「とりあえず3年働く」はもう古い?
近年、「3年以内の転職」を前提とした就活をする学生が増えています。「新卒で入った会社はとりあえず3年続けるべき」という昔ながらの価値観は、変化の激しい現代においては必ずしも正しいとは言えません。
実際、厚生労働省のデータによると、新卒入社後3年以内に離職する割合は3割以上。また、企業側も「3年以内の離職」を想定し、早期退職を前提とした採用戦略を練るケースも増えてきました。
しかし、「3年以内の転職」が本当に正しい選択なのか、もう一度考えてみる必要があります。転職を繰り返すことで得られるメリットもあれば、長期的なキャリア形成に悪影響を及ぼすリスクもあります。
本記事では、転職前提の就活のメリットとリスクを整理し、就職後に後悔しないためのキャリア形成のポイントを解説します。
「転職前提の就活」が増えている理由
① 変化の激しい時代だからこそ、柔軟なキャリア設計が求められる
かつては「終身雇用」が当たり前でしたが、現代は転職が一般的になり、1つの企業でキャリアを積む時代ではなくなりました。特に、IT業界やベンチャー企業では、スキルを磨いて転職しながらキャリアアップを狙うスタイルが主流です。
② 企業側も「ジョブ型雇用」を意識し始めている
従来の「メンバーシップ型雇用」(総合職として会社に入社し、様々な業務を経験しながら成長するスタイル)に対し、最近では**「ジョブ型雇用」**(専門性の高い業務に特化して働くスタイル)が注目されています。これにより、新卒時点で「どの業務を担当するのか」が明確になりやすくなりました。
③ SNSや口コミサイトで企業のリアルな情報が手に入りやすくなった
かつては「入社してみないと職場の実態がわからない」時代でしたが、現在はSNSや口コミサイト(OpenWork、転職会議など)を活用し、企業の評判や実態を知ることが可能になりました。その結果、「もし合わなかったら転職すればいい」という考えを持つ人が増えています。
「3年で転職」は本当に正解なのか?メリットとリスクを整理
◎ 3年以内の転職のメリット
✅ より自分に合った職場を見つけるチャンスが増える
✅ スキルや経験を活かしながら市場価値を高められる
✅ 企業文化が合わないストレスから解放される
「最初の会社でミスマッチを感じたら、無理に続ける必要はない」という考え方も、キャリア形成の選択肢のひとつです。
△ 3年以内の転職のリスク
⚠ 「すぐ辞める人」というレッテルを貼られる可能性がある
⚠ 転職市場での評価が低くなる可能性がある
⚠ 「何がやりたいのか」が定まらないまま迷走する可能性がある
特に注意したいのが、「転職回数が増えることで市場価値が下がる」点です。企業は「この人を採用しても、すぐに辞めてしまうのでは?」と懸念するため、短期間での転職を繰り返すと採用されにくくなるリスクがあります。
「転職ありき」のキャリア設計ではなく、「納得できる就職」をするために
転職するかしないかは、最初の就職時点での意思決定によって大きく左右されます。では、入社後に後悔しないためには、どのような就職活動をすればよいのでしょうか?
1. 「何がやりたいか」ではなく「どんな環境で成長できるか」を考える
就活の際、「自分は何がやりたいのか?」と考えがちですが、実際に働いてみないと「本当にやりたいこと」が見えてこないケースも多いです。そのため、仕事内容よりも「自分が成長できる環境かどうか」を重視することが大切です。
2. 企業の価値観や文化をしっかりリサーチする
給与や仕事内容だけでなく、企業の社風や価値観が自分と合っているかどうかも非常に重要です。企業のビジョンや社員の働き方、社内の雰囲気などを確認し、自分が「この環境なら頑張れる」と思える会社を選びましょう。
3. 「転職する前提」ではなく「この会社でどう成長できるか」を考える
最初から「転職前提」で会社を選ぶのではなく、「この会社でどんなスキルを身につけ、どのように成長できるか」を考えることが大切です。たとえ将来的に転職を考えるとしても、**「この会社で培ったスキルが市場価値を高めるものかどうか」**を意識することで、後悔のないキャリア形成が可能になります。
まとめ|一度限りの人生、後悔しないキャリアを選ぼう
「とりあえず3年で転職」という考え方は、一見合理的に思えるかもしれません。しかし、短期間で転職を繰り返すことが必ずしもキャリアアップにつながるとは限らないことを忘れてはいけません。
大切なのは、就活の時点で「自分にとって納得できるキャリア選択」をすること。
そのために、企業の情報収集をしっかり行い、「この環境で成長できるか?」を軸に考えることが重要です。
就職はゴールではなく、あくまでキャリアのスタートラインです。
一度限りの人生、後悔のないキャリアを築くために、自分自身の「仕事観」や「人生観」をしっかり持って進んでいきましょう!
引き続き転職について次回も触れてみます。次回は転職でキャリアアップできる人と行き詰まる人の決定的な違いについて詳しく解説します。ぜひご覧ください!