就活準備として自己分析を行う理由は何か、ストレートに答えると、ES作成と面接対策のためです。つまり、ライバルではなくあなたが採用されるために、あなたを買う理由を言語化して買い手である企業に伝える内容を整理するためです。少し極論的にお伝えしましたが、何歳になっても成長を目指すものにとっては、自己理解を深化させることや自己認識を高めることは必須課題のひとつとも言えます。よって誤解のないように願います。
昨日、「企業の新卒採用評価で、応募学生の自分史を基準に選考を行うことはありません」とお伝えしました。ならば、どのような点が評価されるのか、が気になるところだと思います。それで今回は、そのことに少し触れてみたいと思います。とはいえ、業種によっても、同業種であっても企業毎に異なるものですからザックリとですが、新卒採用という枠内で共通するポイントをお伝えいたします。
書類選考や面接の際に採用担当者や面接官は主に2点を注目していると考えています。注目項の一つ目は、あなたの「就活の軸」となっている価値観です。自社とのマッチ度や就社への本気度です。そこで、①どんな人でありたいか(being)、②手に入れたいモノは何か(having)、③社会/人にどのような影響を与えたいか(giving)といった質問を通してあなたを理解しようとするのです。
二つ目の注目項は、あなたのコンピテンシーから滲み出た「強み」です。あなたを一緒に働く仲間にしたいか、入社後の伸びしろに期待ができるかどうかを見極めているのです。
人材育成・キャリア支援の現場で多くの職業人と関わってきた経験から気づいたことに「キャリアの成功は当事者の強みからしか生まれない」ことがあります。成功の定義は個人によって異なるでしょうが、二度とない人生を幸せに過ごしたいとお考えであれば、その時点で働くことと人生を切り離して捉えることには無理が生じるのです。ですから、人生観・仕事観は常につながり合っていて互いに影響を与えているものだと捉えた方がいいでしょう。
あなた自身のコンピテンシーから現れる「強み」が強力で魅力的なあなたの資源となるのです。ですから就活の自己分析は、コンピテンシーの中にあるあなたの強みを見つけだすことが最も重要なことであると考えているのです。
人間の性質を下図のように捉えることができます。一番小さい輪が価値観/バリューです。その周りにある輪が特徴/コンピタンシ―となります。そして外側の輪が職能/スキルです。
価値観/バリューは、あなたの人生観や仕事観などを指します。次の特徴/コンピテンシーは、業界や局面に関係なくどこにでも持っていける能力を指します。そして職能/スキルは、特性を駆使してみがく専門能力のことで、業界や会社を越えて持ち出せるものもあれば、持ち出せないものもあります。野球選手でたとえると、コンピテンシーは体力やフィジカルの強さを言い、スキルは球速やバッティングの技術面をいうと捉えていただくとわかりやすいと思います。
また、応募者のコンピテンシーを精度高く理解が進むと、自社の社風や文化に馴染める人物かどうかも把握することができるようになります。
余談ですが、コンピテンシーを英語圏では「能力・資格・適性」を示します。一方で日本のビジネス界では単なる能力・スキル・資格とは異なる「業務において優秀な成果につながる行動特性」という概念が浸透しています。
今回は「強み」にフォーカスしました。具体的にあなたの「強み」を言語化する手順を踏みながら自己理解(分析)を深化していく講座が秋にスタートするのが、アクティブラーニングスタイルの「社会のトビラ塾」(3ケ月6日)です。実際にキャリアコンサルタントや就活塾などで同様のサービスを受けるには十万単位の費用が必要となりますが、重要なエッセンスを中心に集合形式で行うために安価な費用でご受講いただけるようになっております。ご興味のある方はコチラでお問い合わせを承っております。どうぞお気軽お問い合わせください。