社会人としとさまざまな経験を積んでいくと解ってくるものに、社会には、不合理や理不尽と言われるものがあります。正直に申し上げるとそういう状況に立ったことも何度もありました。そんな出来事も今の年齢になると懐かしい出来事の一つになってしまいましたが、就活を通して学生が凹む姿を見るのは辛いものです。
選ばれる(内定を得る)喜びがある一方で、選ばれない(NNT)悲しみと、悲喜こもごものドラマがそこにはあります。
就活を進めるなかで多くの学生が悩まれることは「選考基準がわからない」ことではないでしょうか。この点が大学入試と異なり、混乱を招いているのではないかと推察しています。たとえば、同じ企業で内定を得たAさんとBさんを分析してみても、選考基準を掴むことは難しいでしょう。
選考で理不尽と思えることに遭遇したとしても、メンバーシップ型雇用前提の新卒一括採用システムの流れに沿って進まないと、正規雇用に乗れない。文句を言ったりする暇があるなら、就活で勝てばいいだけ。そんなことで戦ったらそれこそ「負け」という札をつかまされるだけと、賢い就活生は考えているのではと推察しています(当時を振り返ると私は単細胞的に凸凹と反応していたと思います(苦笑))。
生まれて初めて取り組む就活ですから、不安や恐れを抱くことは当然です。思った通りにスムーズに活動が進むことは奇跡のようなことで、何かしらの壁や穴に立ち往生する場面があるものと考えておくといいでしょう。多くの就活生は活動中、凹むことや傷つくことがあるでしょう。
こんな話をすると、不透明で不公平な社会を恨めしく思うかも知れません。ですが、これは就活事情の一部ではありますが事実なのです。
凹んだ、傷ついたと叫んでみても選ばれなかった側に、発言権はありません。仮に発言したところで、「負け犬の遠吠え」「だから選ばれないヤツなんだよ」と追い打ちを喰らい、傷口に塩を塗り込まれてしまうのです。
就活を進めるには「タフさ」が必要ということも知っておいた方がいいでしょう。もう少しイメージしやすいようにお伝えすると、就活を進めるなかで、「選ばれた」「選ばれなかった」という場面を何度も直面します。そのときに、事実を事実としてしっかり受容する勇気が必要です。つまり、良いことであろうと、嫌なこと、辛いことであろうと現実は現実として受け入れる。そこから、どうするかが人生を決めるのであって、起きた現実以上に重要ななことは受容後の判断なのです。加えて、その事実をあなたにとって次の成功や成長につなげる解釈ができるスキルも必要です。
3年生になってから、急いで勇気やプラス思考を高めようとしても、難しいであろうことはイメージできるのではないでしょうか。ですから、1、2年生のときからコツコツと自分と向き合いながら、自分の人格磨きに励むことが後々、あなたの人生に効くことになるのです。