好きなことを、動詞で書き出す

今日から、50個を書き出していく

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

今日はスポーツの日で祝日にあたる。授業がないぶん、少しまとまった時間が取れる人も多いと思う。

先週は、強みの正体を5日にわたって扱った。できることとのちがい、スキルとのちがい、3つの円、そして順番の話。考え方は、ここまでで整ったはずだ。

今週からは、手を動かす。今月の山場になる。使うのは、刀の森岡毅氏が著書『苦しかったときの話をしようか』で紹介している方法だ。好きなことを、動詞で50個書き出す。今日は、その書き方から始めたい。

Chapter 1 なぜ、動詞で書くのか

いきなり50個と言われると、多く感じると思う。けれど、書き方には理由があり、その理由がわかると出しやすくなる。この章では、なぜ動詞なのかを4つに分けて説明したい。ここを押さえると、作業が進む。

1-1 名詞では、自分が出てこない

まず、名詞で書くとどうなるかを見ておきたい。ここに、この方法の肝がある。

「音楽が好き」と書いたとする。これは名詞だ。けれど、これだけでは何もわからない。音楽を聴くのが好きなのか、演奏するのが好きなのか、人に勧めるのが好きなのか。まったくちがう話になる。聴くのが好きな人と、人に勧めるのが好きな人では、向いている仕事がちがってくる。名詞は対象を示すだけで、あなたがどう関わっているかを示さない。だから、名詞のままでは材料にならないのだ。先週から「動詞で書いてほしい」と伝えてきたのは、この理由による。

名詞で書きかけたら、そこで止めてほしい。「その何が好きか」まで進めると、材料になる。ここを飛ばすと、いくら書いても使えない。

1-2 動詞には、動き方が出る

では、動詞で書くと何が変わるのか。あなたの動き方が、そのまま出てくる。

「調べる」「話す」「まとめる」「つくる」「教える」「比べる」「整える」「つなぐ」。こうした言葉を並べると、自分がどういう動きを好んでいるかが見えてくる。先週扱ったコンピテンシーは、思考と行動のパターンのことだった。パターンとは、まさにこの動きの型である。つまり、動詞を集めることは、コンピテンシーの材料を集めることと同じになる。しかも、動詞は仕事の中身とも直結している。仕事は、動詞の集まりでできているからだ。

自分の好きなことを、動詞に変えてみてほしい。動詞にした瞬間、就活で使える形になる。仕事も、動詞の集まりでできているからだ。

1-3 「行動してうまくいったこと」を思い出す

書き出すときに、もう1つ手がかりがある。森岡氏は、自分が好きで、行動してうまくいったことを振り返るとよい、という趣旨のことを書いている。

ここは大事な条件だ。ただ好きなだけでなく、実際にやってみて手ごたえがあったこと。この2つが重なる場所を探す。好きだけれどうまくいかないことは、今は外していい。逆に、うまくいったけれど好きではないことも外す。両方そろっているところに、強みが集まっているからだ。先月から書いてきた「うまくいった場面」の記録が、ここでそのまま使える。書きためた人は、それを見ながら進めてほしい。

好きと手ごたえ、両方そろうものを探してほしい。2つが重なる場所に、あなたの型がある。先月から書きためた記録が、ここで役に立つ。

1-4 仕事に関係あるかは、考えない

最後に、書くときの姿勢を伝えておきたい。仕事につながるかどうかは、いま考えなくていい。

「料理をつくる」「部屋を片づける」「人の相談に乗る」「地図を見る」「写真を選ぶ」。就活と関係なさそうなものでかまわない。むしろ、そういうもののほうが素の自分が出ている。なぜなら、評価を気にせずにやっていることだからだ。先週書いたとおり、強みは意識せずに出る。だから、日常の何気ない行動の中にこそ混ざっている。仕事に使えるかどうかを判断すると、そこで手が止まってしまう。判断は、あとの工程でいくらでもできる。

