皆さん、こんにちは!
いよいよ6月に入り、新卒採用選考は本格化していますね。多くの企業で面接が解禁され、「もう何社も面接を受けているよ!」という人も多いのではないでしょうか。一方で、周りの友人が内定を決め始める中、「なかなか選考が突破できない…」「面接が苦手で…」と、焦りや不安を感じている人もいるかもしれません。
先日、とある就職活動のリサーチ記事で、「入社試験で落ちた学生の失敗談」が紹介されていました。例えば、
- 「自己紹介が長すぎて、何を言いたいのか分からなかった」
- 「志望動機が他の学生と全く同じで、入社への熱意が感じられなかった」
- 「逆質問で調べればわかるようなことを聞いてきた」
- 「質問の意図を理解せず、的外れな回答をした」
- 「入社後、どんな仕事がしたいか聞いたら『何でもやります』と答えた」
など、皆さんも「あるある…」と感じるものもあったのではないでしょうか。
これらの失敗談、実は多くの就活生が一度は経験するか、陥りやすいポイントなんです。そして、これらの話を聞くたびに、僕たちキャリアコンサルタントは共通の疑問を抱きます。
「なぜ、せっかくの面接で、あなたの魅力が伝わらないんだろう?」
今日の記事では、面接官が実際に感じている「話が響かない学生の残念な特徴」を、僕自身のコンサルティング経験や企業側の声も交えながら、リアルに「暴露」していきます。そして、その失敗から学び、あなたの「本音」をしっかり伝えるための第一歩を踏み出すための改善策を一緒に考えていきましょう。
面接の目的は、企業と学生が「互いの本音を知り、未来を共に描けるか」を対話を通じて確認すること。決して「完璧な回答」をすることだけがゴールではありません。
1. なぜ「話が響かない」?面接官が感じている「残念なズレ」の正体
面接官は「あなたのストーリー」を聞きたいのに…
多くの学生さんは、面接で「正しい答え」を言おうとします。例えば、自己PRでは「傾聴力があります」「粘り強いです」といった結論を先に伝え、その後に何となくエピソードを続ける、というパターンです。
しかし、面接官が本当に聞きたいのは、単なるスキルや資質が「ある」という結論ではありません。彼らが求めているのは、あなたの言葉の裏にある「あなた自身のストーリー」なんです。
- どんな経験を通じて、そのスキルが身についたのか?
- その時、あなたは何を感じ、どう考え、どう行動したのか?
- そこから、あなたは何を学び、どう成長したのか?
ここに、多くの学生が陥りやすい「ズレ」があります。学生は「自己PR」や「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を、単なる実績報告だと思いがちです。しかし、面接官は、その実績に至るまでのあなたの思考プロセス、感情の動き、困難への向き合い方といった、より人間的な側面に興味を持っています。
例えば、「アルバイトで売上〇〇円を達成しました」という事実だけでは、面接官には響きません。
なぜなら、それは他の誰でも言える「結果」だからです。
響くのは、ここから。
- 「その売上達成のために、どんな課題に直面し、どう工夫しましたか?」
- 「チームの協力を得るために、あなたはどんな働きかけをしましたか?」
- 「失敗した時、どんな気持ちになり、どう立ち直りましたか?」
面接官は、あなたの「内面」と「行動」の繋がりから、入社後にどう活躍してくれるかを想像しようとしています。表面的な事実の羅列では、あなたの個性が全く伝わらないのです。
質問の「意図」を読み取れないと的外れな回答に
先の失敗談にもあった「質問の意図を理解せず、的外れな回答をした」は、実は最も頻繁に起こる「残念なズレ」の一つです。
面接官の質問は、単に「〇〇について教えてください」ではありません。その質問の背後には、必ず「確認したいこと」や「知りたいこと」という「意図」が隠されています。
例えば、
- 「あなたの長所は何ですか?」
- 意図: 「自社で活躍できるどんな強みを持っているか?」「自己分析ができているか?」
- 「学生時代に最も力を入れたことは何ですか?」
- 意図: 「困難にどう向き合ったか?」「目標達成のためにどう行動したか?」「主体性や課題解決能力はどうか?」
- 「なぜ当社を志望するのですか?」
- 意図: 「自社への理解度は?」「入社への熱意と貢献意欲は?」「企業の文化や事業とマッチするか?」
これらの質問に対し、質問の表面的な意味だけを捉えて、準備してきたテンプレート通りの回答をしてしまうと、面接官の「本当に知りたいこと」には届きません。結果として、「この学生は、こちらの意図を汲み取れないのかな?」という印象を与えてしまい、話が響かなくなってしまうのです。
質問の意図を読み取るためには、面接官の「表情」「声のトーン」「次の質問への繋がり」などを意識して、対話の流れを掴む練習が必要です。 そして、的外れな回答を避けるためには、単に質問に答えるだけでなく、「この質問は、私のどんな側面を知りたいのだろう?」と、一瞬立ち止まって考える習慣をつけましょう。
「企業軸」と「自分軸」のズレが熱意を消す
「志望動機が他の学生と全く同じで、入社への熱意が感じられなかった」という失敗談も、多くの学生が陥りがちです。これは、学生が「企業軸」でのアピールばかりに終始し、「自分軸」との繋がりが曖昧なために起こります。
- 企業軸: 企業の事業内容、企業理念、製品・サービス、業界の動向など。
- 自分軸: あなたの経験、スキル、価値観、将来の目標、やりたいこと(Will)、できること(Can)、すべきこと(Must)など。
企業研究をしっかり行い、企業の素晴らしい点を挙げることはもちろん大切です。しかし、「御社の〇〇という事業に魅力を感じました」「御社の△△という理念に共感しました」といった、誰にでも言えるような表面的な志望動機では、面接官には響きません。なぜなら、そこに「あなたでなければならない理由」がないからです。
