「若い世代の働くことに対する価値観が大きく変わってきている」、といった話しがときどき話題に上がります。たとえば、転職サービスではここ数年で登録者が急増しているそうです。ある会社では10年程前に比べると、30倍近くまで伸びているそうです。特に、新入社員として入社したばかりの4月に登録者が急増しているそうです。
「すぐに転職するわけじゃないけど、転職サービスには登録しておこう」とする新社会人が増えているとのことです。
この背景を調べるなかで、若い世代の転職への考え方が変化していることが伺えます。
20歳から24歳の働く人たち300人を対象に行った調査では、「転職をポジティブなものと捉える傾向が、以前にもまして強くなってきている」ようです。
年代を問わず人材の流動性が高まるなか、言い換えれば「転職するのが当たり前」の時代になってきた中で、自分の最初の就職先を「ファースト・キャリア」と位置づけて、あらかじめ転職を自分の成長のための選択肢として捉えている人が増えている傾向にあるのです。
さらに、キャリアそのものに対する意識の変化も伺えます。
下図は、上に示した調査で「仕事を選ぶ上で重視すること」を尋ねた結果のうち、4年前の2019年調査との比較して増えた項目を示したものです。
現代の若者は働く未来に対する不安から、自分が市場価値をあげていかないといけないと考えるようになった世代と言われています。自身で雇用を守るために加え、やりたい仕事を自分が望む働き方でこなすためにも、スキルや市場価値を求める傾向にあるように見えます。
VUCA時代と言われる先が読めない時代のなかで、すぐに転職を考える状況ではなくても、市場で求められるスキルや経験について情報収集を行い、自身の成長に繋げようと考えている若い世代が増えていることが、4月に転職サービスの登録者数が伸びている背景にあるのだと思われます。つまり、新入社員として入社した喜びよりも、少し先の自分の人生を考えたときに、先が見えない不安や恐れが強いのではないかとも考えられるのです。
だとしたら、学生時代にもっと本質的で本格的に自己分析やキャリアデザインに取り組むことも重要なことではないかと考えるのです。
そんな思いを持って学生のキャリア形成や就活を支援しております。その一つとして弘前大学生協様が実施する「学びと体験・出発(たびだち)講座」に参加しております。
昨日、今年度のプロジェクトメンバーと初顔合わせを行い、11月25日に自己分析に関連するワークショップをメンバーと協働で開催することとなりました。詳細は後日発表いたします。特に就活にはまだ少し時間がある!と考えておられるであろう、1年生2年生にフォーカスしたプログラムとなります。メンバーと共に学び、ファースト・キャリアでガッツポーズをする自分を創造しましょう。