仕事と関係あるかを、考えないでほしい。日常のことほど、素のあなたが出ている。判断は、あとの工程でいくらでもできる。

Chapter 2 50個を出すための、書き方の順序

理由がわかったところで、実際の手順に入りたい。やみくもに書き始めると、10個あたりで止まる。この章では、出しやすい順序を4つの段階に分けて紹介する。この順で進めれば、50個に届く。

2-1 最初の10個は、すぐ出る

まず、思いつくままに書いてほしい。最初の10個は、たいてい苦労せずに出る。

「話す」「読む」「歩く」「食べる」「聴く」。こんなものでいい。質は問わない。ここで大事なのは、勢いをつけることだ。最初から良いものを書こうとすると、1個目から止まってしまう。だから、いちばん簡単なものから書く。10個並ぶと、それ自体が呼び水になって、次が出てくる。人は、目の前に何もない状態より、何かある状態のほうが考えやすい。まずは、埋めることを優先してほしい。

最初の10個は、質を考えずに書いてほしい。勢いをつけることが、目的になる。10個並ぶと、それ自体が呼び水になって次が出てくる。まずは、埋めることを優先しよう。質は、あとからいくらでも上がる。

2-2 次の20個は、場面から引き出す

10個を超えると、手が止まりはじめる。ここからは、思い出し方を変える必要がある。

使うのは、場面だ。アルバイト先、ゼミ、サークル、授業、家、旅行先、インターン。場所を1つ思い浮かべて、そこで自分がしていたことを動詞にする。アルバイト先なら「案内する」「補充する」「声をかける」「順番を決める」。ゼミなら「調べる」「資料をまとめる」「意見を言う」「人の発表を聞く」。場面ごとに5個ずつ出せば、4つの場面で20個になる。先月から書きためた材料がある人は、そこから拾うのがいちばん早い。

場面を1つずつ思い浮かべてほしい。場面が具体的なほど、動詞は出やすくなる。1つの場面から、5個は取り出せるはずだ。書きためた材料がある人は、そこから拾うのが早い。

2-3 その次の10個は、名詞から変換する

30個あたりで、また止まる。ここで使うのが、名詞から動詞に変える方法になる。

好きなものを、まず名詞で挙げる。音楽、スポーツ、映画、料理、旅行、動物、本。そして1つずつ、「その何が好きか」を考える。野球が好きなら、観るのが好きなのか、予想するのが好きなのか、データを調べるのが好きなのか。「予想する」「調べる」という動詞が出てくる。映画が好きなら、「物語を追う」「人の心の動きを想像する」かもしれない。この変換を1つの名詞につき2個やれば、5つの名詞で10個になる。

好きなものを名詞で挙げて、変換してほしい。1つの名詞から、2個は取り出せる。5つの名詞を挙げれば、それだけで10個になる。明日は、この変換をていねいに扱う。

2-4 最後の10個は、感情から拾う

40個まで来ると、あと少しだ。最後は、感情を手がかりにする。ここが、いちばん深い材料になる。

思い出してほしいのは、嬉しかった場面、悔しかった場面、時間を忘れた場面だ。そのとき自分は何をしていたか。「後輩ができるようになったのが嬉しかった」なら、動詞は「教える」か「見守る」になる。「準備不足で失敗したのが悔しかった」なら、「備える」ことを大事にしている人かもしれない。感情が動いた場面には、価値観が顔を出している。8月の連載で書いたとおりだ。ここから拾った動詞は、3つの円の内側に近い。

