に「私はコミュニケーション能力があります」と言うだけでは、企業はピンときません。ドラッカーの教えに基づき、強みを「組織の成果に繋がる具体的な行動」として表現しましょう。

  • NG 「私はコミュニケーション能力が高いです。」
  • OK: 「私は『初対面の人でも、相手の【ニーズを】引き出すための【質問設計力】』が高いです。これは営業の【顧客ヒアリングの質向上】に貢献できます。」
    具体的な行動(インプット)を示すことで、入社後の貢献イメージが明確になります。

3.2. 企業研究で「強みが活きる課題」を特定する

自己分析で「自分の強み(行動特性)」が分かったら、次は企業研究を通じて、「その強みが最も活かされ、貢献できる企業側の課題はどこか」を特定しましょう。企業が抱える「人手が足りない」「新規事業開発が遅れている」などの課題に対し、「私の〇〇という強みで、その課題を解決し、どのように貢献できるか】」を明確に提示できれば、ESは企業に「刺さる」ものに変わります。

3.3. 「自己理解の深さ」が企業への「志望度の高さ」に繋がる

心理学的な観点から見ても、自己分析が深くできている人は、企業とのミスマッチが少なく、早期離職のリスクが低いと見なされます。なぜなら、「自分の強みと価値観を熟知しているからこそ、この企業、この仕事が自分に最も合っていると判断した」という、確固たる志望理由を語ることができるからです。自己分析の深さは、そのまま「志望度の高さ」の裏付けとなるのです。

4. まとめ:経験を「採用したい強み」に変える深掘り術

皆さん、今日の「あおラボ流3つの問い」で、あなたの過去の経験が持つ「深さ」と「価値」を再認識できたでしょうか?

  • 企業が評価するのは、困難を乗り越えた行動の再現性(コンピテンシー)である。
  • 「なぜ粘れたか?」「独自の方法か?」の問いで、行動の原動力を深掘りする。
  • 強み「入社後、会社に貢献できる具体的な行動」として表現することで、企業に刺さるものに変わる。

自己分析とは、自分の過去を肯定し、その中で最も輝く「あなたらしさ」を見つけ、それを未来へ繋げる最高の機会です。まだ自分の強みが見つからない人も、焦る必要はありません。大切なのは、「なぜ、そうしたのか?」という問いに向き合い続ける粘り強さです。この粘り強さこそ、実は皆さんの最も評価される強みかもしれませんよ。

大丈夫、きっと君にもできる。皆さんの過去のすべての経験が、未来への素晴らしい扉を開く鍵となることを心から信じています!

「あおもりHRラボ」では、この「あおラボ流3つの問い」をより深く実践するためのWebを活用した個別ワークゼミや、伴走スタイルのキャリア相談で、皆さんのES作成と面接対策を徹底的にサポートしています。ES作成で立ち止まってしまった方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。

1

人事パーソン向け

学生向け

TOP
TOP