Z世代育成、成功の鍵は『育てる人』の意識改革
人事担当者、そして経営者の皆さん、こんにちは!
7月に入り、新入社員の皆さんも入社から3ヶ月が経ち、徐々に職場に慣れてきた頃でしょうか。一方で、人事担当者の皆さんは、「うちの若手社員、これで本当に育っているのかな?」「最近の若い子は、どう教えたらいいのか…」といった、Z世代の育成に関する悩みが増えてくる時期かもしれません。
企業の人事担当者様とお話しする中で、「Z世代の育成がうまくいかない」「早期離職を防ぐにはどうすれば」といった声は、もはや日常的な課題となっています。しかし、ここで一つ、大切な問いを投げかけたいと思います。
「Z世代の育成がうまくいかないのは、本当に『Z世代側』だけの問題でしょうか?」
実は、Z世代が育ち、定着するかどうかは、彼らの特性を理解し、そのポテンシャルを最大限に引き出せる『育成担当者』(上司や先輩、OJTトレーナーなど)の意識と役割に大きく左右されるんです。
今日の記事では、Z世代の育成が抱える根本的な課題を掘り下げ、彼らが自律的に成長し、組織で輝くために、私たち『育てる側』がどのような意識改革とアプローチが必要なのかを、具体的に解説していきます。あなたの会社の「育てる人」が、Z世代にとっての羅針盤となり、彼らの成長を力強く後押しできるよう、一緒に考えていきましょう!
1. 「Z世代の育成が難しい」と感じる、その『本当の理由』
多くの企業が「Z世代の育成が難しい」と感じる背景には、Z世代自身の特性だけでなく、私たち「育てる側」の無意識の前提や、これまでの育成スタイルの限界が潜んでいます。
1.1 『教える側』が陥りがちな3つのワナ
Z世代を育成する中で、上司や先輩が意図せず陥りがちなワナがあります。
- 『一方的な指示・命令型』からの脱却の遅れ:
- これまでの育成では、「見て覚えろ」「まずは言われた通りにやれ」といった、指示・命令型の指導が中心でした。しかし、Z世代は「なぜそれをやるのか」という「目的」や「意味」を強く求める傾向があります。目的が不明瞭なまま一方的に指示されると、「やらされ感」が募り、モチベーションが低下してしまいます。彼らは、「目的」に納得できれば、驚くほどの自律性と行動力を発揮します。
- 『正解を教えすぎること』による思考停止:
- 育成担当者がつい「答え」をすぐに教えてしまうことで、Z世代自身が「考える機会」を奪われていることがあります。彼らは、正解をすぐに得られる環境(インターネット検索など)に慣れている反面、自分で試行錯誤し、失敗から学ぶ経験が不足していることも。ここで「正解」を与え続けると、自ら課題を見つけ、解決する力が育ちにくくなります。
- 『完璧主義への過度な要求』と『失敗への過剰な反応』:
- Z世代は、SNSなどを通じて常に他者と比較される環境で育っているため、完璧主義な傾向や、失敗を過度に恐れる傾向があります。育成担当者が完璧な成果を求めすぎたり、小さな失敗にも過剰に反応したりすると、彼らは挑戦することを避け、無難な行動に終始してしまう可能性があります。「失敗は学びの機会」という心理的安全性の高い環境を提供することが不可欠です。



1.2 Z世代が求める『成長実感』と『関係性』
Z世代が仕事に求めるものは、単なる給与や安定だけではありません。彼らは、「仕事を通して成長している実感」と、「信頼できる人間関係」を非常に重視します。
- 成長実感: 「この仕事を通じて、自分がどう成長できるのか?」「どんなスキルが身につくのか?」といった、自身の将来へのポジティブな見通しを求めています。
- 関係性: 上下関係がフラットで、本音で話し合える「心理的安全性」の高い職場環境を求めます。孤立せず、安心して質問や相談ができるメンターや上司の存在は、彼らの定着に不可欠です。
この背景を理解せず、従来の育成スタイルを押し付けてしまうと、「なぜ彼らは育たないんだ?」という悪循環に陥りかねません。
2. 『教える』から『引き出す』へ!Z世代を伸ばす育成担当者の役割
Z世代のポテンシャルを最大限に引き出し、自律的な成長を促すためには、私たち『育てる側』の意識と役割を大きく転換する必要があります。それは、「一方的に教える人」から「本人の力を引き出し、自律を支援する人」への変革です。
2.1 『コーチング型』アプローチで「考える力」を育む
- 「なぜ?」を問いかける: 指示を出す際も、「なぜこれをすると思う?」「この仕事の目的は何だと思う?」と、彼ら自身に考えさせる問いかけを心がけましょう。これにより、仕事の意味を深く理解し、主体的に取り組む姿勢が育まれます。
- 「どうしたい?」を引き出す: 課題に直面した時、「どうすれば解決できると思う?」「君はどうしたい?」と、まず本人の意見やアイデアを引き出しましょう。すぐに答えを教えるのではなく、彼らが自分で解決策を導き出すプロセスをサポートすることで、自律的な思考力と問題解決能力が向上します。
