短所は直さなくていい――強みを武器にする夏

弱みを埋めるより、強みを、とがらせよう

こんにちは、あなたらしく輝ける未来を共に創造して、キャリア形成や就活の支援をおこなっている【あおラボ】です。

この5日間、私たちは、学生の世界と大人の世界の「ものさし」のちがいを、一緒に見てきた。「言われた通り」だけでは足りないこと。意見を言うことや、勉強の、その先の力。そして昨日は、弱みとの、上手なつき合い方を考えた。

今日は、その、いちばん大事な結論をお話しする。それは、「短所は、無理に直さなくていい。強みを、武器にすればいい」ということだ。

弱みばかり気にして、小さくまとまる必要はない。あなたには、必ず、強みがある。今日は、その強みを見つけて、武器にする方法を、一緒に考えていこう。この連載の、集大成だ。

Chapter 1 なぜ「強み」で戦うのか

まず、大事な問いから始めよう。「なぜ、弱みを直すより、強みで戦うほうがいいのか」。じつは、これには、はっきりした理由がある。この章では、その理由を見ていく。ここが腹落ちすると、弱みへの不安が、ふっと軽くなるはずだ。あなたの、戦い方が決まる章だ。

1-1 弱みを平均点にしても、埋もれる

苦手なことを、必死にがんばって、なんとか人並みにする。まじめな人ほど、こう考える。でも、そのがんばりは、思ったほど、報われないことがある。

なぜなら、弱みをどれだけがんばっても、たどりつけるのは、せいぜい「人並み」だからだ。人並みは、たくさんいる。だから、そこでは、埋もれてしまう。苦手を平均点にするために使ったエネルギーは、大きいわりに、あなたを目立たせてはくれない。もちろん、最低限は必要だ。でも、そこに全力を注ぐのは、少し、もったいない。

「苦手を人並みに」に、全エネルギーを注ぐのを、少しやめてみてほしい。そのぶんの力を、次に話す「強み」に、まわしていく。エネルギーの、使いどころを変えるのだ。苦手を人並みにする努力を、全部やめる必要はない。ただ、そこに「全力」を注ぐのは、やめよう。力の大半は、伸びるところに使うのが、かしこい。

1-2 強みを飛びぬけさせると、選ばれる

「そんなに得意なこと、ないよ」。そう思うかもしれない。でも、あなたにも、まわりより少しだけ得意なことが、必ずある。それを、伸ばしたら、どうなるか。

強みを、人並みから、飛びぬけたところまで伸ばすと、あなたは「選ばれる人」になる。「これなら、あの人だ」と、思い出してもらえる。大人の世界では、全部そこそこの人より、一つでも飛びぬけた人が、必要とされる。弱みを埋めるより、強みを伸ばすほうが、ずっと、あなたを輝かせる。同じ努力なら、伸びるほうに、使いたい。

「自分の、いちばんの得意は何だろう」と、考えてみてほしい。そして、それを、もっと伸ばすことを、考える。強みは、伸ばすほど、あなたの名前になる。しかも、強みを伸ばすのは、苦手を直すより、ずっと楽しい。得意なことは、やっていて気持ちがいいからだ。楽しく続けられて、しかも選ばれる。いいことずくめだ。

1-3 大人社会は「とがった人」を必要としている

学校では、全部そつなくこなす「オールラウンドな優等生」が、評価されがちだった。だから、「全部できないと」と、思いこんでいる人も、多い。

でも、大人の世界は、少しちがう。むしろ、「これが、すごく得意」という、とがった人を、必要としている。会社は、いろんな得意を持った人が、集まってできている。全員がオールラウンドである必要は、ない。むしろ、それぞれが、ちがう強みを持ち寄って、チームになる。だから、あなたは、全部できなくていい。一つ、とがっていればいい。

「全部できる人」を目指すのを、やめてみてほしい。かわりに、「これは負けない」を、一つ持つ。とがっていることは、社会では、弱点ではなく、魅力なのだ。あなたの苦手は、だれかの得意でカバーされる。かわりに、あなたの得意が、だれかの苦手を助ける。それが、チームというものだ。だから、安心して、とがっていい。

1-4 「短所は直さなくていい」の、本当の意味

「短所は直さなくていい」と聞くと、「じゃあ、苦手を放っておいていいんだ、ラッキー」と、思うかもしれない。でも、それは、少しちがう。

「直さなくていい」の本当の意味は、「短所を、人並みにするために、必死になりすぎなくていい」ということだ。昨日話したように、「これだけは」という一つの弱みには、向き合う。でも、それ以外の苦手は、強みでカバーすればいい。短所を消すことに、人生をかけない。強みを伸ばすことに、力を注ぐ。この、力の配分が、大切なのだ。

