24年卒を対象にした地元就職に関する調査結果(n=3,924名)がマイナビから先月発表されました。地元(Uターン含む)就職を希望する学生は前年同様に6割だったことがわかりました。
地元就職を希望する学生は62.6%で、前年同率でした。経済状況の推移を有効求人倍率と合わせて見ると、コロナ禍以降の経済状況が不透明で求人倍率がやや低下たこともあり地元就職意欲が高まっていると考えられます。さらに、昨年から続く物価高などにより景気回復の実感が薄いことや、オンラインの普及なども背景に考えられ、高い水準であることが伺えます。
大学(大学院)に入学した際と現在の地元就職希望割合の差が8.3ptと前年以上あったのは、コロナ禍によりオンラインでのインターンシップや就活が普及したことで、地元を離れても情報収集をしたり専行を受けられたりする点も、地元就職意向を後押ししているのではないかと推察されます。

地元就職を希望する理由としては、「両親の近くで生活や実家からの通勤」を望んで切る学生が多いことがわかりました。
働き方や住む場所の理想についてのコメントにも、「家族との時間を大切にしたい」「実家で生活して貯金したい」などの声があがっていました。家族のサポートが必要と考えていることや実家で暮らすことで経済的な不安を少しでも解消したいと考えている学生が少なくないように伺えました。

地元外進学でUターン就職を希望する学生に、セミナーの実施形式が参加申込に影響したことがあるかを尋ねたところ、「影響したことがある」と回答した学生は57.9%でした。詳細としては、「WEB参加可能だったので「エントリーすることにしたセミナーがある」45.0%、「WEB参加不可(対面のみ)だったためにエントリーしなかったセミナーがある」24.6%でした。

セミナーについて、4人に1人がWEB参加NGだったのでエントリーしなかったセミナーがあると答えていたことは少し驚きました。当調査での卒業した高校の所在地を地元としていますが、その多くが一般的に言われる地方であるとすると、地方企業の中にはIT化が進んでおらずにこうした課題への対応が遅れているケースも散見されます。仮にWEB参加NGの理由がそのよう理由だとしたら、もったいない機会損失だと思います。地元就職を希望する学生をつなぐ場として運営しているあおもりHRラボとしては、参考になる情報として受け止めました。
都市部の企業と地方企業を就職先として比較するとさまざまな違いがありますが、学生が最も強く関心を寄せるのが収入を含めた経済面での差ではないでしょうか。経済的豊かさの追求を否定するつもりは毛頭ありませんが、収入の差は一昔よりは随分改善された地域が多くなっていることも事実です。
就活を機に多くの学生が自己分析に取り組まれたと思いますが、今一度JOBだけではなくLIFEを合わせた自分の人生をどのように生きたいのかを考えてみると、地方で働き生活する価値を再発見できるかもしれません。視点や視座を変えて地元就職を再考してみてはいかがでしょうか。