- 「傾聴」と「承認」を徹底: 彼らの話を最後まで遮らずに聴き、たとえ稚拙な意見であっても、「そう考えたんだね」「そういう視点もあるね」と一度受け止める(承認する)姿勢が大切です。これにより、安心して意見を発信できる「心理的安全性」が醸成されます。
2.2 『フィードバック』は「成長の栄養」!未来志向で具体的に
Z世代はフィードバックを求める傾向が強いですが、その方法が重要です。
- 「Good & More」で伝える: 良かった点(Good)を具体的に褒め、改善点(More)は「もし次回やるとしたら、〇〇を意識するともっと良くなるよ」と、未来志向で具体的に伝えましょう。人格を否定するような伝え方はNGです。
- タイムリーに、こまめに: 成果が出た時や、小さな進捗があった時に、その場ですぐにフィードバックするよう心がけましょう。期間が空くと、彼らの成長実感は薄れてしまいます。
- 「期待」を伝える: 「君には〇〇な可能性があると期待しているから、この部分をさらに伸ばしていこう」といった、ポジティブな期待を伝えることで、彼らのモチベーションを向上させます。
2.3 【事例で学ぶ】中小企業におけるZ世代育成の成功事例
人事担当者の皆さん、中小企業でもZ世代の育成を成功させている事例はたくさんあります。
【事例:青森県内の中小企業A社の場合】
- 課題: 若手社員の定着率が低く、入社3年以内の離職が課題でした。特に、上司と若手の間にコミュニケーションの壁があると感じていました。
- 導入施策:
- メンター制度の強化: 新入社員一人ひとりに年齢の近い先輩社員をメンターとして配置。メンターには、「教える」ことよりも「傾聴し、寄り添う」ことを重視する研修を実施しました。
- 月1回の1on1ミーティングの義務化: 上司と部下の間で、業務進捗だけでなく、キャリアの悩みやプライベートな相談もできる場として、月1回の1on1ミーティングを義務化。上司には「部下の話を聞き、質問で引き出す」コーチングスキルの研修を行いました。
- 「失敗OK」の文化醸成: 小さな失敗を咎めず、「次どうすればいいか一緒に考えよう」というポジティブな声かけを徹底。成功事例だけでなく、失敗から学んだことを共有する「失敗談共有会」も導入しました。
- 結果: 導入後1年で、Z世代社員の定着率が大幅に向上。若手社員から「安心して相談できる」「自分の意見を聞いてもらえる」という声が増え、主体的に業務に取り組む姿勢が見られるようになりました。特に、メンター制度を通じて、若手社員のエンゲージメントが向上したことが、離職率低下に大きく貢献しました。
この事例からもわかるように、大切なのは「特別なこと」ではなく、「育てる側」がZ世代の特性を理解し、彼らの力を信じて「引き出す」姿勢に変わることです。
まとめ:『育てる人』の意識改革が、Z世代の未来を拓く!
人事担当者の皆さん、Z世代の育成は、決して難しいことばかりではありません。「教える」から「引き出す」へ、そして「正解を提示する」から「共に考える」へと、私たち『育てる側』の意識を少し変えるだけで、Z世代の若手社員は驚くほどの成長を見せてくれます。
今日の記事で学んだ『育成担当者』の意識改革と具体的なアプローチを、ぜひ貴社のZ世代育成に活かしてみてください。彼らが安心して学び、自律的に成長できる環境は、貴社の未来を創造するための強力な基盤となるでしょう。
「自社の育成担当者、これで本当にZ世代に響いているのかな?」
「コーチング型アプローチ、具体的にどう導入すればいいの?」
「社内でZ世代育成の研修を実施したいけど、誰に頼めばいい?」
そうお考えの青森県内の企業様へ。
Z世代の「心の動き」を理解し、彼らのポテンシャルを最大限に引き出すためには、心理学に基づいた実践的なコミュニケーションスキルが不可欠です。
私たち「あおもりHRラボ」では、8月9日(金)・23日(金)、9月13日(金)に、企業の人事担当者・若手社員の皆様を対象とした「自分力を育てるTA心理学講座」を開催しています。
TA(交流分析)心理学は、自分自身と他者のコミュニケーションパターンや行動特性を深く理解するための実践的なツールです。この講座を通じて、Z世代の「タイプ」を理解し、一人ひとりの特性に合わせた効果的なコーチングやフィードバック、対話型マネジメントの手法を習得できます。若手社員の自律的な成長を促し、エンゲージメントを高めるための「人」と「組織」の知恵がここにあります。
貴社のZ世代社員が、心から「この会社で働き続けたい」と思える、そして、彼らと共に貴社がさらに「善くはたらく」組織となるために、ぜひこの機会をご活用ください。
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私たちは、貴社の「善くはたらく」組織づくりを、心から応援しています!