感情が動いた場面から、動詞を拾ってほしい。ここで出たものには、特に印をつけておこう。感情が動いた場面には、価値観が顔を出している。

Chapter 3 書くときの、5つの約束

手順はわかったと思う。あとは、書くときに気をつけたいことをお伝えしたい。この章では、守ってほしい約束を4つ挙げる。どれも、途中で止まらないための工夫になる。

3-1 重複しても、気にしない

書いていると、似た動詞が出てくることがある。「話す」と「伝える」、「調べる」と「探す」。

これを気にしなくていい。むしろ、似たものが出るのは良いことだ。なぜなら、重なっているところに傾向が表れるからである。「話す」「伝える」「説明する」「紹介する」。この4つが並んだら、あなたは人に何かを伝えることが好きなのだとわかる。1つにまとめてしまうと、この濃さが消えてしまう。分類するのは来週の作業だ。今週は、出すことだけに集中してほしい。重複を整理しようとすると、それだけで時間が過ぎてしまう。

似た動詞が出ても、そのまま書いてほしい。重なりが、あなたの傾向を教えてくれる。整理しようとすると、それだけで時間が過ぎてしまう。

3-2 1日で終わらせなくていい

50個を1日で出そうとすると、途中で苦しくなる。今日は祝日だが、それでも全部を埋める必要はない。

おすすめは、今日20個、あとは毎日10個ずつという配分だ。今週は金曜まである。20個から始めて、残りを分けて出せば、無理なく届く。しかも、この分け方には利点がある。1日空けると、そのあいだに思い出すことがあるからだ。翌朝、歯を磨きながら「あ、あれもあった」と浮かぶことがある。この状態が、いちばんよい材料を生む。急いで埋めた50個より、考え続けた50個のほうが深くなる。

今日は20個を目標にしてほしい。残りは、今週のあいだに少しずつ出せばいい。1日空けると、そのあいだに思い出すことがある。急いで埋めた50個より、考え続けた50個のほうが深くなる。

3-3 書く場所は、1枚にまとめる

書く場所も決めておきたい。ここは、来週の作業に直結する部分になる。

ノートの見開き1枚に、50個を並べてほしい。ページをまたぐと、全体を見渡せなくなる。来週、この50個を3つに分類する作業をするのだが、そのとき一覧で見えることが重要になる。だから、字は小さくていい。1行に1個、番号を振って並べる。左端に番号、その右に動詞。これだけのシンプルな形にしておく。スマホのメモでもできなくはないが、今週だけは紙を勧めたい。一覧性がまるでちがうからだ。

見開き1枚に、50個を並べてほしい。来週の作業が、この形にかかっている。字は小さくていい。1行に1個、番号を振って並べよう。今週だけは、紙を勧めたい。一覧で見える形が、来週の作業を助けてくれる。

3-4 人に見せる前提で、書かない

最後に、大事なことをお伝えしておきたい。この50個は、誰にも見せなくていい。

見せる前提で書くと、どうしても格好をつけてしまう。「これを書いたら変に思われないか」と考えた瞬間、素の自分が消える。「寝る」「だらだらする」「人の噂を聞く」。こういうものが出てきても、そのまま書いてほしい。意外なところから、思わぬ気づきが出ることがある。分類したあと、人に相談したくなったら、そのときに整理したものだけを見せればいい。今週の50個は、自分だけのものにしておこう。

誰にも見せない前提で、正直に書いてほしい。格好をつけると、材料が減ってしまう。人に相談したくなったら、整理したものだけを見せればいい。今週の50個は、自分だけのものにしておこう。

Chapter 4 今日の作業と、今週の進め方

最後に、今日やることと、今週の流れを確認しておきたい。今週は5日間ある。ここを走り切れば、来週の分析に入れる。

4-1 今日は、20個を目標に

今日の目標は20個だ。祝日なので、少しまとまった時間が取れると思う。

やり方は、先ほどの順序どおりでいい。まず思いつくまま10個。次に、場面を2つ思い浮かべて10個。これで20個になる。時間にして、30分から40分といったところだ。もし調子が良ければ、そのまま30個まで進めてかまわない。逆に、10個で止まってしまっても問題はない。今週はあと4日ある。大事なのは、今日始めることだ。始めてしまえば、頭が勝手に続きを考えはじめる。