苦手なことを、全部直そうとするのを、手放してほしい。「これだけは」の一つ以外は、強みでカバーする。そう決めると、心も、時間も、ずっと自由になる。全部を直そうとすると、いくら時間があっても足りない。でも、一つに絞れば、ちゃんと向き合える。手放すことは、あきらめではなく、大事なものに集中するための選択だ。

Chapter 2 自分の「強み」を見つける

「強みで戦う」といっても、「そもそも、自分の強みが、わからない」という人は、多いだろう。だいじょうぶ。強みは、すごい才能でなくていい。そして、探し方にも、コツがある。この章では、あなたの中に、必ずある強みを、見つける方法を、一緒に見ていこう。まだ気づいていないだけの、宝物を、探しにいく。

2-1 強みは、すごい才能でなくていい

「強み」と聞くと、スポーツで全国一位、とか、天才的なひらめき、とか、すごいものを思いうかべてしまう。そして、「自分には、そんなのない」と、あきらめる。

でも、強みは、そんな、大それたものでなくていい。「約束を、必ず守る」「人の話を、じっくり聞ける」「こつこつ、続けられる」。こうした、地味に見えることも、りっぱな強みだ。むしろ、大人の世界では、こういう地味な強みのほうが、長く役に立つ。派手さは、いらない。あなたの、あたりまえにできることの中に、強みは、かくれている。

「すごくないと、強みじゃない」という思いこみを、捨ててほしい。地味でいい。あなたが、ふつうにできてしまうことを、強みの候補として、見てみよう。

2-2 「自然にできてしまうこと」が、強みのヒント

自分の強みは、自分では、なかなか気づきにくい。なぜなら、自分にとっては、あたりまえすぎて、「強み」だと、思えないからだ。

だから、こう考えてみてほしい。「がんばらなくても、自然にできてしまうこと」は何だろう、と。人が苦労することを、なぜか、すっとできてしまう。それこそが、あなたの強みだ。たとえば、初対面の人とでも、自然に話せる。細かいまちがいに、すぐ気づく。楽しそうと思ったら、すぐ動ける。自分では「ふつう」でも、他の人には「すごい」ことは、たくさんある。

「自分が、努力なしにできてしまうこと」を、思いうかべてみてほしい。それは、あなたにとっては当たり前でも、りっぱな強みだ。当たり前を、見つけてあげよう。

2-3 人からよく頼まれることに、強みが隠れている

自分の強みが、どうしても見つからない。そんなときは、自分の中を探すのを、いったんやめて、まわりを見てみるといい。

強みは、「人から、よく頼まれること」に、隠れていることが多い。「これ、まとめといて」とよく頼まれるなら、整理する力があるのかもしれない。「相談にのって」とよく言われるなら、聞く力があるのかもしれない。人は、あなたの強みを、あなたより先に、気づいていることがある。だから、頼まれごとは、あなたの強みからの、ヒントなのだ。

「自分は、どんなことを、人からよく頼まれるかな」と、思い出してみてほしい。よく頼まれることの中に、あなたの強みが、かくれている。まわりの声は、あなたを映す鏡になる。もし、まわりに聞ける人がいたら、「私の良いところって、何だと思う?」と、たずねてみるのもいい。照れくさいけれど、自分では気づけない強みが、返ってくることがある。

2-4 弱みの裏返しが、強みだったりする

「自分は、心配性で、こまかいことが気になる」。これを、弱みだと思っている人は、多い。でも、本当に、弱みだけだろうか。

じつは、弱みと強みは、コインの裏表のようなものだ。心配性は、裏を返せば「慎重で、ミスに気づける」という強みになる。「決めるのが遅い」は、「じっくり考えられる」。「一人が好き」は、「集中して取り組める」。見方を変えるだけで、弱みが、強みに、ひっくり返る。あなたが弱みだと思っているものの中にも、じつは、強みが、かくれているのだ。

自分の弱みを、一つ、思いうかべて、「これを、良く言うと?」と、言いかえてみてほしい。弱みの裏側に、あなたの強みが、待っている。だから、弱みに落ち込んだときこそ、「これの、良い面は?」と考えてみてほしい。弱みと強みは、同じものを、どちらから見るか、というだけの話なのだ。