面接官は、「数ある企業の中から、なぜうちを選んだのか?」「うちで、あなたは何をしたいのか?」という「本音」の部分を知りたいと思っています。
あなたの「自分軸」と企業の「企業軸」がどのように重なり、それがあなたの「入社への熱意」と「貢献意欲」にどう繋がっているのか。この**「あなただけのオリジナルストーリー」**が語れないと、面接官は「この学生は、うちの会社でなくてもいいのかな?」と感じてしまい、熱意が響かない結果になってしまうのです。
2. 失敗から学ぶ!「響く」面接のための今日からできる改善策
自己分析を「面接官視点」でやり直す
面接で「話が響かない」と感じるなら、まずは自己分析を「面接官視点」でやり直すことから始めましょう。
多くの場合、自己分析は「自分のことを知る」で終わってしまいがちです。しかし、面接で必要なのは、「面接官が知りたい自分を、分かりやすく伝える」ための自己分析です。
- 経験の深掘り:「なぜ?」「どうやって?」を徹底する
- 過去の経験(ガクチカ、アルバイト、部活動など)をリストアップ。
- それぞれの経験に対し、以下の質問を繰り返してください。
- 「なぜ、その行動をしたのか?」
- 「困難に直面した時、どう考え、どう乗り越えたのか?」
- 「その経験から、何を学び、それが今の自分にどう繋がっているのか?」
- 「もし同じ状況になったら、次は何をしたいか?」
- この深掘りを通じて、あなたの思考プロセスや価値観、行動特性が明確になります。
- 強みの「再現性」を示す:
- あなたの強み(例: 傾聴力、課題解決能力、粘り強さ)を挙げるだけでなく、その強みがどのように形成され、どんな状況で発揮され、今後もどんな状況で活かせるのか、具体的なエピソードを紐づけてください。
- 面接官は、あなたの強みが「入社後も再現可能か」を知りたいのです。
- 弱みと「改善への努力」:
- 弱みを質問された場合も、単に「〇〇が苦手です」で終わらせてはいけません。
- その弱みをどう認識し、どのように改善しようと努力しているか?」という前向きな姿勢と具体的な行動を示すことで、自己認識能力と成長意欲をアピールできます。
面接は「プレゼン」ではない!「対話」を意識した準備を
面接を「自分を完璧にアピールするプレゼンテーション」だと思っていませんか? 確かにアピールは必要ですが、面接の本質は「面接官との対話」です。
⒈「キーワード応答」ではなく「ストーリー応答」へ:
- 質問に対し、キーワードだけを羅列するのではなく、あなたの経験を「ストーリー」として語る練習をしましょう。
- STARメソッド(状況-Situation、課題-Task、行動-Action、結果-Result)は、ストーリーを構成する上で非常に有効ですが、さらに「感情・学び」を加えることで、より人間味あふれる魅力的な話になります。
⒉ 相手の反応を見る「傾聴力」と「調整力」:
- 面接官が頷いているか、退屈そうにしていないか、疑問に思っていないか、表情や声のトーンから相手の反応を読み取りましょう。
- 話が長くなりそうであれば短くしたり、面接官が興味を示した部分があれば、そこを深掘りして話したりするなど、会話のキャッチボールを意識して調整してください。これは、入社後のコミュニケーション能力にも繋がります。
⒊ 「本音」を伝える練習:
- 「正解」を言おうとするのではなく、「自分は何を大切にしているのか」「なぜこの会社で働きたいのか」「入社して何を実現したいのか」という、あなた自身の「本音」を、自分の言葉で伝えられるよう練習しましょう。
- 友人や家族、大学のキャリアセンターの職員、私たちキャリアコンサルタントなど、第三者に自分の話を「聞いてもらう」ことで、客観的なフィードバックを得られます。
「逆質問」で「あなたらしさ」と「本気度」をアピール
面接の終盤に聞かれる「何か質問はありますか?」という逆質問。これは、単なる疑問解消の場ではありません。あなたの「企業への本気度」と「入社後の貢献意欲」を示す絶好の機会です。
残念な逆質問は、調べればわかることや福利厚生のことばかり。
響く逆質問は、あなたの「自分軸」と企業の「未来」を重ねた質問です。
例えば、
- 「御社の〇〇事業に非常に魅力を感じており、将来的に携わりたいと考えております。もし入社できた場合、新入社員がその分野で貢献するために、現時点で意識すべきことや学ぶべきことは何でしょうか?」
- 「貴社の企業文化である『△△』を、社員の皆様は日々の業務でどのように体現されていると感じますか?具体的なエピソードがあればお聞かせください。」
このように、企業への理解度を示しつつ、あなたの「入社後の活躍イメージ」を具体的に面接官に想像させる質問をすることで、一歩抜きん出た印象を与えることができます。
まとめ:失敗は「成長のサイン」!本音の対話で未来を拓こう!
26卒の皆さん、面接で「話が響かない」と感じるのは、決してあなた自身の能力が低いからではありません。それは、多くの場合、「面接官が本当に知りたいこと」と「あなたが伝えようとしていること」の間に「ズレ」があることが原因です。
しかし、この「ズレ」は、自己分析を深め、「対話」を意識した準備をすることで必ず改善できます。面接は、あなたの「本音」を面接官に伝え、あなた自身も企業の本質を見極める大切な場です。
失敗談から学び、一つ一つの経験を「成長のサイン」と捉え、今日から具体的な改善策を実践していきましょう。あおもりHRラボは、あなたが青森で(以外の地域でも)「善くはたらく」未来を拓けるよう、本音で向き合う面接の準備を全力でサポートします。自信を持って、あなたの魅力を最大限に伝え、納得のいく内定を掴み取ってください!