今日のうちに、10個でいいから書いてほしい。始めることが、いちばんの山場になる。まず思いつくまま10個。次に場面を2つ思い浮かべて10個。時間にして、30分から40分といったところだ。

4-2 番号を振っておく

書くときに、1つだけ形式をお願いしたい。必ず番号を振ってほしい。

理由は2つある。1つは、いま何個まで来たかが一目でわかることだ。数が見えると、続けやすくなる。「あと10個」と思えれば、もうひと踏ん張りできる。もう1つは、来週の作業で使うからである。分類するとき、動詞をいちいち書き写すのは大変だ。番号だけを使って仕分けできると、作業がずっと軽くなる。小さなことに見えるが、この1手間が来週を楽にしてくれる。

必ず番号を振って書いてほしい。数が見えると、不思議と手が進む。来週の分類でも、番号だけで仕分けできて作業が軽くなる。小さなことに見えて、効いてくる1手間だ。「あと10個」と思えれば、もうひと踏ん張りできる。

4-3 今週の残り4日で、50個に届かせる

今日20個書けたら、残りは30個になる。今週の残り4日で割ると、1日8個ほどだ。

明日から金曜まで、毎日10分で8個ずつ。これなら無理がない。もし今日10個しか書けなくても、1日10個ずつで金曜には届く。大事なのは、毎日開くことだ。2日空けると、そのまま止まってしまう。先月の連載で何度も書いたが、続かないのは意志の問題ではなく設計の問題である。時間を固定して、負荷を下げておけば、必ず続く。

毎日開く、と決めてほしい。書けない日も、開くだけでいい。1日10個なら、金曜には必ず届く。時間を固定して、負荷を下げておけば続く。続かないのは、意志の問題ではなく設計の問題だ。2日空けると、そのまま止まってしまう。

4-4 明日は、名詞から動詞への変換を扱う

最後に、明日の予告をしておきたい。今日の内容を、もう一段具体的にする回になる。

明日扱うのは、名詞から動詞への変換だ。今日も少し触れたが、ここは多くの人がつまずく部分になる。好きなものは思い浮かぶのに、動詞にできない。そういう相談をよく受ける。だから明日は、具体例をたくさん使いながら、変換のやり方をていねいに書いていく。趣味、日常の習慣、学校生活。いろいろな場面から、どう動詞を取り出すか。今日20個で止まった人も、明日の内容で先に進めるはずだ。趣味、日常の習慣、学校生活。いろいろな場面から取り出していく。

今日の分を書いてから、明日を迎えてほしい。手元に材料があると、話が自分ごとになる。今日20個で止まった人も、明日の内容で先に進めるはずだ。趣味、日常の習慣、学校生活。いろいろな場面から取り出していく。

今日のまとめ

今週から、手を動かす週に入った。使うのは、刀の森岡毅氏が著書で紹介している方法だ。好きなことを、動詞で50個書き出す。

なぜ動詞なのか。名詞では、自分がどう関わっているかが出てこないからだ。「音楽が好き」では、聴くのか、演奏するのか、人に勧めるのかがわからない。動詞にすると、あなたの動き方がそのまま出る。

書くときは、好きで、しかも行動してうまくいったことを振り返る。この2つが重なる場所に、強みが集まっている。仕事に関係あるかは、いま考えなくていい。

出す順序は4段階ある。最初の10個は思いつくまま。次の20個は場面から。その次の10個は名詞を変換して。最後の10個は、感情が動いた場面から拾う。

約束は4つ。重複しても気にしない。1日で終わらせなくていい。見開き1枚にまとめる。そして、人に見せる前提で書かない。

今日の目標は20個。番号を振って、見開きに並べてほしい。明日は、名詞から動詞への変換をていねいに扱っていく。一緒に見ていこう。

自分の型は、特別な場面ではなく日常の動詞の中に埋まっていると、あおラボは信じている。あなたの挑戦を、いつも全力で応援している。

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