Chapter 3 強みを「武器」にする

強みが見つかったら、次は、それを「武器」にする番だ。強みは、ただ持っているだけでは、宝の持ちぐされだ。意識して使って、伸ばして、初めて、あなたを助ける武器になる。この章では、見つけた強みを、どう武器に育てていくかを、見ていこう。ここまで来れば、あと少しだ。

3-1 強みは、意識して使って初めて武器になる

強みを見つけても、「へえ、これが自分の強みか」で、終わってしまう人が多い。でも、それでは、宝物を、引き出しにしまったままだ。

強みは、意識して、使ってこそ、武器になる。「自分は、聞く力が強みだ」と気づいたら、話し合いで、意識して、聞き役に回ってみる。「続ける力がある」なら、それを、はっきり自分の売りにする。使うほど、強みは、みがかれ、鋭くなる。持っていることと、使えることは、別だ。宝物は、使って、初めて、力を発揮する。

見つけた強みを、今週、一度、意識して使ってみてほしい。「今、自分の強みを使ってるぞ」と、思いながら。使うたびに、それは、あなたの、たしかな武器になっていく。最初は、「これが強みかな?」という、あいまいなものでいい。使っているうちに、「やっぱり、これは得意だ」と、はっきりしてくる。使うことが、確信を育てる。

3-2 強みで、弱みをカバーする

弱みが気になると、つい、そこばかりを、なんとかしようとする。でも、昨日と今日で見てきたように、それは、いちばんの近道ではない。

かしこいのは、強みを使って、弱みをカバーすることだ。人前で話すのが苦手でも、「準備を、こつこつやる強み」があれば、しっかり練習して、乗りきれる。とっさの対応が苦手でも、「事前に考える強み」があれば、先まわりして、そなえられる。弱みを、正面から直すのではなく、強みで、まわり道して乗りこえる。この作戦が、あなたを、うんと楽にする。

「これだけは」の弱みを、どの強みでカバーできるか、考えてみてほしい。弱みと強みを、組み合わせる。それが、いちばん、あなたらしい戦い方になる。世の中で活躍している人も、じつは、この作戦を使っている。苦手を直したのではなく、得意で、うまくおぎなっているのだ。あなたも、同じことが、できる。

3-3 強みを、伸ばしきる(とがらせる)

強みが見つかっても、「まあ、こんなものか」と、そこで、伸ばすのをやめてしまう。でも、それでは、もったいない。

強みは、伸ばしきってこそ、本当の武器になる。少し得意、を、だれにも負けない、まで、とがらせる。そのためには、その強みを使う場を、たくさん持つことだ。聞く力が強みなら、いろんな人の相談にのる。書く力が強みなら、たくさん書く。使えば使うほど、強みは、するどく、大きくなる。とがった強みは、いつか、あなたの「これが自分だ」という、看板になる。

いちばんの強みを、一つ選んで、「これを、とことん伸ばす」と、決めてみてほしい。あれこれ手を広げず、一つを、とがらせる。それが、あなただけの、武器になる。一つのことを、とことんやった経験は、それ自体が、大きな自信になる。「自分は、これをやりきった」という感覚が、他のことに挑戦するときの、支えにもなる。

3-4 就活は、「強みを知ってもらう場」

就活と聞くと、「ふるいにかけられて、落とされる、こわい場」だと、身がまえてしまう人が多い。でも、その見方だと、就活は、つらいだけになる。

でも、見方を変えてみよう。就活は、「自分の強みを、相手に知ってもらう場」だ。会社は、あなたの弱みを、探しているのではない。あなたの強みが、会社の役に立つかを、知りたいのだ。だから、自分の強みが、はっきりわかっていれば、就活は、こわい場ではなく、「自分を、正直に伝える場」に変わる。強みを知る人にとって、就活は、じつは、楽しい活動になる。

「就活は、自分を売りこむ場ではなく、正直に知ってもらう場」と、捉え直してみてほしい。そのためにも、今のうちに、自分の強みを、はっきりさせておこう。

Chapter 4 この夏から、始めること

いよいよ、最後の章だ。この夏、何から始めればいいのか。そして、この5日間で伝えたかったことを、まとめておきたい。むずかしいことは、何もない。今日、家に帰ってから、できることばかりだ。あなたの、これからの、はじめの一歩を、一緒に描いていこう。

