24年卒 内定辞退増の背景

24年卒に対する採用活動における、企業の採用予定者数に対する内定者の割合は平均67.9%との調査結果でした。企業の募集数に対する実際の内定者の割合を内定充足率と言います。因みに昨年は71.3%でしたので、3.4pt下回ったことになります。

充足率は、企業の採用計画をどのくらい満たしているかということで、7割を切ったのは2016年の調査開始後初めてのことでした。

今年の充足率は従業員数が多い大企業ほどあがりましたが、1,000人以上の企業でも8割を切っていました。調査では「祭用数の増加で思うように内定者を確保できない企業が増えた」としていました。

業界別で充足率を見ると、トップはITで82.2%、前年比3pt増でした。前年比で上回った業界はITだけで、金融、製造、流通・商社、サービス業はいずれも年々を下回る結果でした。

企業採用の難しさを感じている背景には、内定辞退をする学生の増加があります。調査では、内定獲得した学生の約7割が複数企業から内定を得ていて、そのうち4割超の学生が「3社以上の内定」を得ていたことが明らかになりました。

内定辞退を承諾前後に分けて尋ねたところ、「内定承諾前に辞退したことがある」が55.5%でした。前年が55.0%でしたのでほぼ変わらない数字ですが、就活生の約2人に1人が辞退している状況でした。「内定を承諾後に辞退したことがある」は24.7%でした。こちらは前年が21.4%でしたので3.3pt増となりました。

内定辞退に「とても抵抗があった(承諾前)」と回答した学生が15.9%でした。前年に比べて4.5pt減少していたこともわかりました。また、承諾後も前年比で3.7pt減少していました。内定辞退の抵抗感が薄くなっていることが伺える結果でした。

24年卒採用では、約7割の就活生が2社以上の内定を獲得するなかで、面接の練習や滑り止めの意識で選考を受け、結果的に志望度がそれほど高くない企業から内定を得たたが、後になってから内定辞退する学生が少なくないことが見えてきます。

調査では、「内定後のフォオr-だけでは事態を防ぐことが難しい」と分析していましたが、内定前から自社への関心を高めるなどの努力が必要と総括していました。

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