究極の能力とは

職務遂行では自分の力を存分に発揮することが望ましいですし、職業人には等しく求められることです。それは、私たちが自身の個性、知識、能力をどう活かすのか、が試されるのです。

近年、PCとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでも仕事ができる時代となり、個々人が力の発揮の資質が問われる時代になったと考えています。

この時期になると新入社員研修でなどのネタを求めて連絡をいただくきのですが、必ずご紹介するのが、【やり抜く力(GRIT)人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける/アンジェラ・ダックワース】を課題図書として入社早期に読んでもらうようにすることです。

職業人となった新入社員が早期に身につけたいものとして、①仕事力、②コミュニケーション力、③数字思考力、④セルフマネジメント力(健康含む)、⑤ビジネス教養を紹介しています。自社の新入社員研修では、経営理念を加えた6つを軸にして担当時間を構成しています。

仕事力の中で最も重要な要素を一つ上げろと言われたら、迷わず「やり抜く力(GRIT)」だと伝えるようになってもう8年目となりますが、やり抜く力を超えるものは見つかっていません。

著者は、『どんな分野であれ、大きな成功を収めた人たちには断固なる強い決意があり、それがふたつの形となって表れていた。第一に、このような模範となる人たちは、並外れて粘り強く、努力家だった。第二に、自分が何を求めているのかをよく理解していた。決意だけでなく、方向性も定まっていたということだ。』と言っています。

やり抜く力の重要点としは「情熱と粘り強さ」です。Z世代に限らず、最近ではスルーされることが多い要素になっているようにも感じています。しかし実際の職務遂行の場では、コツコツと積み上げる努力が何よりも大切なのです。目標に継続的に取り組む力が備わっているかいないかは、個人だけの問題ではなく、チームとしても影響のある課題なのです。

「情熱」と言うと、「夢中」や「熱中」と同じ意味と捉える方もおられるでしょうが、違うのだそうです。「情熱」とは、「ひとつのことにたゆまず専念すること」を表す言葉なのです。何かに熱中するのは簡単でも、それを持続するのは難しいことは、あなたも経験済みなのではないでしょうか。

偉業を成し遂げた人たちに「成功するために必要なものは何ですか?」と尋ねると、「夢中であること」、「熱中すること」と答える人はほとんどいないのだそうです。多くの人が口にするのは「熱心さ」ではなく、「ひとつのことにじっくりと長い間取り組む姿勢」だと著者はいっています。

「粘り強さ」について著者は、『知識のレベルは最高ではなくても、最大限の粘り強さを発揮して努力する人は、知識レベルが最高に高くてもあまり粘り強く努力しない人より、はるかに偉大な功績を収める』と言いさらに『人生で挫折や失敗を味わったとき、自分がどれくらい粘り強く頑張れるか」が大切だとも言っているのです。

粘り強さの理解と実践には、以前ご紹介した芳村思風先生の「意志の力・愛の実力」が良き指南役となると思います。

まもなく新社会人となる23年卒だけではなく、就活中の24年卒の皆さんが、目標に継続的に取り組まれるヒントとなれば幸いです。

今回は仕事力で最も重要と考えていることをお伝えしてきましたが、最後にやり抜く力を高めるメリットの一つには、心身の健康につながることも書き残しておきます。

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