4-1 強み探しを、この夏の宿題にする

「強みを見つけよう」と言われても、いつやればいいか、わからないまま、夏が終わってしまう。それでは、もったいない。

だから、この夏を、「自分の強みを、見つける夏」にしてみてほしい。夏休みは、時間がある。バイトや、サークルや、旅行の中で、「あ、自分、これ得意かも」と感じた瞬間を、メモしておく。それだけでいい。夏の終わりには、あなたの強みリストが、少しずつ、たまっているはずだ。あわてて探さなくていい。日々の中で、見つけていく。

スマホのメモに、「強みメモ」を、一つつくってほしい。得意かも、と感じたら、書きとめる。この夏の、いちばん大事な宿題だ。楽しみながら、やってみよう。宿題といっても、机に向かう必要はない。遊んでいるときも、働いているときも、ヒントは転がっている。楽しみながら集めるのが、いちばん長続きするコツだ。

4-2 小さく、強みを使う場面をつくる

強みを見つけても、使う場がなければ、みがかれない。でも、「使う場なんて、そうそうない」と、思うかもしれない。

でも、強みを使う場は、日常に、いくらでもある。聞く力なら、友だちの相談にのる。まとめる力なら、グループの記録係をかってでる。動く力なら、イベントの幹事をやってみる。ほんの小さな場でいい。強みを、意識して使う。その一回一回が、あなたの武器を、みがいていく。特別な舞台は、いらない。日常が、練習場だ。

今週、自分の強みを使える場面を、一つ、自分からつくってみてほしい。小さくていい。使うことが、強みを、本物の武器に育てていく。だれかに頼まれるのを待たなくていい。「これ、私がやろうか?」と、自分から手をあげる。その一言が、強みを使うチャンスを、自分に引き寄せてくれる。

4-3 弱みの一つと、強みの一つ、両方を持つ

ここまでの話で、「弱みに向き合う」のと、「強みを伸ばす」のと、どっちをやればいいの? と、こんがらがった人も、いるかもしれない。

答えは、「両方」だ。でも、欲ばらない。昨日決めた「これだけは、の弱み」を、一つ。そして、今日見つけた「いちばんの強み」を、一つ。この二つだけ、持って、この夏を過ごす。弱みは、少しずつ乗りこえ、強みは、思いきり伸ばす。この二つを、両手に持てば、あなたは、ぐっと、たくましくなる。あれもこれも、ではなく、この二つに、集中しよう。

「乗りこえる弱み、一つ」と「伸ばす強み、一つ」を、紙に、書いてみてほしい。この二つが、あなたの、この夏の、道しるべになる。二つと決めると、迷わなくなる。あれもこれもと気が散らず、この夏やることが、はっきりする。シンプルにするほど、続けやすく、結果も出やすい。

4-4 5日間のまとめ――就活が、楽しくなる人へ

この5日間、たくさんの話をしてきた。「結局、何がいちばん大事だったの?」と、思うかもしれない。最後に、それを、一つにまとめておこう。

この連載で、いちばん伝えたかったのは、こうだ。学生と大人では、ものさしがちがう。それを、早く知っておく。でも、知って、弱みに悩んで、小さくまとまらない。弱みは、開き直りつつ自覚し、一つだけ、行動で乗りこえる。そして、何より、自分の強みを見つけて、それを、武器にする。これを、学生のうちに、済ませておく。そうすれば、就活は、こわい場ではなく、楽しい活動に、変わる。

この夏を、「自分を知り、強みを育てる夏」にしてほしい。今、この準備を始めたあなたは、就活のとき、きっと、笑顔でいられる。その一歩を、今日、踏み出せたことを、誇りに思ってほしい。

今日のまとめ

5日間にわたる連載「学生のものさし、大人のものさし――就職前に知っておきたい”評価の逆転”」は、これで完結だ。

私たちは、2つのものさしのちがいから始まり、「言われた通り」の落とし穴、意見を言う力、勉強のその先、弱みとのつき合い方、そして、強みを武器にすること、までを、一緒に見てきた。

どの回にも、共通していたことがある。それは、「あなたを、否定しない」ということだ。あなたのやり方も、弱みも、これまでのがんばりも、全部、あなたの一部だ。無理に、変える必要はない。ちがいを知り、弱みと上手につき合い、強みを、思いきり伸ばす。それだけでいい。

弱みは、あって当たり前。大切なのは、あなたの強みを、武器にすることだ。この夏、その準備を始めたあなたは、もう、前に進み始めている。あなたらしい未来を、あおラボは、心から信じ、いつも全力で応援している。

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