就活早期化について

25年卒学生の就職活動早期化に関するアンケート調査結果が株式会社ジェイックから発表されました。近年の就活に関する話題ではよく見聞きする早期化、なんとなくネガティブな印象のほうに偏りが感じる報道に少し違和感を持っていたのですが、当事者ともいえる25年卒の心境にフォーカスして見ます。

「先輩の噺や想定していたスケジュールと比較して、就職活動は早期化していると感じますか」との質問に対して、「感じる」が84.1%、「わからない」が13.5%、「感じない」が2.4%という結果でした。

「就職活動の早期化に伴い企業に求めたいことはありますか(2つ選択)」の質問には、「会社説明会で、他者との差別化ポイントや強みを教えて欲しい」が43.5%で最多となっていました。続いて、「早期化から、社員と話せる機会を設けてほしい(座談会など)」が31.2%となっていました。

「就職活動の早期化のメリットと感じること(複数回答)」の質問には、「早い段階で内定を獲得できる」が80.0%、「安心感や余裕も持って、就職活動に臨める」が40.0%、「さまざまな業界・職種を見ることができ、視野が広がる」が30.0%となっていました。

一方、「就職活動の早期化のデメリットと感じること(複数回答)」の質問には、「学業や部活動、アルバイトとの両立が大変」が74.1%、「選考の情報公開日が企業によりさまざまなので情報収集が大変」が72.9%、「いつ就職活動を終えればよいかわからない」が38.2%と続きました。

さらに、就職活動の早期化のメリット・デメリットについて感じることとして、次のような声が挙がっていました。

メリット

  • 早期から就活について考えることで、自分が納得して会社選びができやすくなる
  • 早い時期から内定をもらえること
  • 面接などのリアルな就活に慣れることができる
  • 卒論に集中できることは良いと思う

デメリット

  • 学業や研究活動、資格取得のための勉強、アルバイトなどとの両立が難しい
  • 将来やりたいことや、志望動機が明確に固まっていない状態で面接に挑まなくてはいけないのが辛い
  • 就活の方法が分かっていないで段階で早期選考を受けて力を出せないことがあった
  • 企業によって採用時期がバラバラなため、就活が長引くこと
  • 研究活動に支障が出てきている。社会の潮流上仕方がないことではあると思うが、
  • 研究を重視したい人にとっては苦しい状況であると思う
  • 卒業研究が決まる前にESを書かなければならないので、「ガクチカなど」アピールできる内容が減ってしまう
  • 部活の部長をしているので、学業と部活動、就職活動の両立が難しく、精神的につらくなることも度々あり、本末転倒になりかけた

「早期化に伴い企業に求めたいこと」について、「会社説明会で他者との差別化ポイントや強みを教えてほしい」や「早期から、社員と話せる機会を設けてほしい(座談会など)」の回答が上位となっていました。要因として、早期化のデメリットでの最多回答の「選考の情報公開日が企業によりさまざまなので情報収集が大変」が関係していると伺えました。

格企業の多様な選考スケジュールを把握し、取捨選択しながら納得のいく就職活動を進めるには、各企業の強みなど、学生視点で「この企業の選考に進みたい」「この企業で内定を承諾したい」と思える決め手となる情報が必要となっているように思われました。

企業側は、このような学生の状況や心境を考慮した上で採用広報や選考に工夫や改善の余地があることを理解することが必要かもしれません。

3年夏季のインターンシップ後の本選考も考えられる25年・26年卒の学生にとっては、これまでに語られてきた早期化のイメージを一旦脇に置き、実社会で行われている企業の採用活動を注視することも必要かと思います。

最終的に自分が納得して就活を終えることが、就職活動においては最も大切なことだと思いますので、その日を迎えるまでは、精一杯就活にとりくむことが大事と捉えましょう。そして、同じやるのなら、愉しんで進むことも大事なポイントです。

個人的な経験を基にお伝えすると、ビジネスでは着手が早い仕事の場合、上手く行く確率が上がり、仕事のスピードも大幅に変わります。そして、これはビジネスに限った話ではないと思っています。

就活の早期化はおそらく、どこかの誰か知らない人が発した言葉ではないでしょうか。あなた自身の卒業後の進路を考え、そのために必要なことを整え、志望企業に足を運び、コミュニケーションを積み、採用の内定を獲得する。この一連の行動に枠で括られてしまう方が、少し妙な気もします。もちろん、学生である以上は学業に支障をきたすようでは本末転倒な話であることくらい承知の上の話です。あなたはどう思うでしょうか。

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