何社受けても、書類が通らない。
たまに面接に進んでも、思うように話せず不合格。
頑張っているつもりなのに、結果がついてこないと、誰でも心が折れそうになるものです。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
あなたがこれまでやってきたことが、「内容として薄い」からではありません。
「伝え方」に工夫が足りていないだけかもしれません。
今回の記事では、就活で「伝わらない」状態から抜け出し、“伝える”を“届く”に変える表現術について、ESと面接の両面から丁寧に解説します。ここを見直すだけで、就活は大きく変わります。
第1章|エントリーシート:読まれやすさと伝わりやすさは別物
ESで落とされてしまうと、「自分の経験が浅いからだ」と思い込む人もいます。けれど、企業側は「すごい経験」ではなく、“その人らしさ”が伝わるかを見ています。
まず大切なのは、文章の構造です。
• 結論から書いているか?
• 話の流れが読みやすいか?
• 一文が長すぎていないか?
読み手は、何百枚ものESを見ています。だからこそ、わかりやすさ・具体性・独自性が揃っていないと、どんな良い内容でもスルーされてしまいます。
「頑張りました」「貴重な経験になりました」といった抽象的な言葉ではなく、「どんな場面で」「どんな行動をして」「何を学んだのか」を、エピソードとして丁寧に語ることが必要です。
第2章|自己PR・ガクチカ:印象に残らない理由とは?
自己PRや学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)では、こんな文章になっていないでしょうか?
「サークル活動でリーダーを務めました。メンバーをまとめながら、目標達成に向けて努力し、チームワークの大切さを学びました。」
これ、実は非常に多くの学生が使っている“テンプレ表現”です。悪くはないのですが、どこかで読んだような内容だと、印象に残らないのです。
印象に残る自己PRにするためには、次の3つの視点を意識してください。
1. 数字を入れる
例:「30名のメンバーをまとめ」「100名が参加するイベントを運営」など、具体的な数値は説得力を生みます。
2. ストーリー性を持たせる
どんな困難があり、それをどう乗り越えたか。“ドラマ”がある経験は、読み手の記憶に残ります。
3. なぜそれを頑張ったのか(動機)を明確に
「なぜ、あなたはその活動に本気で取り組んだのか?」
ここが伝わると、あなたの価値観や人柄が浮かび上がります。
“あなたらしい表現”を、あなたの言葉で。
これが何よりの差別化になります。
第3章|面接:うまく話せないのは“練習不足”ではない
「面接でうまく話せなかった…」という声をよく聞きます。
でも、それは「練習不足」ではなく、“頭の中が整理されていない”だけかもしれません。
たとえば、聞かれた質問に対して話がまとまらず、途中で「あれ、何を話していたんだっけ?」となってしまうのは、自分の伝えたいポイントが言語化されていないからです。
面接では以下の3つを意識して構成を考えることが重要です。
• 結論ファースト:「私は○○な人間です」→理由・具体例→もう一度結論
• エピソードは起承転結で整理:「状況」「課題」「行動」「結果」の順で
• 話す前に、要点を“メモ”でまとめておく(面接前の準備が命)
特にZ世代の皆さんは、会話ベースで思考する傾向があります。
頭の中で整理せずに話し始めると、「話しながら考える」状態になってしまい、伝わりにくくなるのです。
だからこそ、練習とは“暗記”ではなく、“理解の深掘り”であるという意識を持ってください。
第4章|伝える力は、「誰かに見てもらう」ことで一気に伸びる
就活は、つい“ひとりで頑張ってしまうもの”になりがちです。
けれど、一番の近道は「他者の視点」を取り入れること」です。
• ESを誰かに読んでもらう
• 面接練習をしてフィードバックをもらう
• キャリアセンターや就活塾の講師に相談する
他者からの指摘は、ときに厳しく感じられるかもしれません。
でも、それがあるからこそ、「自分では気づけなかった言葉のズレ」が見えてきます。
伝える力は、自分の中だけで完結しないからこそ、外に開いて磨いていくものなのです。
また、「自分の声を録音して聞いてみる」というのも有効です。自分がどんな口調で、どんなテンポで話しているのかを客観視することで、話し方の癖や、聞き取りやすさを確認できます。
まとめ|伝え方を変えれば、結果が変わる
もし、あなたが「通らない」「選考が進まない」と感じているとしたら、それはあなたの中身が足りないのではありません。
“伝え方の工夫”が、ほんの少し足りていないだけかもしれません。
でも、それは今すぐにでも変えられる領域です。
構成を整える、言葉を磨く、他者に見てもらう――それだけで、伝わり方は確実に変わります。
就活は「自分を売り込む」場ではありません。
「自分がどういう人間かを、正しく理解してもらう場」です。
そして、そのために必要なのは、相手に届く“伝え方”。
伝え方を変えれば、未来も変わる。
ここから、あなたの言葉を、あなた自身を、より深く伝えていけるように。
次に出すES、次に臨む面接で、あなたの“伝える力”は確実に成長しているはずです。